Launchpad徹底解説:歴史・モデル比較・ライブ&制作での使い方
Launchpadとは:概要と位置づけ
Launchpad(ローンチパッド)は、イギリスの音楽機器メーカーNovation(ノベーション)が手がけるグリッド型のMIDIコントローラーシリーズです。主にAbleton Liveと連携してクリップの発火やシーン切り替えを直感的に行うためにデザインされていますが、その汎用性の高さからライブパフォーマンス、ビートメイキング、ライトコントロール、さらには教育用途まで幅広く利用されています。中心となるのは8×8のパッドグリッドで、各パッドがクリップの状態や音階情報、エフェクトのオン/オフなどを視覚的にフィードバックします。
歴史と進化の概観
Launchpadは、セッションビュー中心のライブ操作を可能にするコントローラーとして登場して以来、何度かのモデルチェンジで機能性と表現力を向上させてきました。初期モデルはシンプルにクリップ発火と視覚フィードバックを提供しましたが、後続モデルではRGB対応、強度の向上、MIDI出力やスタンドアロン機能、より深いDAW統合、カスタムマッピング機能などが追加されました。シリーズ内には小型のMini系、標準系、そして高機能なPro系などがあり、用途や求める表現によって選べます。
ハードウェアの基本構成と主な機能
- 8×8パッドグリッド:視覚的に配置されたパッドでクリップ/ノートの操作を直感的に行える。
- RGBライティング:パッドが色で状態を示すことで、複雑なアレンジでも視認性が高い。
- モード切替:Sessionモード、Noteモード、Userモード等に切り替えて用途を変えられる(モデルにより名称や挙動は異なる)。
- MIDI入出力(モデル依存):一部のProモデルはMIDI出力機能を備え、ハード音源や外部機器を直接操作可能。
- スタンドアロン機能やシーケンサー(上位モデル):内部でノートやシーケンスを制御できるモデルもある。
主なモデルの違い(概要)
シリーズは大きく分けてエントリーモデル(Mini/標準)とプロフェッショナル向け(Pro/Pro Mkシリーズ等)に分かれます。エントリーモデルは軽量で持ち運びに優れ、基本的なクリップ操作やドラムパッド用途に最適。プロモデルはMIDI機能の拡張、スタンドアロンでのシーケンス機能、より高いレスポンスや多機能モードを備えており、スタジオ/ライブ双方での柔軟性が高いです。最新世代ではUSBバスパワー供給、より明るいLED、付属ソフトウェアやテンプレートの強化が図られています。
Ableton Liveとの連携:なぜ相性が良いのか
LaunchpadはAbleton Liveのセッションビュー設計に合わせて作られており、クリップの発火、シーン切替、トラックのミュートやソロなどをハードウェアから直接操作できます。NovationはAbletonのAPI(MIDI Remote Script)を活用したプリセットやスクリプトを用意しており、プラグ・アンド・プレイでの使いやすさが強みです。また、色でクリップの状態(再生中、停止、録音待機など)を示すため、視覚情報を頼りに即興演奏や予期せぬ状況にも対応しやすくなっています。
ライブでの使い方とテクニック
- クリップベースの即興演奏:セッションビューのクリップスロットをあらかじめ用意し、パッドで場面ごとに発火・停止してセットリストを演出する。
- フィンガードラミング:パッドをドラムパッドとして使い、リズムトラックを人力で演奏する。慣れれば人間味のあるグルーヴを作れる。
- スケール/コードモードの活用:Noteモードやスケール機能を使えば、楽器知識が浅くてもコードやメロディを演奏しやすい(モデルやユーザースクリプトによる)。
- シーンとエフェクトの同期:シーン切替に合わせてエフェクトプリセットやフィルターの自動切替を設定し、展開をスマートにする。
- 複数デバイスの併用:Launchpadを複数台や他のコントローラー(キーボード、フェーダー等)と組み合わせて、より複雑なパフォーマンスを作る。
制作での活用法
制作面では、アイデアスケッチやビート作成のスピードアップが大きな利点です。クリップに短いフレーズを作って組み合わせながらアレンジを構築したり、Noteモードで和音のアイディアを素早く試したりできます。DAW上のMIDIコントロールやプラグインのオン/オフを割り当てれば、ソング構成や自動化のテストも手元で行えます。特にAbleton Liveはクリップベースのワークフローに適しているため、Launchpadとの組み合わせは制作スピードを上げやすいです。
カスタマイズとコミュニティ活用
LaunchpadはユーザースクリプトやカスタムMIDIマッピングを許容するため、コミュニティ製のテンプレートやMax for Liveデバイスが豊富に存在します。例えば、独自のスケールマッピング、ジェネレーティブなシーケンス、ビジュアル連携ツールなど、ユーザーが用途に合わせて拡張しているのが特徴です。Novationの公式ソフトウェアやファームウェアのアップデートで新機能が追加されることもあり、定期的にチェックすると良いでしょう。
Launchpadを使う際のTipsと注意点
- ファームウェアとドライバーは常に最新に:互換性やバグ修正が含まれるため、特に新しいDAWバージョンを使う際は更新を確認する。
- バックアップを作る:重要なカスタムマッピングやテンプレートは外部に保存しておくと、突然の故障時に安心。
- ライブ前のチェックリスト:ライティングの輝度、MIDIチャネル、同期設定(MIDI ClockやAbleton Link)を事前に確認する。
- 中古品購入時の注意:パッドの反応、LEDの死点、USBポートの摩耗を確認する。付属ソフトウェアのライセンス移行が必要な場合もあるため、販売元に確認を。
Launchpadを使った創造的な応用例
Launchpadは音楽以外の表現領域でも活躍します。MIDI経由で照明機材やビジュアルソフトをトリガーし、音に同期したライトショーやプロジェクションマッピングを行うアーティストもいます。また、教育現場では音楽理論やリズムの学習ツールとして直感的で取り組みやすいデバイスとして採用されることがあります。
購入ガイド:どのモデルを選ぶか
選択のポイントは用途と予算です。持ち運び重視でシンプルな操作が中心ならMiniや標準系が向き、深いMIDI統合やスタンドアロンのシーケンスが必要ならPro系を検討してください。Ableton Liveユーザーであれば、Novationのプリセットやスクリプトが最初から用意されているモデルを選ぶとすぐに使い始められます。中古市場では手頃な価格で手に入ることもありますが、上記の注意点を確認してください。
保守と長持ちさせるコツ
- パッドを強く叩きすぎない:感触は機械的に疲労するため、過度な力を避ける。
- 持ち運び時は専用ケースやパッド保護パネルを使用して衝撃から守る。
- 定期的にファームウェアを確認し、必要な更新を行う。
まとめ:Launchpadがもたらす表現の幅
Launchpadは単なるDAWコントローラーを超え、ライブパフォーマンスと制作の境界を曖昧にするツールです。直感的なグリッド操作、視覚的フィードバック、そしてカスタマイズ性の高さによって、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに支持されています。どのモデルを選ぶにせよ、重要なのは自分のワークフローにどう組み込むかを考えることであり、適切なセッティングと準備があればLaunchpadは非常に強力な創作ツールとなります。
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参考文献
- Novation - Launchpad Series (公式)
- Novation - Launchpad X (製品ページ)
- Novation - Launchpad Pro Mk3 (製品ページ)
- Ableton Live マニュアル(公式)
- MIDI Association(MIDI仕様の一般情報)
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