Pérez Pradoおすすめレコード — マンボの王様の名盤ガイド

2025年12月11日 最終更新日時 : 2025年12月11日 エバープレイ編集部

Pérez Prado — マンボ王の紹介

Dámaso Pérez Prado（デアマソ・ペレス・プラド、1916–1989）は“マンボの王（King of the Mambo）”として知られるキューバ出身のバンドリーダー／編曲家です。1940〜1950年代にかけて、彼が創り出したエネルギッシュでブラス主体の大編成マンボは、ダンス・シーンとポピュラー音楽の両方に強い影響を残しました。メロディアスでストレートなリズム、トランペットのフック、ブラスとリードの掛け合いが彼のサウンドの特徴です。

おすすめレコードと聴きどころ

  • "Cherry Pink (and Apple Blossom White)"（シングル）
    解説：1950年代に世界的ヒットとなった代表曲。伸びやかなトランペットのテーマとマンボ・ビートの親和性が際立ちます。ポピュラー向けのアレンジで、マンボが大衆文化に浸透した好例です。聴きどころはイントロのトランペット・フレーズと、サビでのブラスのまとめ方。

  • "Mambo No.5"（オリジナル・エディション／シングル）
    解説：プラドの代表的なオリジナル・マンボのひとつ。ダイナミックなリズム推進力とブラスのリフが特徴で、ダンス・トラックとしての完成度が高い。構造を追いながら各楽器の役割を聞き分けると、マンボの躍動感の秘密がわかります。

  • "Patricia"（シングル／代表的なインスト曲）
    解説：美しいメロディを中心に据えたインストゥルメンタルで、ポップス寄りの洗練さが魅力。ブラスの音色とストリングス（アレンジによって入る場合）がバランスよく配され、夜の雰囲気やシネマティックな場面にも合います。

  • オススメ・コンピレーション："The Best of Pérez Prado"（各レーベルで複数存在）
    解説：入門者には代表曲を網羅したコンピ盤が最良。初期の凶暴なマンボからメロウなインストまで、プラドの多彩さを手早く聴けます。盤によって収録曲・音質が異なるので、曲目をチェックして名曲が入っている盤を選んでください。

  • オリジナルLP群（1950年代のラテン系レーベル盤）
    解説：プラドがメキシコやアメリカで発表したオリジナルのLP／シングル群には、ダンス・クラシックやローカル・ヒットが多数。編成や録音の空気感が時代性を伝えるため、音楽史的に興味深いコレクションです。音作りや管楽器アンサンブルのダイナミズムを味わってください。

曲ごとの注目ポイント（聴きどころを深掘り）

  • 旋律とリズムの関係：プラド曲はメロディがすぐ耳に残る一方で、リズム隊はシンプルにドライブし続ける構造が多い。メロディが前面に出る瞬間とリズムがグルーヴを刻む瞬間の対比を楽しんでください。

  • ブラス・アレンジ：トランペットやトロンボーンのリフ、リード（サックス等）との掛け合いが聴き所。短いフレーズが何度も反復されることで強烈なフックになります。

  • 編成の変化：曲によってはストリングスやピアノ、コーラスが入り、よりポップな側面を見せるものもあります。編成の違いで同じ“マンボ”というジャンル内でも色合いが変わる点に注目すると面白いです。

どの盤を買うかの判断基準（音楽的観点）

  • まずは代表曲を網羅した信頼できるコンピレーションで“音”と“アレンジ”の全体像を掴む。

  • 気に入った曲が見つかったら、その曲が収録されたオリジナル盤や同時期のアルバムを探すと、アレンジのバリエーションや未発表トラックに出会えることがあります。

  • 収録クレジット（録音年／メンバー／レーベル）を確認すると、同じ曲でも異なる編成・録音での違いを楽しめます。

年代別の聴きどころ

  • 1940年代〜初期：キューバ起源のダンス音楽の土台。民族的リズムとジャズ的要素の融合が聞き取れます。

  • 1950年代：プラドの黄金期。マンボが商業的に洗練され、ポップス市場へ進出した時期。録音もよりクリアになり、ブラスの迫力が際立ちます。

まとめ

Pérez Pradoはマンボというジャンルを世界中に広めた重要人物で、代表曲群はどれも“短いフック”と“強烈なリズム”によって覚えやすく、聴いてすぐにプラドらしさを感じられます。まずは代表的なシングルと良質なベスト盤で入門し、気に入った曲のオリジナル盤や同時期のアルバムに手を広げると、彼の音楽世界をより深く楽しめます。

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