Incognito(インコグニート)— アシッドジャズとジャズファンクの名門を徹底解説
Incognito — プロフィール
Incognitoはイギリスを拠点に活動するバンド/プロジェクトで、ジャズ、ファンク、ソウルを基調にした"アシッド・ジャズ"/ジャズ・ファンクの代表的存在です。バンドの中心人物はギタリスト/プロデューサーのJean-Paul "Bluey" Maunick(通称Bluey)で、彼を軸に多彩なメンバーやゲスト・シンガーを迎え入れる流動的な編成を取り続けているのが特徴です。
結成からの歩み(概観)
Incognitoはロンドンのクラブ/シーンから生まれ、1990年代を通じて英国を中心に熱心な支持を得てきました。アルバム制作、シングル、そしてライブ活動を通じて徐々に国際的な知名度を高め、ジャズ志向のリスナーだけでなく、ダンス/ソウル系の聴衆にも広く受け入れられました。
音楽的な特徴と魅力
- 洗練されたグルーヴとリズム感:ベースとドラムを中心に、ファンク由来の堅実なグルーヴが楽曲の土台を作ります。ダンスフロア志向のリズム感とジャズ的なスウィングが同居する点が魅力です。
- 豊かなホーン・アレンジとキーボードの彩り:ブラス・セクションやホーンのアンサンブル、暖かいオルガン/エレピ/シンセのレイヤーによってソウルフルかつジャジーなサウンドを生み出します。
- 歌とインストのバランス:インストゥルメンタルの技巧と、ソウルフルな男性・女性ボーカルの両方を大事にするため、楽曲ごとに表情が大きく変わります。流麗なコーラス・ワークや情感豊かなソロが聴き手を惹きつけます。
- コラボレーション志向:固定メンバーに加え、国内外のシンガーやミュージシャンをゲストに迎えることでサウンドに多様性をもたらしています。これにより一貫したブランド感を保ちながらも新鮮さを失いません。
- プロデュース/アレンジの巧みさ:Blueyを中心としたプロデュース力が高く、スタジオ録音は緻密で温かみがあり、ライブではダイナミックに楽曲が膨らむという両面性があります。
代表曲・名盤(聴いておきたい作品)
以下はIncognitoを理解するうえで特に取り上げられやすい楽曲・アルバムの例です。ジャンルや時期による音の違いを比較して楽しんでください。
- 代表曲(例)
- Always There(カバー/バンドの代名詞的なナンバーとして知られる曲)
- Don't You Worry 'Bout A Thing(カバーを含め多彩なボーカル曲)
- Still a Friend of Mine(バンドのソウルフルな側面を象徴する曲)
- 注目アルバム(例)
- 「ポジティヴィティ(Positivity)」のような、メロウでソウルフルな作品群
- ライブ盤やコンピレーション:バンドの演奏力とアレンジの妙を味わえる
メンバー構成とコラボレーションの効果
Incognitoは「バンド」でもあり「プロデューサー主導のプロジェクト」でもあります。中心人物であるBlueyが楽曲制作とサウンドの方向性を決め、ヴォーカリストやホーン奏者、リズム隊が楽曲ごとに最適な編成で参加します。これにより、楽曲ごとに最適化された音色や表現が可能になり、結果として幅広いリスナー層に訴求する多彩なカタログが築かれました。
ライブの魅力と表現力
Incognitoのライブは「プレイヤーとしての力量」と「歌の表現力」が同時に楽しめる場です。アンサンブルの一体感、ホーンの熱量、ソロの即興性、そして観客との掛け合いが魅力で、スタジオ盤の丁寧な音作りがライブでよりダイナミックに拡張されます。ライブではリズムを重視したアレンジの変化や、ゲスト歌手による即興的な表現が聴けることが多いです。
なぜ長年支持されるのか — 深掘りポイント
- ジャンルの架け橋性:ジャズの知性、ファンク/ソウルの身体性、ポップの親しみやすさを融合させ、ジャンルの垣根を跨いで受け入れられる音楽性。
- 職人的なアレンジ力:細部まで作り込まれたホーンや弦のアレンジ、グルーヴの設計により「何度聴いても新しい発見」がある点。
- ヴァラエティ豊かなボーカル陣:ゲスト/準レギュラーの歌手たちの個性が曲ごとに色濃く反映され、アルバムを通して飽きさせない。
- 時代ごとの柔軟な適応力:音作りやプロダクションを時代に合わせて更新しながらも根幹の「ソウルフルなグルーヴ」を失わない点。
これから聴き始める人へのガイド
- まずは代表的なコンピレーションやヒット曲集で「音の輪郭」を掴むと入りやすい。
- スタジオ盤で緻密なアレンジを楽しんだ後にライブ映像やライヴ音源を聴くと、曲の異なる表情を比較できて面白い。
- ボーカルものとインスト中心曲の両方を聴き、バンドの幅広さを体感するのがおすすめです。
影響とレガシー
Incognitoはアシッド・ジャズ/ジャズ・ファンクのシーンにおいて、バンド演奏の質とポップ性を両立させた稀有な存在です。多くのミュージシャンやプロデューサーに影響を与え、ネオソウルやクロスオーバー系のシーンにも間接的な影響を残しています。長年にわたる活動は、ジャンル横断的な音楽作りの一つのモデルとも言えます。
聴くときの楽しみ方(具体的アイデア)
- 夜のリラックスタイムに:メロウなヴォーカル曲でゆったり浸る。
- リスニング・パーティーに:ホーンやリズムが効いた曲で場を盛り上げる。
- 楽器をやっている人は、アレンジの細部(ホーンの入り方、コードワーク、リズムの間)を分解して聴くと学びが多い。
まとめ
Incognitoは、ジャズ的な知性とソウル/ファンクの身体性を両立させた稀有なバンド/プロジェクトです。Blueyを中心とした緻密なアレンジ、ゲストを含む多彩なボーカリスト、そしてライブで発揮されるエネルギーによって、長年にわたり幅広いリスナーから支持されています。初めて触れる人は代表曲やコンピレーションから入り、その後スタジオ盤とライブ盤を比較することで、彼らの音楽的深みをより楽しめます。
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