Code Vein(2019)徹底解説:世界観・戦闘・カスタマイズの深層レビュー

概要:Code Veinとは何か

Code Veinはバンダイナムコエンターテインメントが2019年9月27日にPlayStation 4、Xbox One、Windows(Steam)向けに発売したアクションRPGです。開発はバンダイナムコスタジオが中心となり、“ヴァンパイア”をモチーフにしたダークな世界観とアニメ調のビジュアルが特徴。ソウルライクな難度とリズミカルな戦闘、そしてキャラクターメイキングの自由度が注目されました。

世界観と物語の骨子

舞台は“崩壊後の世界”で、生存者たちは“レヴナント(Revenant)”と呼ばれる吸血の力を持った存在となり、血を求めながら生き延びています。プレイヤーは記憶を失ったレヴナントとして目覚め、仲間(バディ)たちと共に失われた過去の断片や“世界の真実”を追うことになります。作風はアニメ的な表現とゴシックなモチーフが混在し、人間性や喪失、依存といったテーマが物語の根底に流れています。

コアシステム:ブラッドコードとギフト

Code Veinの特徴的なシステムが「ブラッドコード(Blood Code)」です。これはいわゆるクラス/ジョブシステムに相当し、装備するブラッドコードによってステータスや装備可能な武器・スキルが変化します。これによりソロ向けのタンク型ビルドから、ギフト(魔法に相当する特殊能力)中心のビルドまで、多様なプレイスタイルが可能です。

ギフトは血の力を用いた特殊攻撃や補助効果を発動するシステムで、敵味方を巻き込む範囲攻撃や強化/回復など多彩。ギフト使用時にはリソース管理が必要で、強力な技は代償を伴うことがあり、戦略性が求められます。

戦闘の設計:ソウル系からの継承と独自性

戦闘は高い硬直と回避の読み合いを中心に据えた“ソウルライク”な手触りですが、独自要素も多くあります。敵の攻撃に対するパリィや回避、スタミナ管理といった基本は踏襲しつつ、「ブラッドヴェイル(Blood Veil)」と呼ばれる装備(防具兼武器)を介した特殊攻撃や、仲間を活用する「パートナーシステム」が戦術に深みを与えます。

  • 武器種のバリエーション:大剣、細剣、槍、射撃武器など。武器ごとのリーチと速度の違いが戦い方に直結します。
  • パートナーの存在:AIまたは他プレイヤーが同行し、サポートや攻撃・蘇生を行います。戦闘中に指示を出すことも可能で、単独プレイよりも戦術の幅が広がる設計です。
  • リスクと報酬:強力な技やギフトには代償があり、無思慮に使うと逆に不利になります。状況判断が勝敗を分けます。

探索とダンジョン構造

ステージは繋がったダンジョンや広めの拠点的エリアで構成され、死を前提としたリスク管理とショートカットの解放が攻略の鍵です。敵の配置や強敵の出現、環境ギミックを読み切って進む楽しさがあり、またマップごとに異なる雰囲気が演出されています。探索は単なる経験値稼ぎではなく、物語の断片や装備、ブラッドコードの発見に直結します。

キャラクターメイキングとカスタマイズ性

Code Veinはキャラクターメイキングの自由度が非常に高い点も特徴です。顔立ち、髪型、各種パーツを細かく調整でき、自分だけの“アニメ調ヴァンパイア”を作れます。また、装備やブラッドコード、スキルの組み合わせによって同じ見た目でもプレイ感が大きく変わるため、リプレイ性が高いのも魅力です。

マルチプレイとボス戦の協力性

オンラインマルチプレイではフレンドや見知らぬプレイヤーと協力してボスに挑むことができます。協力プレイは攻略を大きく容易にする一方で、戦術の調整や役割分担が重要になります。ローカルでのAIパートナーも戦闘を補助してくれますが、人間プレイヤーならではの柔軟性には劣ります。

アートディレクションとサウンド

ビジュアルはアニメ的なキャラクターデザインとダークファンタジー的な背景の対比が魅力です。色使いやコスチュームデザインはポストアポカリプスの陰鬱さを保ちつつ、キャラクターの個性を強調します。音楽や効果音も雰囲気作りに寄与しており、ボス戦など場面ごとの緊張感を高めます。

評価と技術面(発売時の状況)

発売当初はその挑戦的な難度や戦闘の手触り、キャラクターメイキングが評価される一方、技術的な問題(フレームレートや最適化)や一部シナリオ展開への賛否も報告されました。以降のパッチで安定性は改善され、特定のゲーマー層には根強い支持を得ています。

なぜ今プレイする価値があるか

  • 独特な世界観と濃いキャラクター描写:ダークで耽美的なテーマが好きな人に刺さる。
  • ビルドの自由度とリプレイ性:ブラッドコードの組み替えにより多彩な戦術が試せる。
  • 協力プレイの楽しさ:ボス戦は特に協力することで別の楽しみ方が生まれる。
  • ソウルライクが好きだが“雰囲気”を重視する人向け:硬派な難度とドラマ性の両立。

総評

Code Veinはソウル系アクションRPGの要素を取り込みつつ、ヴァンパイアやアニメ表現を大胆に融合させた作品です。万人向けではないものの、世界観・カスタマイズ性・協力プレイに魅力を感じるプレイヤーには強く薦められます。発売後の改善もあり、現在は当時より遊びやすくなっているため、シリーズやジャンルのファンだけでなく初めてソウルライクに挑戦する人にも手に取りやすいタイミングと言えるでしょう。

参考文献

Wikipedia(日本語) - Code Vein

Wikipedia(英語) - Code Vein

Steamストアページ - Code Vein

Bandai Namco公式ページ - Code Vein