Air Supply レコード徹底ガイド:名盤・初期盤・プレスの見極めと買うべきおすすめ盤

イントロダクション — Air Supply をレコードで聴く理由

Air Supply(エア・サプライ)は、グラハム・ラッセルとラッセル・ヒッチコックのデュオによる、世界的に愛されるソフトロック/AORユニットです。アナログで聴くと、彼らの滑らかなハーモニーやストリングス・アレンジ、当時のアナログ録音ならではの温かみがより際立ちます。本稿では、コレクター視点とリスナー視点の両方から「買う価値のある」おすすめレコードを深掘りして紹介します。どの盤を狙うべきか、どの版が魅力的かといった判断材料を中心にまとめました(盤の扱い方やメンテナンスについては扱いません)。

おすすめレコード(名盤・代表作)

Lost in Love(1980)

ブレイクスルーとなったアルバムで、タイトル曲「Lost in Love」「All Out of Love」などが収録。Air Supply の“王道”サウンドが完成された作品であり、ストリングスとメロディの親密さが際立ちます。

  • おすすめポイント:代表曲の多さとアルバム全体のまとまり。ラジオヒット連発期の「音」を体感できる。
  • 探すべきプレス:オリジナルのアメリカ/Arista盤は当時のアナログ・マスターに基づく音像が魅力。日本初期盤(帯・歌詞カード付き)はコレクター人気が高い。
  • 注意点:後年のリマスター/再発も多数あるため、マスター/クレジット表記を確認してオリジナルのアナログ・マスターに近いものを選ぶこと。

The One That You Love(1981)

タイトル曲「The One That You Love」をはじめ、ヒットを連ねた時期の作品。シンセとオーケストレーションが巧みに使われ、産業的ヒット・バラードの完成形が聴けます。

  • おすすめポイント:シングル中心の強さがあり、アルバム全体のプロダクションが凝っている。ステレオイメージの広がりが魅力。
  • 探すべきプレス:オリジナル期のプレスはバランスの良い中低域と自然なボーカル。日本盤の良好な個体は保存状態が良ければ音質面で有利。

Now and Forever(1982)

「Even the Nights Are Better」などのヒットを含む時期の代表作。80年代初頭のポップ志向が強まり、クリーンなプロダクションが特徴です。

  • おすすめポイント:当時のヒット曲群をコンパクトに楽しめる。アレンジの洗練さとコーラスワークが光る。
  • 探すべきプレス:海外オリジナル盤のマスターを活かしたカッティングが好まれる。

Greatest Hits(1983)関連盤(編集盤・シングル収録)

ヒットを総括する編集盤で、シングル「Making Love Out of Nothing at All」(ジム・スタインマン作)など、ベストな聴きどころを一枚で網羅できます。コレクションの“起点”としても最適です。

  • おすすめポイント:主要ヒットが一枚で揃うため、入門用にも向く。プロダクションの多様性を比較しやすい。
  • 探すべきプレス:編集盤は版次が多いので、収録バージョン(シングル・エディットかアルバム・バージョンか)を確認する。

初期オーストラリア期のアルバム(1976–1978)

デビュー作「Air Supply」(1976)や「The Whole Thing's Started」(1977)など、アコースティック色の強い初期作は、人気曲の前段階に当たるフォーク寄りのサウンドが楽しめます。コレクターズアイテムとしての魅力も大きいです。

  • おすすめポイント:ソフトロック的な原点が分かる。初期のアレンジや楽曲群の違いを堪能できる。
  • 探すべきプレス:オーストラリア初期盤や当時のプロモ盤は希少性が高い。状態の良いオリジナル盤はコレクター価値がある。

狙い目のシングル/プロモ盤

代表曲の7インチシングル(特にプロモ盤やピクチャー・スリーヴ、限定盤)はヴィニール市場で注目されます。プロモ(promo)盤はプロモート・カッティングで音質や編集が異なることがあり、コレクターに人気です。

  • 「All Out of Love」「Lost in Love」「The One That You Love」「Even the Nights Are Better」などのシングル・カットをチェック。
  • ピクチャー・ディスクや限定色盤が出回っていることもあるため、ヴィジュアル面での収集価値も高い。

プレスやマスターの見極め方(購入前チェック)

レコード購入時には以下の点を確認してください(メンテナンスの話は含めません)。

  • プレスの世代:オリジナル(当時のアナログ・カッティング)とリイシュー(デジタルリマスターやテープからの再構成)が混在します。オリジナルは当時のアナログ感が強く、リイシューは帯域が拡張されることがあります。どちらが好みかを判断して選ぶ。
  • ジャケットの仕様:日本盤は帯(obi)や歌詞カード、日本語解説の有無で価値が変わります。海外初期盤は国内盤と異なる写真やクレジットがあることも。
  • マトリクス/ランアウト刻印:盤の縁に刻まれたマトリクス(runout)でマスターの世代やカッティング・エンジニアが分かることがあります。出品写真で確認すると良い。
  • リマスター情報:再発盤にはリマスター年やリマスタリング担当者が明記されることが多い。オリジナルの質感を残したいなら、元マスターに近い表記のある盤を探す。

ジャケット・アート、コレクターズ価値について

Air Supply はヒット曲と並んでジャケットのアートワークや日本盤の帯/解説で人気があります。初期のオーストラリア盤や限定仕様(ピクチャー・ディスク、プロモ・スリーヴ、インサート付き)は市場で希少価値がつきます。状態(VG+/NMなど)と付属品の有無が価格差を生みます。

買い方・入手のコツ(選び方の実務的アドバイス)

  • 試聴や出品写真で盤面・レーベルの状態を確認。スクラッチや歪みの有無、ラベル印字の違いをチェック。
  • 盤の版(オリジナル/初期再発/現行リマスター)を必ず記載している出品を選ぶ。記載がない場合は出品者に問い合わせる。
  • 日本盤は輸送でのコンディション保持や付属品の有無の面で有利なことが多い(帯、歌詞カード)。海外オリジナルは音質面で魅力があるため、予算と好みで判断する。
  • レアな初期盤やプロモ盤は値段が跳ねることがあるため、予算を決めて狙いを絞ると効率的。

まとめ — どの盤から始めるべきか

入門者には「Lost in Love」や「Greatest Hits」あたりの流通量が多く手に入れやすい盤を推奨します。本格的にコレクションを始めるなら、オリジナル期(1979–1983)のアメリカ/日本盤を中心に、初期オーストラリア盤やプロモ/ピクチャー・ディスクを追いかけるコースがおすすめです。音質やジャケットの好み次第で、オリジナル・アナログの暖かさを重視するか、近年の180gリイシューやデジタル・リマスターの解像感を取るか選んでください。

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参考文献