ジェリー・ドノヒュー入門:代表作と聴きどころを深掘りしたおすすめレコードガイド
ジェリー・ドノヒューとは
ジェリー・ドノヒュー(Jerry Donahue)は、アメリカ出身で主に英国フォーク・ロック/ルーツ系のシーンで知られるギタリスト。クロス・ストリングのベント(弦を横断して行う独特のアップダウン・ベント)や、クラレンス・ホワイトに影響を受けたフィンガリングとピッキングの組合せで評価されています。バンドメンバーとしての参加作と、テレキャスター/エレクトリック・ギターを前面に出したギター・プロジェクトの双方でその個性が際立ちます。
ギタースタイルの特徴(短く押さえるポイント)
- クロス・ストリング・ベンド:弦をまたいでのダイナミックなビブラート/チョーキングが大きな特徴。
- ハイブリッド・ピッキングとフィンガリングの融合:ピックと指を柔軟に使い分け、ポップ/ブルース/カントリーの要素を横断する表現力。
- フレーズ重視のソロ構築:速さだけではなくフレーズの歌わせ方、リズムとの絡みを重視。
おすすめレコード(深掘り解説)
以下はジェリーの個性や技術をじっくり味わえる代表的な推薦盤です。各作の聴きどころを中心に解説します。
- Fotheringay — "Fotheringay"(1970)
ジェリーが初期に関わった重要作の一つ。英国フォーク・ロックの文脈でのギター・アンサンブルや、歌メロとの緊密な絡み方がよく分かります。シンプルな伴奏からリードへ自然に移行する手つきや、和音感の扱いが学べる一枚。
- Fotheringay — "Fotheringay 2"(後年再編集/完全版として流通)
未発表曲やアウトテイクを含む形でリリースされた資料的価値の高い盤。ジェリーのスタジオ・ワークの実像、アレンジにおけるアイディアの痕跡を追うことができ、演奏スタイルの背景を理解する助けになります。
- The Hellecasters — "The Return of the Hellecasters"(Hellecasters名義のギター作品)
ギター・スーパートリオによるインストゥルメンタル色の濃い作品群。ここではジェリーのエレクトリック・ギターとしてのテクニック、アンサンブル内でのリードとハーモニーの役割分担が際立ちます。ソロの組み立て方やトーン作りの参考になります。
- The Hellecasters — 『Escape from Hollywood』 等のギター・アルバム
さらにギター志向の強い作品群。エレクトリックギターの多彩な音色、アレンジ、即興の幅を堪能できます。ジェリーのプレイがより前面に出るため、奏法の細部やタッチの違いが聴き取りやすいです。
- セッション/コラボレーション作品群(集中的に聴くならディスコグラフィ)
ジェリーは多くのアーティストのアルバムにゲスト参加しています。単独作だけでは見えない適応力や、様々なジャンルでの立ち回りを知るには、クレジットを辿ってセッション参加作を聴くのが最短です。細部では伴奏パートの工夫や音作り、曲ごとのポジショニングが勉強になります。
各盤の聴きどころ/練習への落とし込み方
- アンサンブル感を聴く:複数ギターが同居する場面での役割分担(どのタイミングでリードが飛び出すか、どのようにスペースを空けているか)を分析する。
- クロス・ストリング・ベンドの観察:フレーズ単位で弦の渡り方・イントネーションの変化を耳で追い、ゆっくりコピーして物理的な動きを固める。
- トーンとタッチに注目:ピッキングの強弱、ミュート、ピックと指の混用による音色の違いを録音で比較して、自分のギターとアンプで再現する試みをする。
- フレーズの歌わせ方:速いパッセージよりも“フレーズを歌わせる”箇所に注目し、ポジション移動やビブラートの付け方を真似る。
初心者〜中級者への導き方
最初はFotheringayのような歌もの中心の曲で伴奏の間合いを学び、その後Hellecastersのインストでフレーズのディテールに取り組むのが効率的です。コピーはメトロノームでテンポを落として行い、弦を跨ぐベントは指の位置関係と肩〜腕の動きを分解して練習すると習得が早いです。
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