銀幕を彩る音の情景 ― 松田聖子『野菊の墓』オリジナル・サウンドトラック

松田聖子の映画デビュー作『野菊の墓』のオリジナル・サウンドトラックLP(CBS/Sony 28AH-1295)は、1981年8月8日に日本でリリースされました 。全13トラック、総収録時間約39分50秒を誇り、メインテーマ「花一色~野菊のささやき~」を含む劇中BGMや主題歌のスコアが網羅されています 。
音楽は、映画音楽界の巨匠・菊池俊輔が手掛け、その哀愁を帯びた旋律や重厚なストリングスを特徴とする独自の“菊池節”を堪能できる内容となっています。主題歌「花一色~野菊のささやき~」は、同年7月21日に発売された6thシングル『白いパラソル』のB面に収録され、松本隆(作詞)、財津和夫(作曲)、瀬尾一三(編曲)という豪華クリエイター陣の手によって仕上げられています 。
日本プレスのオリジナル盤にはOBI帯、歌詞カード、ライナー付きの初回仕様が存在し、コレクターの間で高い評価を受けています 。2010年にはCD化を含む「松田聖子オリジナル・サウンドトラック集1981~1985」として再編され長く愛され続けています 。

映画と音楽の背景

『野菊の墓』は、伊藤左千夫の同名小説を原作とし、1981年8月8日に東映東京撮影所とサンミュージック共同制作で公開された日本映画です 。松田聖子にとっての映画デビュー作であると同時に、澤井信一郎監督の長編デビュー作でもありました 。
音楽を担当した菊池俊輔は、日本大学藝術学部でのクラシック音楽の素養を背景に、民謡や演歌的な短調旋律と重厚なストリングスを融合させた“菊池節”と呼ばれる劇伴スタイルを確立しています。

リリースと仕様

LPはCBS/ソニー(日本プレス)から1981年8月8日に初発売され、カタログ番号は28AH-1295です 。日本盤オリジナルプレスは帯、歌詞カード、ライナーインサート付きの初回仕様で、付属品完備の盤が高値で取引されます 。盤面はEX評価が多く、ジャケットはVG+程度の使用感がある個体が一般的です 。

収録曲と演奏

収録は全13トラックで、合計再生時間は約39分50秒となっています 。A面には主題歌「花一色~野菊のささやき~」を含む7曲、B面には物語の結末を描く6トラックが配されています 。主題歌の歌唱パートは松田聖子が担当し、作詞:松本隆/作曲:財津和夫/編曲:瀬尾一三という布陣で制作されました 。その他の劇中BGMはすべて菊池俊輔作曲によるもので、叙情的なピアノやストリングスが印象的です 。

再発とコレクターズ市場

2010年8月11日には「松田聖子オリジナル・サウンドトラック集1981~1985」として初CD化され、劇中のセリフや効果音も収録された豪華盤が発売されました 。コレクターズポイントは、OBI帯や歌詞カードの有無、盤質、ジャケットの保存状態です 。

音楽的特徴と分析

本サウンドトラックは、菊池俊輔のクラシック音楽の素養と民謡的旋律が融合した“菊池節”を存分に味わえる一枚です。特にストリングスやホルンを中心とした重厚なオーケストレーションと、木管楽器の繊細な音色が映画の田園風景や登場人物の心情を美しく描写しています。主題歌では瀬尾一三の編曲によるギターやピアノが爽やかさを演出しつつ、松田聖子の透明感あるボーカルが切なさを際立たせています 。

結論

『野菊の墓』オリジナル・サウンドトラックLPは、松田聖子の銀幕デビューを彩る貴重な音源であり、菊池俊輔による名劇伴とともにアナログレコードならではの音質を楽しめるコレクターズアイテムです 。映画の情感を深く刻むメロディと音響空間を、ぜひオリジナル盤や再発CDで堪能してみてください。

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