迫力と革新が響く 吉田拓郎 LIVE ’73 完全ガイド

本コラムでは、1973年11月26・27日に東京・中野サンプラザホールで収録され、同年12月21日にリリースされた吉田拓郎のライブ・アルバム『よしだたくろう LIVE ’73』を、多角的に深掘りします。リリース当時の販売価格やオリコンチャートでの好成績、豪華なバンド編成とステージコンセプト、楽曲構成、パッケージ仕様、さらには日本のライブアルバム史に残る意義について詳述します。
概要
『よしだたくろう LIVE ’73』は、1973年11月26日・27日に中野サンプラザホールで行われた吉田拓郎リサイタルからのライヴ音源を収録し、同年12月21日にリリースされたライブアルバムです。リリース直後にはオリコン週間チャートで最高3位を記録し、通算42週チャートイン、売上14.3万枚を達成しました。リリース時の販売価格は2,000円で、当時としては高額ながらファンから熱狂的に受け入れられました。
録音とリリースの背景
録音概要
本作は1973年11月26日・27日に中野サンプラザホールで録音され、バンドサウンドを重視した迫力あるステレオ・ミックスでパッケージされました。
プロデュースとコンセプト
プロデュースは吉田拓郎自身と瀬尾一三が共同で担当。拓郎は「自身のヴォーカルはあくまでバンドの一部」という意図を掲げ、日本屈指のスタジオミュージシャンを起用し、フォークとロックが融合した表現を追求しました。
パッケージと仕様
- フォーマット: 12インチLP(ステレオ)
- レーベル: Odyssey/CBS Sony
- 型番: SOLL-59-OD
- ジャケット: 見開きゲートフォールド仕様、帯付き。歌詞カードが付属。
初回プレスの帯付き完品は特に希少価値が高く、コレクター間で高額取引されています。
収録曲と楽曲解説
本作には全13曲が収録され、多くがこのライブで初めて披露されたナンバーです。ライブならではの生々しい演奏と新アレンジが楽しめます。
No. | 曲名 |
---|---|
1 | 春だったね ’73 |
2 | マークII ’73 |
3 | 君去りし後 |
4 | 君が好き |
5 | 都万の秋 |
6 | むなしさだけがあった |
7 | 落陽 |
8 | 雨が空から降れば |
9 | こうき心 ’73 |
10 | 野の仏 |
11 | 晩餐 |
12 | ひらひら |
13 | 望みを捨てろ |
「’73」と銘打たれた楽曲は、スタジオ音源とは異なるライブならではのアレンジが最大の聴きどころです。「雨が空から降れば」は小室等作曲の楽曲としては唯一の他アーティスト提供曲で、当時から演奏が注目されました。
箔付くメンバーと演奏
ギタリスト高中正義、キーボード松任谷正隆、ベース岡澤章、ドラム田中清司らが参加し、ブラス&ストリングスを従えた大所帯編成で迫力あるサウンドを実現。フォーク出身ながらロックの要素を大胆に取り入れたライブ演奏は、日本のライブアルバム史上に残る名演です。
CD化と再発史
- 1986年:初のCD化。
- 1990年:CD選書シリーズにて再発。
- 2006年:Sony Music Shop限定で再発。
オリジナルLPの音作りを可能な限り再現したマスタリングが高く評価されています。
レガシーと影響
本作は「日本のレコード史上最初の本格的なライブアルバム」とも称され、以降のアーティストによる大型ホール公演のライブ盤制作に大きな影響を与えました。吉田拓郎が掲げた「バンドサウンド優先」のステージ表現は、多くのミュージシャンに受け継がれています。
『よしだたくろう LIVE ’73』は、ライブアルバムの可能性を拡張した意欲作です。熱気に満ちたステージパフォーマンス、新たなアレンジが光る楽曲群、そしてコレクターズアイテムとしての価値——多面的な魅力を持つ本作をぜひ手に取り、そのサウンドと歴史的意義を体感してください。
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