Gryphonの古楽×プログレ完全ガイド|入門から代表アルバムまで徹底解説
はじめに — Gryphonという存在
Gryphonは1970年代初頭にイギリスで活動したバンドで、中世・ルネサンス音楽由来の楽器(リコーダー、クルムホルン、バソンなど)とプログレッシブ・ロックのアンサンブルを融合させた独自のサウンドで知られます。器楽中心の長尺曲や民謡的メロディ、美しいアンサンブル感覚が魅力で、「古楽+プログレ」という珍しい組合せを聴きたい人には必聴の存在です。
おすすめレコード(概観と選び方)
以下では、入門から深堀りまでの聴きどころを踏まえて代表的なアルバムとおすすめポイントを解説します。時代ごとの変化や音作りの違いにも注目してください。
1. Gryphon(デビュー作) — 入門編に最適
ポイント:バンドの原点が最も純粋に出た作品。中世的な旋律感、アコースティックな質感、器楽アンサンブルの妙を堪能できる。
- サウンドの特徴:リコーダーやクルムホルン等の古楽器とアコースティック・ギター、パーカッションが前面に出たサウンド。歌ものより器楽曲が中心で、旋律の美しさが際立ちます。
- おすすめリスニングポイント:曲のテーマがどう発展し、楽器間でモチーフが受け渡されるかに注目すると、バンドの編曲センスがよく分かります。
2. Midnight Mushrumps — 実験性と構築性の深化
ポイント:より構築的なアレンジと多彩なダイナミクス。オリジナルの作曲手法が磨かれ、時にロック的な勢いが現れる場面も。
- サウンドの特徴:デビュー作の美しさを引き継ぎつつ、楽曲の構成や展開にプログレ的な大きなフレーズ感が増します。
- おすすめリスニングポイント:長めの曲の中でのテンポ/ムードの転換、古楽器とエレクトリックな音の対比に注目。
3. Red Queen to Gryphon Three — 完成度の高さとドラマ性
ポイント:組曲的な構成と劇的な展開が目立つ名盤。叙情性と技巧のバランスが取れた聴き応えのある作品です。
- サウンドの特徴:壮大なアレンジから小品的なトラックまで幅広く、バンドの音楽的引き出しが最もよく表れているアルバムの一つ。
- おすすめリスニングポイント:曲ごとの起伏や、古楽器がリードする箇所の微妙なニュアンスを味わってください。
4. Raindance — エレクトリック要素とコンテンポラリーな感触
ポイント:バンドの音楽性がよりモダンな方向に広がった作品。アンサンブルの完成形と、よりエレクトリックな色合いを楽しめます。
- サウンドの特徴:アコースティック中心からやや電化されたサウンドへ移行。バンドとしてのダイナミクスやロック的な手法も感じられます。
- おすすめリスニングポイント:初期作品と比較して、アレンジの幅がどう変化したかを追いながら聴くと理解が深まります。
代表曲・ハイライトの聴きどころ(全体的な指針)
Gryphonの魅力は「単一のヒット曲」ではなく、アルバムを通じて表現される世界観にあります。以下の点を意識して聴くと新しい発見があるはずです。
- 古楽器と現代的なリズムの掛け合い:どの楽器が主題を担い、どの楽器がテクスチャーを作るかに耳を傾ける。
- 長尺曲の構成:小さなモチーフが如何に発展し、再帰して全体を構築しているかを追うと面白い。
- アンサンブルの透明感:各パートの音色のレイヤーと、録音/ミックスでのバランスにも注目。
聴き方・購入のヒント
- 入門順:デビュー作→Midnight Mushrumps→Red Queen to Gryphon Three→Raindance の流れがおすすめ。初期の古楽的美と中期以降の実験性の変化がよく分かります。
- 盤の選び方:オリジナルLPの音の温かさやアナログならではの質感は魅力ですが、近年はリマスターや正規再発盤(専門レーベルによるCD/LPリマスター)も音像がクリアで聴きやすいです。信頼できる再発元の解説やボーナストラック情報をチェックすると良いでしょう。
- ライヴ音源:スタジオ作品とは別の即興的な面や演奏の躍動感が楽しめます。ライヴ録音を補助的に聴くとバンドの実力がより実感できます。
- 同時代・関連アーティストを広げる:英国のフォーク・ロックや初期プログレ系(例えばJethro Tullのアコースティック寄り作品やRenaissanceの叙情的な作品)と合わせて聴くと系譜が見えてきます。
メンバーとその役割(ざっくり)
主要メンバーはリコーダーやクルムホルンなど古楽器を担当するプレイヤー、ギター奏者、ドラム/パーカッション、低音楽器担当などで構成されており、各自が複数の楽器を操ることで小編成ながら豊かな響きを作り上げています。個々の技量の高さと編曲力がバンドの要です。
なぜ今改めて聴くべきか
近年はジャンルを横断するリスナーが増え、古楽的な色彩を持つプログレやフォーク寄りの作品への注目も高まっています。Gryphonはその両面を高い水準で融合させた希有な存在であり、クラシック寄りの古楽ファン、プログレ/フォーク好きを問わず新鮮に響く要素が多くあります。音楽的教養やアレンジの妙を味わいたい人に特におすすめです。
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