The Bangles レコード厳選ガイド|アナログ盤で聴く名曲と時代別の聴き方
The Bangles — おすすめレコード深堀コラム
1980年代のポップ/ギター・バンド・シーンを代表するガール・グループ、The Bangles(ザ・バングルズ)。ジャングリーなギター、コーラスワーク、ポップでありながらもどこかソウルフルな歌感覚──その魅力はアナログ盤で聴くとより鮮明に感じられます。本稿では「レコードとして持っておきたい」主要作品を選び、音楽的特徴、代表曲、コレクター視点での注目点や選び方を解説します(レコードの再生/保管法など物理メンテナンスに関する話題は含めません)。
おすすめ盤の選定基準
- バンドの音楽的変遷がわかること(初期のパワー・ポップ〜メジャー期のポップ・サウンド〜再結成期の成熟)
- 代表曲(シングルヒット)とアルバム曲の両方で聴きどころがあること
- アナログでの音像やパッケージ的な魅力(初版ジャケット/帯/特典など)に価値があること
1. All Over the Place (1984)
Why: バンドのデビュー・フルアルバムで、Paisley Underground(80年代ロサンゼルスのネオ・サイケ/ジャングリー・ギター・ムーブメント)の影響を残しつつ、メロディ重視のポップ志向が現れた作品です。生々しいギター・アンサンブルと多声コーラス、若々しいエネルギーが魅力。
- 代表曲/注目曲: "Hero Takes a Fall", "Sepia", "Going Down to Liverpool"(初期からの名曲が並ぶ)
- 音楽的ポイント: フックの効いたギター・リフ、多彩なリードボーカル(スザンナ・ホフス、デビー・ピーターソン、マイケル・スティールなどが曲ごとに歌う)でバンドとしての多面性を示す
- コレクター視点: オリジナル・アナログ(初版)に価値があります。日本盤は帯つきで流通量が少なく人気が高い傾向。
2. Different Light (1986)
Why: 商業的ブレイク作。ポップなプロダクションでラジオ向けの曲が並び、世界的ヒットを生み出したアルバムです。バングルズの“ポップ面”が前面に出た作品で、彼女たちが幅広いリスナーに届いた契機になりました。
- 代表曲/注目曲: "Manic Monday"(プリンス提供曲として有名)、"Walk Like an Egyptian"(大ヒット) 、"If She Knew What She Wants"
- 音楽的ポイント: より洗練されたアレンジとポップ・センス。シンセやスタジオ・テクスチャが加わり、初期の生々しさとポップな完成度が両立している
- コレクター視点: シングル盤(7インチ/12インチ)のバリエーションやプロモ盤、写真スリーブつきの初版が人気。アルバム単体では初版プレスを探すのがおすすめ。
3. Everything (1988)
Why: バンドの商業的ピークからやや成熟へ向かう段階を示すアルバム。ポップ路線は継続しつつ、バラードや緩急ある曲構成で表情の幅が広がります。ここから生まれた珠玉のバラードが多く、夜にじっくり聴きたい一枚です。
- 代表曲/注目曲: "Eternal Flame"(彼女たちの最大のバラード・ヒット)、"In Your Room"、"Everything I Wanted"
- 音楽的ポイント: ストリングスや繊細なアレンジが増え、ヴォーカル表現がよりセンシティブに。ポップでありながらエモーショナルな深みが加わる
- コレクター視点: CD時代にリリースされた作品のため、アナログ初版は枚数が限られることがあります。エターナル・フレームのシングル(色違いスリーブ等)も人気アイテム。
4. Doll Revolution (2003)
Why: 再結成後のスタジオ作。90年代のブランクを経て戻ってきたバンドが、自分たちのルーツ(ギター・ポップ)を再確認しつつ現代的な感覚を取り入れた作品です。初期のファンと新しい聴衆の橋渡し的な役割を果たしました。
- 代表曲/注目曲: "Something That You Said", "I Will Take Care of You"
- 音楽的ポイント: 3声コーラスやギター・ワークの良さはそのままに、曲作りに成熟が見える。バンド感覚が復活した一枚
- コレクター視点: 再結成アルバムはプレス数が安定していることが多く、状態の良い普通盤で音を楽しむのが現実的。
5. Sweetheart of the Sun (2011)
Why: 更に成熟した再結成期の作品で、フォークや60sソフト・ロックの影響を感じさせる落ち着いたサウンドが特徴。完結感のあるアルバム構成で、長年のファンに向けた深い一枚です。
- 代表曲/注目曲: "I'll Never Be Through with You", "Anna Lee (Sweetheart of the Sun)"
- 音楽的ポイント: アコースティック寄りの温かさ、ハーモニーの精度、バンドとしての円熟味
- コレクター視点: サードウェーブ的リスナーや歌詞を重視する向きに人気。輸入盤や限定カラー盤が出ることもあり、ジャケットなど物理的魅力も注目点。
シングル/EPで押さえておきたいもの
- "Hazy Shade of Winter"(カバー):映画タイアップやコンピ収録を経て人気になった1曲。シングル盤で別ミックスやB面のバリエーションを探す楽しみあり。
- デビューEP(初期7"/EP類):初期の荒々しさや未完成の魅力が好きな人におすすめ。流通が限定されることが多いのでコレクターズ・アイテムになりやすい。
- 各シングルのプロモ盤/インスト盤:ラジオ・エディットや別ミックスを収録している場合があり、アルバムとは異なる聴き方ができる。
どのプレスを選ぶか(初心者向けガイド)
- 音質重視なら:初版アナログ(オリジナル・プレス)を第一選択。マスタリングの違いで雰囲気が変わることがあるため、オリジナルのダイナミクスを好む向きに向いています。
- コレクション性重視なら:ジャケットや帯、写真インサート、限定カラー盤などの有無をチェック。日本盤帯付きは海外より高値がつきやすいです。
- 手軽に楽しむなら:再発やリイシューの好状態盤。手に入りやすく、プレイ用途で気兼ねなく聴けるのが利点。
- シングルを狙うなら:ヒット曲の国内盤7インチやプロモは写真スリーブや別テイクが付く場合があり、アルバムとは別の発見があります。
聴きどころの視点(アルバム鑑賞のコツ)
- ボーカルの配置を意識する:曲ごとにリードボーカルが入れ替わるため、誰の歌声かを追いながら聴くと個々の魅力がわかります。
- ギター・パートのアレンジ:ジャングリーなギター・ワークとポップなコード進行の融合をチェックするとバンドとしての力量が見えてきます。
- シングル曲とアルバム曲の差:シングルは即効性重視、アルバム曲には隠れた名曲やアレンジの妙が潜んでいるので両方を楽しむと深みが出ます。
まとめ — まず何を買うべきか
初めてなら「Different Light」(ヒット曲群で入りやすい)をアナログで手に入れるのが入り口として理想的。その後、よりバンドのルーツやコアな魅力を知りたければ「All Over the Place」を、成熟したバラード群を味わいたければ「Everything」を手に取る流れがおすすめです。再結成期の作品はバンドの現在(成熟した表現)を知るのに適しています。
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参考文献
- The Bangles — Wikipedia
- The Bangles — AllMusic(アーティスト概要と作品解説)
- The Bangles — Discogs(ディスコグラフィー/プレス情報)
- The Bangles — 公式サイト


