Eurythmicsの名盤アルバム完全ガイド:初心者からコレクターまで聴きどころと購入のコツ

イントロダクション — Eurythmicsとは

Eurythmics(ユーリズミックス)は、アニー・レノックス(Annie Lennox)とデイヴ・スチュワート(Dave Stewart)による英米を代表するデュオ。1980年代のシンセポップ/ニュー・ウェイヴの潮流の中で、先鋭的な電子音とソウルフルなボーカル表現を融合させ、ポップ史に残る数多くのヒットと名盤を残しました。本コラムでは「レコードとして買って聴きたい」おすすめアルバムを中心に、音楽的特徴・聴きどころ・収集時の選び方の観点から深掘りして解説します。

おすすめレコード(アルバム)と深掘り解説

以下はジャンル的変遷、代表曲、アルバムとしての完成度の観点から厳選したおすすめ盤です。新規リスナーからコレクター志向の方まで、それぞれのアルバムが持つ魅力を具体的に示します。

  • In the Garden(1981) — 出発点を知る

    デビュー作。シンセやギターを用いた実験的なサウンドと影のある歌詞が特徴で、後のポップ指向へ向かう前のプロトタイプ的作品です。荒削りながらも二人の創作ポテンシャルが見える一枚で、コレクションの“史料的価値”があります。

    聴きどころ:初期のサウンド・テクスチャ、アレンジの萌芽、アニーの声の多様性。

  • Sweet Dreams (Are Made of This)(1983) — ブレイクスルー

    タイトル曲「Sweet Dreams (Are Made of This)」で世界的大ヒットを得たアルバム。ミニマルなシンセ・リフと反復的なビートに、アニーの冷たいながらも魅力的なボーカルが乗る典型的な80年代シンセポップの名盤です。ポップでありながら不穏さを感じさせる世界観が魅力。

    聴きどころ:表題曲の洗練されたシンセ・デザイン、ポップセンスとダークさの共存。音像は比較的ドライで、アナログ盤での再生は温度感が増します。

  • Touch(1983) — 芸術性とポップ性の融合

    同年中にリリースされた、よりバラエティ豊かな傑作。シンセ主導のトラックだけでなく、繊細なバラードやドラマティックなアレンジが並び、アルバムとしての完成度が高い一枚です。「Here Comes the Rain Again」「Who's That Girl?」などの名曲を収録。

    聴きどころ:映画的なアレンジとアニーの表現力。アルバム構成の妙があり、通して聴くことで深みが増します。

  • 1984 (For the Love of Big Brother)(1984) — サウンドトラック的実験作

    ジョージ・オーウェルの映画『1984』のサウンドトラックとして制作された作品。インストやテーマ曲的な楽曲が多く、従来のシングル志向とは一線を画す実験性があります。Eurythmicsの多面性を理解する上で重要な1枚です。

    聴きどころ:環境音的なサウンドデザイン、テーマに沿ったダークで閉塞的なムード。

  • Be Yourself Tonight(1985) — ロック/R&B志向の転換

    これまでの電子中心のサウンドから一転、バンド演奏やソウル/R&Bの要素を強めたアルバム。シングル「Would I Lie to You?」「There Must Be an Angel (Playing with My Heart)」などで広く成功を収め、より幅広いポップ層にアピールしました。アルバム制作ではゲストミュージシャンも参加し、音の厚みが増しています。

    聴きどころ:力強いソングライティング、アニーのシンガーとしての表現の幅。ダイナミックなアンサンブルが魅力です。

  • Revenge(1986) & Savage(1987) — 80年代後半の深化と実験

    「Revenge」はロック色が強くエネルギッシュな作品で、ライブで映えるトラックが揃います。一方「Savage」はコンセプチュアルで前衛的に振れた意欲作。アニーのボーカル演技性が際立つ曲が多く、視覚的・演劇的な表現も含めた総合芸術的な側面を帯びています。

    聴きどころ:Revengeはタイトなロック・アレンジ、Savageはアート性の高さと緊張感。

  • We Too Are One(1989) — 帯域を広げた成熟作

    80年代末の集大成的なアルバムで、ポップ性と深みのバランスが優れた作品。歌詞やアレンジに成熟が感じられ、デュオとしての終着点の一つと評価されます。

    聴きどころ:構築されたソングライティング、アニーの感情表現の深さ。

  • Peace(1999) — カムバック作

    1990年代後半に復帰して発表したアルバム。穏やかなアレンジと成熟した歌唱が印象的で、過去作の延長線上にありながら落ち着いた色合いです。復帰作としての話題性もあります。

    聴きどころ:余裕のある演奏とヴォーカル、過去の要素の再解釈。

  • Greatest Hits(1991) — 初めて買うなら

    代表曲を網羅したベスト盤。LPでのセレクトは限られますが、まずEurythmicsの代表曲群をコンパクトに楽しみたいなら定番の一枚です。初めての入門盤としてコレクションにぜひ。

    聴きどころ:各時代のハイライトを一度に体験できる点。

アルバム選びのポイント(リスニング観点)

  • 音楽的変遷を楽しむ:初期の実験〜シンセポップ期、R&B/ロック志向、後の実験作といった流れを追うと、二人の創作の幅がよく見えます。

  • 楽曲の“顔”を知る:シングル曲はもちろん名曲揃いですが、アルバム曲にこそアレンジや雰囲気の妙が詰まっています。特にTouch、Savageはアルバム通読に値します。

  • コラボやゲストに注目:一部作品には当時の著名ミュージシャンが参加し、楽曲の色合いに影響を与えています(例:ソウル〜ゴスペル寄りのアプローチが見られる時期など)。

  • ビジュアル表現もセットで楽しむ:Eurythmicsは映像/ヴィジュアル戦略にも長けており、アルバムアートやプロモ映像を見ると楽曲理解が深まります。

購入時の実用的アドバイス(コレクター向け)

  • オリジナル・リリースとリマスター盤の違いを把握する:オリジナル盤は当時の音像を楽しめますが、近年のリマスターはダイナミクスやレンジの改善が期待できます。どちらを重視するかで選びましょう。

  • 国内盤・輸入盤のボーナストラックや仕様差に注意:一部リリースでは収録曲やジャケットの表記が異なることがあります。収録曲リストを確認してから購入を。

  • 状態の良いプレスを選ぶ:音質を重視するなら良好な盤面と盤厚(重いプレス)のもの、またカッティングの評判が良いマスターを用いた盤を探すのが無難です。

  • ライナーノーツ・歌詞カード・インナースリーブなど付属品の有無も価値に影響します。コレクション目的の場合はこれらの有無をチェックしてください。

聴きどころの時間配分(プレイリスト感覚)

初めて聴くなら:

  • まずは Greatest Hits で代表曲に親しむ。

  • 次に Sweet Dreams と Touch をアルバムとして通しで聴くと、80年代初期の革新性が分かります。

  • R&B/ロック寄りの魅力を知りたいなら Be Yourself Tonight を選ぶ。

  • より深い表現や実験性を求めるなら Savage や 1984(サウンドトラック)へ。

おすすめリスニング環境(音楽的観点)

Eurythmicsの音作りはシンセの音色/パニングやアニーの声の位置感が魅力です。ステレオ感のある再生環境で、低音から中高域のバランスが整った環境で聴くと、アレンジの細部やヴォーカルのニュアンスが一層楽しめます。

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参考文献