Eurythmics(ユリズミックス)完全プロフィール|結成から代表曲・名盤・映像表現まで

Eurythmics — プロフィール

Eurythmics(ユリズミックス)は、イギリスのデュオで、ボーカルのアニー・レノックス(Annie Lennox)とマルチ楽器奏者/プロデューサーのデイヴ・スチュワート(Dave Stewart)によって結成されました。1980年代を代表するアーティストの一組で、シンセポップを中核に置きながらも、ソウル、ロック、オルタナティヴ、実験的な要素を取り入れた多層的なサウンドと、視覚的に強烈なイメージで国際的な成功を収めました。

結成とキャリアの概略

デイヴ・スチュワートはツアリスト(The Tourists)などでの活動を経て、アニー・レノックスとタッグを組み1980年にEurythmicsを結成しました。初期作はポストパンク/ニューウェイヴ寄りの作風を見せつつ、やがてシンセサイザーやドラムマシンを用いたミニマルでキャッチーな曲作りでブレイクしました。1983年のシングル「Sweet Dreams (Are Made of This)」が世界的ヒットとなり、一躍スターダムにのし上がります。その後も多数のヒット曲とアルバムを発表し、1980年代を代表する存在となりました。

音楽的特徴と制作スタイル

  • サウンドメイクのバランス:Eurythmicsはシンセサイザーやシーケンサー、ドラムマシンと、ギターやストリングスなどの有機楽器を巧みに組み合わせ、冷たさと温かさが同居する音像を作り上げました。デイヴ・スチュワートのプロダクションは、テクスチャーの層を重ねることに長けています。
  • メロディとフック:ポップとしての強いフック、即効性のあるメロディラインが特徴です。一方でコード進行やアレンジに意外性を織り交ぜ、聴き手を引き込む構成力があります。
  • アニー・レノックスの声:アニーのボーカルは力強く、しなやかで、時に冷たく、時に深く感情を揺さぶる表現力を持ちます。彼女の声の色彩は楽曲の世界観を決定づけ、ジェンダー表現や演劇的なボーカル・パフォーマンスにより楽曲に独特の説得力を与えています。
  • ジャンル横断性:シンセポップを基盤にしつつ、ソウル、R&B、ロック、オーケストレーション的アプローチなどを取り込み、アルバムごとに異なる顔を見せた点も魅力です。

歌詞とテーマ性

歌詞面では、個人の内面、愛と裏切り、権力と孤独、アイデンティティや社会的テーマなど幅広く扱われます。ポップ・ソングとしての即効性を持ちながらも、しばしばダークで示唆に富む世界観を提示し、聴き手に思考や感情の余地を残します。

代表曲と名盤(入門ガイド)

以下はEurythmicsの代表曲・重要アルバムの一例です。初めて聴く方はこの順で辿ると彼らの変遷が分かりやすいでしょう。

  • 代表曲:
    • Sweet Dreams (Are Made of This) — 最も有名なアンセム。シンセのフックとアニーの強烈な表現が象徴的。
    • Here Comes the Rain Again — 美しいメロディと切ない歌詞が印象的なバラード。
    • Would I Lie to You? — ロック/ソウル寄りのダイナミックなナンバー。
    • There Must Be an Angel (Playing with My Heart) — スティービー・ワンダーのハーモニカが参加したソウルフルな曲。
    • Sisters Are Doin' It for Themselves — アレサ・フランクリンとの共演で女性のエンパワーメントを歌うロック・チューン。
    • Missionary Man / Thorn in My Side / You Have Placed a Chill in My Heart — 様々な時期の傑作群。
  • 主要アルバム:
    • In the Garden (1981) — 初期作。実験的な要素とニューウェイヴの香り。
    • Sweet Dreams (Are Made of This) (1983) — ブレイクスルー作。タイトル曲は世界的大ヒット。
    • Touch (1983) — ポップと叙情性の融合。複数のヒット曲を含む。
    • Be Yourself Tonight (1985) — ソウル/ロックの要素が強まった転換点。名曲多数。
    • Savage (1987) — 前衛的でドラマティックな作品。映像演出との連動も評価される。
    • We Too Are One (1989) / Peace (1999) — キャリア後期の成熟を示す作品群。

ビジュアル/ステージ表現と映像の重要性

Eurythmicsは音楽のみならず、ビジュアル面でのインパクトでも知られます。アニー・レノックスの性別表現に挑戦するような衣装やメイク(中性的・演劇的な佇まい)や、ミュージックビデオでの強い演出感が、楽曲のメッセージを増幅しました。特に80年代はMTV時代と重なり、映像によるアイデンティティの構築が国際的な人気に寄与しました。

コラボレーションと社会的活動

Eurythmicsとしてだけでなく、アニー・レノックスとデイヴ・スチュワートは多くのコラボレーションや社会活動でも注目されます。アニーは特にHIV/エイズ支援や女性支援などの慈善活動に熱心で、複数のキャンペーンやチャリティーに携わっています。こうした社会意識の高さも、彼女の人間像と音楽が持つ重みを増しています。

ソロ活動と再結成

1990年代以降、両者はソロやプロデュース活動、映画音楽など多方面の活動を展開しました。アニー・レノックスはソロアーティストとして成功を収め、デイヴ・スチュワートはプロデューサー/ソングライターとして多数の作品に関わりました。Eurythmicsとしても時折再結成してツアーやアルバム発表を行い、二人の強い化学反応が健在であることを示しました。

なぜ今も愛されるのか — 魅力の本質

  • 時代を超えるメロディとプロダクション:80年代的なサウンドでありながら、楽曲の質・編曲の完成度が高く、現代でも色褪せない普遍性を持っています。
  • アーティストとしての一貫性と変化:ポップでありながらアーティスティックな実験を続け、商業性と芸術性のバランスを取り続けた点が長寿の理由です。
  • アニーのカリスマとデイヴのサウンド構築力:個性の強い二人の融合が生む独特のケミストリーが、聴衆の心を掴み続けます。
  • 映像表現とステージの魅力:視覚・物語性を伴う表現で、単なる「曲」以上の体験を提供してきました。

聴きどころガイド(初めての聴取向け)

  • まずは「Sweet Dreams (Are Made of This)」と同名アルバムで入門し、シンセを軸とした洗練されたポップを体感してください。
  • 次に「Touch」でバラード性と叙情性を、「Be Yourself Tonight」でソウル/ロック色の強さを確認すると、彼らの幅広さが分かります。
  • 深掘りするなら「Savage」のような映像的で実験的な作品や、個別のシングルのBサイド曲にも面白い発見があります。

まとめ

Eurythmicsは、強力なメロディ、革新的なプロダクション、ビジュアル表現、そして人間的な深みを併せ持つアーティストです。単なる80年代のポップ・デュオではなく、ジャンルや表現を横断してポップ・カルチャーに影響を与え続ける存在であり、今聴いても新しい発見と感動を与えてくれます。

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参考文献