The Sweet(スウィート)徹底ガイド:代表曲と必聴アルバム、版エディションの選び方

Sweet(スウィート)とは:概要と音楽的背景

Sweet(ザ・スウィート、一般には「スウィート」)は1970年代に英国で活躍したグラム・ロック/グラムポップ出身のバンドです。ブライアン・コノリー(ボーカル)、スティーヴ・プリースト(ベース)、アンディ・スコット(ギター)、ミック・タッカー(ドラム)という4人編成で知られ、初期はNicky Chinn & Mike Chapman(通称:チンチャップ)コンビによるヒット志向の楽曲で商業的成功を収め、その後セルフ・ライティング/よりロック色の強い作品群へと音楽性を発展させました。

おすすめレコード(アルバム&編集盤)と深掘り

  • 「Sweet Fanny Adams」(1974)

    バンドが商業的なヒット路線から脱して本格的なロック志向へ舵を切ったアルバム。攻撃的でダークな楽曲群が並び、楽器アンサンブルや曲作りの面でメンバー自身の表現が強く出ています。スウィートの“もう一つの顔”を知るには最適。

    • 注目曲:アルバム全体の流れや曲の硬質さ(特定のシングルカットよりもアルバム体験を重視)
    • おすすめエディション:オリジナルUK盤は雰囲気とコレクター価値が高い。リマスター盤は音の分離が良く聴きやすい。
  • 「Desolation Boulevard」(1974〈UK版〉 / 1975〈US版〉)

    スウィートの代表作のひとつで、アルバム版にはバンドのハードロック的側面とヒット曲の要素が混在します。注意点としてUK盤とUS盤では収録曲が異なり、US盤にはシングルヒットが加えられるなど編集が違うため、両方を聴き比べる価値があります。

    • 注目曲:アルバム中のロック・ナンバーと、シングル化されたヒット曲群(エディションにより収録が異なる)
    • おすすめエディション:UKオリジナルはアルバム制作当時の意図がわかりやすく、US盤はヒット群を網羅した形で入門に向く。
  • 「Strung Up」(1975)

    ベスト的な要素とライブを組み合わせた2枚組(構成)作品で、ヒット曲のコンパクトな再確認とステージ上のエネルギーが同居します。ヒット曲中心にスウィートの魅力を一気に把握したいときに便利な一枚。

    • 注目:スタジオ・テイクとライブ・テイクのバランスが良く、バンドの表現力の幅を見せる構成。
  • 「Give Us a Wink」(1976)

    セルフ・プロデュース/セルフ・ライティング寄りの作品で、ポップ寄りからロックへ移行した過程が感じられるアルバム。キャッチーな曲だけでなく凝ったアレンジも散見され、アルバム単位での鑑賞に値します。

    • 注目曲:バラエティに富む楽曲群と、演奏面での厚み
  • 「Level Headed」(1978)

    シングル「Love Is Like Oxygen」など、後期の洗練されたサウンドを収めたアルバム。プログレッシブな要素やドラマティックなアレンジが取り入れられており、ポップスとアルバム志向の橋渡しをする作品です。

    • 注目曲:「Love Is Like Oxygen」はバンドの国際的な再評価に寄与した代表曲の一つ。
  • コンピレーション/シングル集(入門用)

    初めてスウィートを聴くなら、70年代前半のヒットをまとめた編集盤(いわゆるベスト/グレイテスト集)がおすすめ。Chinn & Chapman時代のポップなヒット群と、バンド自身の作曲によるロック路線の両面を俯瞰できます。

    • 注意点:編集盤やベストは収録曲、曲順、バージョン(シングル・エディット/アルバム・バージョン)が盤によって異なるため、目的(ヒットだけを聴きたい/アルバムを深掘りしたい)に応じて選ぶと良い。

代表曲の聴きどころ解説

  • 「Ballroom Blitz」:瞬発力のあるリフとコーラス、観客を煽るような歌唱で短時間で強烈な印象を残すライブ映えする一曲。グラム・ロックの象徴的ナンバーのひとつ。

  • 「Block Buster!」:シングルチャートを賑わせたヒットで、ポップさとロックの境界を行き来するバンドの側面がよく出ている。

  • 「Fox on the Run」:バンド自身の作によるポップ寄りナンバーで、シンセやコーラスを用いたアレンジがラジオ向き。時代のポップ・センスが反映された代表曲。

  • 「Love Is Like Oxygen」:後期の成熟を示す長めの構成曲。シンフォニックな展開とメロディーの拡張性が特徴で、アルバム志向のファンに訴える作品。

レコード選びのポイント(版やエディションの見方)

  • オリジナルUK盤:制作当時の意図や収録順、アートワークなどを重視するならオリジナル・プレスが最も魅力的。コレクター価値も高い。

  • US盤・編集盤の差異:とくに「Desolation Boulevard」などは地域別で収録曲が異なるため、どのバージョンにどの曲が入っているか確認するのが重要。

  • リマスター/再発:音質の向上やボーナストラック収録のメリットがある一方、リマスターによる音像の変化(原音との違い)が気になるリスナーもいるため、サンプルを聴いて選ぶと良い。

  • ライブ盤・編集盤の使い分け:ヒット曲だけを手早く楽しみたいならベスト盤、バンドの演奏力やアルバムとしての表現を追いたいならスタジオアルバムを重点的に探すのが効率的です。

コレクター視点での注目点(簡潔に)

  • 初期シングルのオリジナルジャケットやラベル違いは価値が出やすい。

  • プロダクションの違い(チン・チャップ期 vs 自作期)を楽しむことで、スウィートの変遷がより鮮明に見えてくる。

  • CDや配信での利便性と、アナログでの雰囲気やオリジナル性は目的に応じて使い分けるのが良い。

まとめ:どこから聴くべきか

入門者はヒット曲をまとめたベスト盤でまずスウィートの“顔”を掴み、その後「Desolation Boulevard」(UK/USの差に注目)→「Sweet Fanny Adams」→「Strung Up」→「Level Headed」の順で掘ると、初期のポップ性から中期以降のロック性、ライブでの表現力まで段階的に理解できます。コレクターはオリジナル・プレスや地域差のあるエディションを比べることで、バンドの歴史と制作意図をより深く味わえます。

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参考文献