The Obsessedのアルバム徹底ガイド:ドゥーム/ストーナーの聴きどころとコレクション術
はじめに — The Obsessed とその音楽的立ち位置
The Obsessed はスコット・“Wino”・ワインリッチを中心とした、アメリカのストーナー/ドゥーム系ギターバンドです。ブラック・サバス直系の太いリフとパンク的直球感、ブルースに根ざした歌心が同居するのが特徴で、90年代以降の多くの重厚派ギターバンドに影響を与えました。本コラムでは「レコード(アルバム)」という観点から、初心者にもコアなコレクターにも勧めたい代表作を厳選して深掘りします。再生や保管のテクニックは扱いません。音楽性、聴きどころ、コレクション価値といった観点に絞って解説します。
おすすめ1:初期/セルフタイトル盤(初期録音をまとめた盤)
理由:バンドの原点を知るにはまずこれ。初期のデモやシンプルな録音群をまとめた音源には、Wino の声質や生々しいリフのエッセンスが凝縮されています。荒々しさ、執着に近い反復 riff、パンク由来の切れ味とサバス由来の壮大さが混ざり合ったサウンドは、のちの作品を理解する上で基礎になります。
- 聴きどころ:荒い録音だからこそ伝わるテンション。単純なコード進行に強靭なグルーヴを与える方法、歌メロの作り方を観察するのに最適。
- コレクション的価値:オリジナル・テープや初期プレスはプレミアの対象になりやすいが、再発でも当時の熱量は十分伝わるので、まずは音質よりも楽曲の“核”を聴くことを優先すると良い。
おすすめ2:Lunar Womb(代表的なスタジオ作)
理由:バンドの楽曲構築力が花開いたアルバムのひとつ。重厚なリフとメロディがバランス良く配され、ドゥーム/ストーナーの美学を提示します。曲の展開やダイナミクス、ギターの音色に耳を傾けるとバンド独自の“間”や力加減がよくわかります。
- 聴きどころ:リフの反復のさせ方、曲ごとのテンポ感の差、Wino の歌い回しに宿るブルース的抑揚。アルバムとして通して聴くと流れの作り方が学べます。
- 選ぶ基準:エディションによってマスタリングの違いが出る場合があるので、音像の太さや低域の出方を重視して聴き比べるのも面白い。
おすすめ3:The Church Within(名盤中の名盤)
理由:バンド史上、最も整ったプロダクションと楽曲群が揃った作品として高く評価される一作です。Wino のソングライティングの成熟、リフの多様性、そしてミドルテンポからヘヴィなフィニッシュへ持っていく構成力はここで完成形に達しています。
- 聴きどころ:曲ごとの配置の妙、コーラスやブリッジの入れ方、リフと歌の相互作用。ヘヴィネスを維持しつつ聴き手を飽きさせない構成力が光ります。
- コレクション的観点:評価が高い作品なので、初期プレス/良好なマスターのプレスを探す価値は高い。リマスター盤は音圧や帯域が変わることがあるので、好みのサウンド感に合わせて選ぶと良いでしょう。
おすすめ4:編集盤/デモ集・再発盤(補完用)
理由:上記3作でバンドの主要側面は掴めますが、デモや未発表曲、ライブ録音を収めた編集盤を聴くと、スタジオ作品では見えにくい即興性やアレンジの変遷がわかります。コアなファンや研究的に聴きたい人には必須です。
- 聴きどころ:曲の原型、異なるアレンジ、ライブでのテンション。スタジオ版と比較することで楽曲の“核”が見えてきます。
- 活用法:ディスコグラフィーを俯瞰して、楽曲ごとの変遷(テンポ、キー、リードの扱いなど)を追うとバンドの進化がより立体的に理解できます。
各アルバムを深く楽しむためのポイント
・“通して聴く”こと:The Obsessed の曲は単発の名曲よりもアルバム通しての流れで真価を発揮するタイプが多いです。序盤から終盤までのダイナミクスや配置に注目してください。
・リフの構築を追う:単純なリフの反復に見える部分でも、微妙なニュアンスや演奏の強弱で曲の印象が変わります。ギターのフレージングやリズム隊のコンビネーションを聴き分けましょう。
・歌の表情を味わう:Wino のボーカルは器楽的な要素も強く、節回しや語尾の伸ばし方で曲の感情を作ります。歌い回しの違いから楽曲解釈を深められます。
コレクションの進め方(何を優先すると良いか)
- まずは代表作を1枚:楽曲の完成度とバンドの特徴が最も分かりやすい「名盤」とされる1枚を手に入れて、バンドの核をつかむ。
- 次に初期録音やデモ:バンドの原点やアイデアの萌芽を知ることで、名盤の仕上がり具合がより一層分かる。
- 編集盤は“比較用”に:スタジオ盤と比較することでアレンジや演奏の違いが明確になります。音楽的な理解を深めたい人におすすめ。
まとめ
The Obsessed は「太いリフ」「人間味のある歌」「曲の構成力」という三拍子が揃ったバンドで、アルバム単位で聴くことでその魅力が最大化します。本コラムで挙げた代表的なアルバム群(初期録音/スタジオ名盤/編集盤)を軸に聴き進めると、Wino のソングライティングの変遷やバンドの音楽的深度を段階的に理解できます。単曲リピートではなくアルバムの流れを楽しむことを強くおすすめします。
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参考文献
- Wikipedia — The Obsessed
- Discogs — The Obsessed discography
- AllMusic — The Obsessed
- Encyclopaedia Metallum — The Obsessed
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