Beats Studio Buds 徹底レビュー：音質・ANC・バッテリーを深掘りした実用ガイド

2025年12月14日 最終更新日時 : 2025年12月14日 エバープレイ編集部

イントロダクション — Beats Studio Budsとは何か

Beats Studio Budsは、Apple傘下のブランドBeatsが2021年に投入した完全ワイヤレスイヤホン（TWS）です。AirPods系の高価格帯ラインとは一線を画しつつ、手頃な価格でアクティブノイズキャンセリング（ANC）や外音取り込み（Transparency）を搭載し、iOS・Android双方で使いやすい設計を目指したモデルです。本稿では、設計思想から音質評価、ノイズキャンセル性能、接続性、バッテリー持ち、通話品質、実際の運用での長所短所まで細かく掘り下げます。

デザインと装着感

Studio Budsはスティック型ではなくコンパクトな丸みを帯びたインイヤー（カナル）タイプで、耳への収まりが良いのが特徴です。シリコン製のイヤーチップ（3サイズ）が同梱され、筐体は軽量で長時間装着でも疲れにくい設計。外観はブラック、ホワイト、レッドなどのカラーバリエーションがあり、ファッション性も重視されています。

防水規格はイヤホン本体がIPX4で、日常の汗や小雨には耐えられますが、ケース自体は防水仕様ではないため取り扱いには注意が必要です。

音質の特徴とチューニング

Beatsブランドらしく低域寄りのチューニングがされており、ポップスやEDM、ヒップホップなどビートの効いた楽曲での躍動感が魅力です。中〜高域の解像度は同価格帯のライバル機と比べて突出しているわけではありませんが、ボーカルの存在感は確保されており日常リスニングには十分なバランスです。

イコライザ調整はiOSのミュージックアプリやBeatsアプリ（Android向け）で簡易的に行えます。音場はインナーイヤーの密閉感と低域ブーストによりやや近接的。クラシックやジャズなどの微細な空気感を重視するリスナーは、フラット傾向のイヤホンを選ぶと良いでしょう。

アクティブノイズキャンセリング（ANC）と外音取り込み（Transparency）

Studio BudsのANCはこの価格帯としては実用的で、低域の定常雑音（エアコン、電車の低周波など）をかなり軽減します。ただし、上位モデルのような強力なノイズブロッキングを期待すると差が出ます。外音取り込みモードは周囲の音を自然に取り込み、駅のアナウンスや会話を聞く場面で便利です。ANCと外音取り込みの切替はイヤホンの長押し操作や端末上で行えます。

接続性とプラットフォーム互換性

Studio BudsはiOS・Androidの両方で使えるよう設計されています。シンプルなBluetoothペアリングで動作し、Beatsアプリを通じてファームウェア更新や一部設定が可能です。AirPodsのようなApple専用チップ（H1等）を搭載していないため、Appleデバイス間のシームレスな自動切替など一部の深い統合機能は利用できない点に注意してください。

コーデックとレイテンシ

対応コーデックは主にSBCとAACで、Android機ではSBCが中心になる場合があります。高ビットレートのaptX/LDACなどには非対応のため、ハイレゾに近い有線相当の音質を期待するタイプのユーザーには向きませんが、動画視聴やゲームでのレイテンシは実用的な範囲に収まっています。

バッテリーと充電仕様

バッテリー持ちは公式値でイヤホン単体でANCオン時：約5時間、ANCオフ時：約8時間、ケース併用で合計約15時間〜24時間（ANCのオンオフで変動）とされています。短時間の急速充電（Fast Fuel）により数分の充電で1時間程度再生可能になる仕様もあり、外出時の運用で利便性が高いです。充電端子はUSB-Cを採用しており、ケーブル共通化が進んだ昨今では扱いやすい仕様です。

通話品質とマイク性能

通話時のマイクはビームフォーミングやノイズリダクションを組み合わせ、比較的クリアな音声を届けられる設計です。屋外の強風や大きな騒音源がある環境では限界があるものの、日常的な通話やオンライン会議での実用性は高いと言えます。

ソフトウェア機能と使い勝手

主な操作はタッチ/長押しで再生・停止、ANC/外音切替、音量調整などが割り当てられています。Beatsアプリではバッテリー残量表示やファームウェア更新が可能です。iOSとAndroidで利用感に差はあるものの、基本的な操作性は直感的です。

ライバル機との比較

  • AirPods Pro：より強力なANC、空間オーディオやAppleエコシステムとの統合を重視するならAirPods Proが上位。ただし価格は高め。
  • Sony WF-C500 / WF-1000XM4：音質やANC性能で競合。特にWF-1000XM4は音質・ANCで非常に高評価だが、価格差が大きい。
  • Jabra Elite 3 / Elite 75t：通話品質やフィット感で強みを持つモデル。用途や好みで選択が分かれる。

誰に向くのか（購入ガイド）

Beats Studio Budsは以下のようなユーザーに向いています。

  • 低域のパンチを好む音楽リスナー。
  • iOS・Androidどちらも使うが、AirPodsの深い統合が必須でないユーザー。
  • 手頃な価格でANCを体験したい人。
  • コンパクトでファッショナブルなデザインを重視する人。

逆に、最も優れたANCや最高音質、Appleのシームレスなエコシステム統合を求めるなら上位機種を検討した方が満足度は高いでしょう。

運用のコツと長く使うためのポイント

  • イヤーチップのサイズをきちんと合わせる：フィットが悪いと低域やノイズキャンセル効果が落ちる。
  • 定期的なファームウェア更新：音質改善やバグ修正が提供されることがあるため、Beatsアプリや接続デバイスで確認する。
  • ケースの防水性には注意：イヤホン本体はIPX4でもケースは防水でないことが多いので、濡らさない。

まとめ

Beats Studio Budsは、価格と機能のバランスが取れたオールラウンドな完全ワイヤレスイヤホンです。ブランドらしい低域の迫力や実用的なANC、iOS/Android両対応の手軽さが魅力で、日常使いの音楽イヤホンとして高いコストパフォーマンスを発揮します。一方で、上位モデルにおけるANCの強さやハイレゾ対応、Apple独自機能の完全な統合を重視するユーザーは他モデルも検討すると良いでしょう。

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