アルフォンソ・ムーゾンの名盤レコードガイド|ジャズ・フュージョンとファンクの魅力と収集のコツ
イントロダクション — アルフォンソ・ムーゾンを再発見する
アルフォンソ・ムーゾン(Alphonse Mouzon)は、1970年代を中心に活躍したアメリカのドラマー/マルチ奏者で、ジャズ・フュージョンとファンクが交差するサウンドを牽引した重要人物です。テクニカルかつダイナミックなドラミングに加え、自作曲でのメロディ感覚、時にボーカルやキーボードもこなすマルチな側面があり、ソロ作も多くのリスナーやコレクターに愛されています。本稿では「レコードで聴く価値が高い」おすすめアルバムを中心に、音楽的特徴や聴きどころ、レコード収集の視点での注目点を解説します。
おすすめレコード(名盤セレクション)
Mind Transplant
ムーゾンの代表作のひとつ。ハードでヘヴィなフュージョン・サウンドとファンク/ロック的なアグレッションが融合した一枚です。タイトル曲は特にインパクトがあり、ドラムの存在感とギターの疾走感が際立ちます。
- 聴きどころ:ヘヴィなグルーヴと大胆なソロ回し、曲構成の緩急。ムーゾンのドラミングが前面に出るトラックが多く、バンドのテンションが高い。
- 注目点(レコード視点):70年代オリジナル盤は音圧とダイナミクスが良好とされることが多く、コレクター人気があります。ゲストにロック/フュージョン系のギタリストが参加している楽曲もあり、フュージョン好きにぜひ聴いてほしい一枚です。
Funky Snakefoot
ムーゾンのファンク色が強く出たアルバムで、より歌心とグルーヴを重視した楽曲群が並びます。ドラム以外の楽器アレンジやリズムの多彩さから、ソウル~ファンク好きにも刺さる作品です。
- 聴きどころ:ファンキーなリズム、キャッチーなフレーズ、ホーンやキーボードの使い方による色彩感。
- 注目点(レコード視点):オリジナルプレスはファンク〜レアグルーヴの視点でも注目されることがあり、ジャケットのアートワークも魅力的です。
The Essence of Mystery(あるいは初期ソロ作)
ムーゾンの初期ソロ作に見られる、よりジャズ寄りの側面と実験性が混ざった作品。作曲の妙やインプロヴィゼーションの場面が多く、ドラマーとしてだけでない音楽性を楽しめます。
- 聴きどころ:メロディとハーモニーに重心がある曲、テンポやムードを自在に操るアンサンブル。
- 注目点(レコード視点):実験的なサウンドや編成の違いが盤ごとに面白く、コレクターはトラックごとのアレンジ差にも注目すると発見が多いです。
The Man Incognito / 他の中期〜後期ソロ作
よりクロスオーバー/ポップ寄りの要素を取り入れた楽曲や、日常的に聴きやすいグルーヴの曲が増える時期の作品群。ムーゾンの多面性を示す物として聴く価値があります。
- 聴きどころ:メロディの耳なじみの良さ、リズムの多様性、ヴォーカルを用いるトラックなど、新しい側面が見える点。
- 注目点(レコード視点):時期によってプロダクションやサウンド傾向が変わるため、複数枚聴き比べるとムーゾンの音楽的な変遷がよく分かります。
近年の再発・コンピレーション盤
近年ではリイシューや編集盤も出回っており、オリジナルに比べてノイズが少なく音像整理されたリマスター盤や、選曲の良いベスト盤もあります。初めてムーゾンに触れる人は、こうした編集盤で入門してからオリジナル盤へ手を伸ばすアプローチもおすすめです。
- 聴きどころ:名曲群がまとまっている編集盤は、ムーゾンの多彩さを短時間で把握するのに便利です。
- 注目点(レコード視点):リイシューはプレスやマスターの品質が商品ごとに差があるため、レビューやプレス情報を参照して選ぶと安心です。
アルバム別・代表曲の聴きどころ(簡潔に)
- Mind Transplant(タイトル曲) — ドラムとリズムセクションの圧倒的推進力、テンションの高いフュージョン。
- Funky Snakefoot(タイトル曲ほか) — ファンク/ストレートなグルーヴ、キャッチーなフック。
- 初期ソロ作の数曲 — ジャズ的インタープレイと作曲の深み。
- 中期〜後期の曲群 — クロスオーバー的サウンドとメロディ重視の展開。
レコードで聴く価値 — なぜアナログ盤がおすすめか
ムーゾンの1970年代の作品群は、ダイナミックなドラム、太いベース、アナログ感のあるキーボード/ギターの質感が魅力です。アナログ盤はその「空気感」や「楽器の質感」をダイレクトに伝えてくれることが多く、特にフュージョンやファンクのアンサンブルの分離感や熱量を楽しみたい場合に有利です。オリジナル盤や高品質リイシューを手に入れると、その違いを明瞭に感じられるでしょう。
初心者への選び方と聴き方のコツ(音楽的観点)
- 入門:まずは代表作や編集盤でムーゾンの「色」を掴む。ファンク寄りが好きなら「Funky Snakefoot」、ハードなフュージョンを求めるなら「Mind Transplant」系が合いやすい。
- 聴きどころ:ドラミングだけでなく、曲の構成(イントロ→テーマ→ソロ→ブリッジ)や楽器間の呼吸、キーボード/ギターの音色にも注目すると新たな発見がある。
- 聴き比べ:同じ楽曲でも時期や録音で雰囲気が変わることが多い。複数作を並べて聴くとムーゾンの変遷が分かりやすい。
まとめ
アルフォンソ・ムーゾンは「ドラマー」としての卓越した技術だけでなく、作曲家・バンドリーダーとしての魅力を多数のソロ作で示しています。特に1970年代の作品群は、ジャズ・フュージョンとファンクの良いところを兼ね備えた名盤が多く、アナログで聴く価値が高いものが揃っています。まずは代表作を一枚手に入れて、そこから周辺作を掘り下げるのが良いでしょう。
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参考文献
- Alphonse Mouzon — Wikipedia
- Alphonse Mouzon — Discogs(検索結果)
- Alphonse Mouzon — AllMusic(検索結果)
- Blue Note(検索) — Alphonse Mouzon 関連


