The Modern Lovers おすすめレコード厳選ガイド|聴きどころと選び方を徹底解説
The Modern Lovers — おすすめレコード深堀コラム
1970年代初頭にボストンで結成されたThe Modern Lovers(ザ・モダン・ラヴァーズ)は、ジョナサン・リッチマンの率いるバンドで、後のパンク/ニュー・ウェイヴに大きな影響を与えました。本コラムでは、同バンドの「これだけは聴いておきたい」レコードを中心に、作品ごとの聴きどころや選び方のポイントを深掘りして紹介します。なお、レコードの再生・保管・メンテナンスそのものの解説は含めません。
バンド背景(要点)
結成とメンバー:ジョナサン・リッチマン(歌・ギター)を中心に、ジェリー・ハリスン(キーボード/後にTalking Heads加入)、アーニー・ブルックス(ベース)、デイヴィッド・ロビンソン(ドラム/後にThe Cars加入)らが在籍した初期ラインナップが有名です。
録音の経緯:初期の重要曲群は1971〜1973年頃に録音され、当時のデモやセッション(ジョン・ケイルがプロデュースしたセッションを含む)が後にさまざまな形でリリースされました。
影響:シンプルで反復的なギター・リフと素朴な歌詞感覚が特徴で、パンクやインディロック・シーンに大きな影響を与えました。代表曲「Roadrunner」「Pablo Picasso」などは多くのバンドにカバーされています。
おすすめレコード(厳選)
The Modern Lovers(1976 / Beserkley) — 必聴のデビュー盤
概要:1970年代初頭に録音された初期ナンバーを中心に編集してリリースされたアルバム。商業リリースとしての“デビュー盤”的存在で、バンド史・シーン史の文脈で最も参照される一枚です。
聴きどころ:代表曲「Roadrunner」「Pablo Picasso」「She Cracked」「Hospital」など、原始的でエネルギーに満ちた楽曲群。シンプルな伴奏に乗る、リッチマンの飾り気のない歌が特徴です。
選び方のポイント:このアルバムは複数の編集版・再発が存在します。オリジナルのBeserkley盤(初期プレス)はコレクターズアイテムとして人気ですが、曲順や収録テイクが異なる版があるので、何を求めるか(当時のデモに近い音像か、1976年編集版としてのまとまりか)で選び分けるとよいでしょう。
The Original Modern Lovers(初期セッション集) — ジョン・ケイル系デモを聴く
概要:1971〜1973年に行われた初期セッションやデモ音源をまとめた盤。ジョン・ケイルがプロデュースしたセッションのテイクなど、より“生”に近い音像が残されています。
聴きどころ:より粗削りで荒々しいテイクが多く、後の編集盤で聞くよりテンポが速かったり、アレンジが異なる曲もあります。特にパンク的な衝動や試行錯誤の痕跡を楽しみたい向きに最適です。
選び方のポイント:同様に複数のコンピレーションや再発があり、収録トラックや音源の出典が異なります。資料的価値を重視するなら、セッション情報やライナーが充実した版を探すと良いでしょう。
ライヴ音源(各種) — ライヴで味わう凄みと即興性
概要:The Modern Loversの公式/非公式を含むライヴ音源は多数存在します。初期のライヴでは「Roadrunner」などの代表曲がより生々しく、観客との一体感を伴って演奏されます。
聴きどころ:スタジオ音源に比べて荒々しく、曲のテンポやダイナミクスが異なるため、新たな発見が多いのが魅力。バンドの即興性やフロントマンの空気感を体感できます。
選び方のポイント:公式盤は音質と信頼性が高く、ブートや後年の編集盤は音質・編集のばらつきが大きいので、購入前にレビューやトラックリストを確認しましょう。
ジョナサン・リッチマン名義の作品群(Modern Lovers名義以降の展開) — 路線の変化を楽しむ
概要:ジョナサン・リッチマンはその後ソロや新たな「Modern Lovers」名義で活動を続け、よりフォーキーでユーモラス、メロディ重視の作風へ変化していきます。
聴きどころ:初期の衝動的ロックとは違う穏やかで親しみやすい楽曲が多く、リッチマンのソングライティングの幅や人間味がよく出ています。初期を踏まえてその後の変遷を追うと、彼のアーティストとしての全体像が見えてきます。
選び方のポイント:「Modern Lovers」期とリッチマンのソロ期では名義やメンバー編成が変わるため、クレジットをチェックして好みの時期を追いかけると良いでしょう。
各作品を聴くときの視点(音楽的に深掘りするためのポイント)
楽曲の“繰り返し”と“単純さ”が表現する意味:リッチマンのシンプルなギター・リフや反復フレーズは、ミニマルな中に強いドライブ感と郷愁を生み出します。歌詞の“日常描写”と合わせて聴くと効果的です。
テイク違いを楽しむ:同曲でもセッションやライヴでテンポやアレンジが異なることが多く、それぞれのテイクに異なる魅力があります。特に「Roadrunner」は複数バージョンを比較すると深みが増します。
各メンバーの後年の活動と照合する:ジェリー・ハリスンやデイヴィッド・ロビンソンらのその後のバンド(Talking Heads、The Carsなど)と聴き比べると、初期モダン・ラヴァーズがいかに影響力を持っていたかがわかります。
購入・収集の実用アドバイス(選ぶ際の注意点)
版(エディション)の差:同一タイトルでも収録曲やミックスが異なる再発が多いので、狙うテイク(ジョン・ケイル・セッションを収録したもの、1976年編集盤など)を事前に確認してください。
ライナーとクレジットを読む:セッション時期やプロデューサー表記、メンバーなどの情報は版によって補足情報が異なります。歴史的背景を知るうえで重要です。
サウンドの好みで選ぶ:粗さや生々しさを楽しみたいなら初期デモ系、まとまりある“アルバム”を求めるなら1976年編集盤や良質なリマスター盤を検討しましょう。
まとめ
The Modern Loversの魅力は、シンプルな楽曲構成に隠れた強烈なパッションと、それが後続のシーンに与えた影響力にあります。まずは1976年の編集盤(The Modern Lovers)で代表曲に触れ、興味が湧いたらジョン・ケイル系の初期セッション集(The Original Modern Lovers)やライヴ音源へと深掘りしていくのがおすすめです。さらにジョナサン・リッチマンのその後の作品に触れることで、アーティストとしての変遷も味わえます。
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参考文献
- The Modern Lovers — Wikipedia
- The Modern Lovers — AllMusic(アーティスト紹介・ディスコグラフィ)
- The Modern Lovers — Discogs(各盤情報)
- Jonathan Richman — Wikipedia


