The Sweet(ザ・スウィート)徹底解説:70年代グラムロックの代表曲・名盤ガイド
Sweet(ザ・スウィート)とは:プロフィール概説
Sweet(ザ・スウィート)は、1970年代に英国で台頭したグラムロック/ポップロックの代表的バンドです。1968年頃に結成され、メンバーは主にブライアン・コノリー(リードボーカル)、スティーヴ・プリースト(ベース/コーラス)、アンディ・スコット(ギター)、ミック・タッカー(ドラム)という4人編成で知られます。初期はヒットメーカーのプロデューサー陣(ニッキー・チン/マイク・チャップマンなど)と組んだキャッチーなシングルで一躍商業的成功を収め、その後バンド自身が楽曲制作とサウンド面での自主性を強め、よりロック色の濃い作品へと進化していきました。
サウンドの特徴と音楽的魅力
メロディの強さとフックの巧みさ:Chinn–Chapman期のシングル群に代表されるように、ポップで耳に残るメロディとサビのフックはSweetの大きな武器です。ラジオ・ヒットを生み出す力は非常に高い。
グラムの華やかさとロックの逞しさ:派手な衣装・メイクといったグラムロック的な視覚的要素と、ギター・リフやドラムのタイトな演奏によるロック的アグレッションを兼ね備えています。初期のポップ路線から、徐々にハードでヘヴィなサウンドへ移行した点が興味深いです。
ハーモニーとコーラス・ワーク:4人のコーラスワークや掛け合いが楽曲に厚みを与え、特にライブでの一体感を創出します。
制作の二面性:プロデュースによる“ポップ・マシーン”としての側面と、バンド自身の楽曲制作によるロック・アーティストとしての側面が同居しており、そのギャップが魅力の一つです。
代表曲と名盤(聴きどころガイド)
「Ballroom Blitz」 — ドラマチックなイントロ、掛け声的なコーラス、瞬発力のある展開。ライブでの定番であり、Sweetの最も象徴的な1曲です。
「Fox on the Run」 — バンド自身の作曲によるヒット。グラム期の華やかさとポップなアレンジが洗練されており、セルフプロデュース期への移行を象徴します。
「Little Willy」 — 初期のキャッチーなポップ路線を代表するナンバー。シングル・ヒットとしてのわかりやすさが際立ちます。
「Love Is Like Oxygen」 — より大仰でドラマチックなアレンジが特徴。オーケストレーション的な要素や複雑な構成が見られ、バンドの音楽的成熟を示す楽曲です。
名盤・注目アルバム:
- Sweet Fanny Adams(1974) — バンドのロック色が強く出た作品。プログレ/ハード寄りのアプローチが垣間見える。
- Desolation Boulevard(1974) — ポップとロックの橋渡しとなる重要作。代表曲が混在する聴きどころの多い一枚。
- Give Us a Wink(1976)〜後期作品群 — バンドの自身による制作が増え、より重厚でバンドらしい音像が確立される。
ステージ・パフォーマンスとビジュアル
グラムロック期の派手な衣装やメイク、観客を煽るパフォーマンス性はSweetの大きな武器でした。単に音の派手さだけでなく、視覚的インパクトで観客を惹きつけることに長けており、70年代のライブ・シーンで強い存在感を放ちました。ビジュアルとサウンドを一体化させた点が、当時の他バンドとの差別化につながっています。
影響とレガシー
Sweetの音楽は、グラムロックのみならず、その後のパワーポップ、ハードロック、さらにはNWOBHM(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)へも影響を与えたと評価されています。彼らの作るメロディ・ラインやギターリフ、ドラマティックな曲構成は、後続のロック・バンドやポップ・アクトに引用され続けています。また、映画・テレビ・CMなどで楽曲が使われることで新しい世代にも届きやすく、代表曲はいまでもサウンドトラックやコンピレーションに登場します。
なぜ今も聴かれるのか:魅力の本質
普遍的なメロディ:ポップソングとしての強度が高く、年代を超えて耳に残る楽曲が多い点。
ダイナミックな緩急とドラマ性:短いシングル曲でありながら劇場的な盛り上がりを作る技術があるため、ライブや映像作品と相性が良い。
ジャンルの橋渡し:ポップ、グラム、ハードロックといった複数要素が混在するため、さまざまなリスナーに訴求できる点。
初心者向けの聴き方・おすすめプレイリスト順
- まずはシングルヒット中心で:Little Willy → Ballroom Blitz → Fox on the Run → Love Is Like Oxygen
- バンドの深みを知るならアルバムで:Desolation Boulevard(またはSweet Fanny Adams)→ Give Us a Wink → Level Headed
- ライブ映像を観る:ステージ表現やコーラスの迫力を映像で確認すると、音源とは違う魅力が見えてきます。
批評的な視点:光と影
商業的に成功した一方で、初期の「プロデューサー主導のヒット製造機」的イメージが強かったために、アーティストとしての評価が分かれる局面もあります。とはいえ、バンド自身が作風を広げていった過程や、ハードなサウンドへと変化していった音楽的挑戦は再評価に値します。個々のメンバーの演奏力やアレンジ面での工夫は、単なる“ポップバンド”以上の価値を持っています。
まとめ
Sweetは、キャッチーなポップとロック的な切れ味を併せ持った70年代を代表するバンドです。派手なヴィジュアルとヒット曲で人気を博しつつ、バンド自身の創作力と演奏力により深みのある作品を生み出しました。ポップスとしての普遍性とロックとしての力強さを両立させた点が、現在でも多くのリスナーやミュージシャンに支持される理由です。
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