Night Train:Oscar Peterson Trio
Oscar Peterson Trioが紡ぐブルースと魂のジャズ
『Night Train』は1963年にVerve RecordsからリリースされたOscar Peterson Trioの代表作で、ブルースやジャズのスタンダードナンバーを中心に構成されています。特にタイトル曲「Night Train」とPeterson自身が即興で書き下ろしたオリジナル曲「Hymn to Freedom」は、アルバムのハイライトとして知られており、リリースから半世紀以上を経ても多くのミュージシャンやリスナーに影響を与え続けています。
アルバム概要
録音日は1962年12月15日・16日、場所はロサンゼルスです。オリジナルLPでは約44分08秒の収録時間で、1997年のCD再発版では67分40秒に拡張されています。プロデューサーはNorman Granz、カバー写真はPete Turner、ライナーノーツはBenny Greenが担当しました。
背景と制作経緯
アルバムタイトルの「Night Train」は、Petersonの父親がカナダ太平洋鉄道の寝台車乗務員だったことへのオマージュを込めたものです。企画を手がけたNorman Granzの意図で、商業ラジオでのオンエアを意識した短めの楽曲構成が採用されました。
演奏と収録曲解説
タイトル曲「Night Train」
滑らかなピアノ演奏とリズミカルなベースワーク、タイトなドラムが一体となったナンバーで、Petersonのダイナミックなアーティキュレーションが際立ちます。
オリジナル曲「Hymn to Freedom」
録音当日にNorman Granzの要望で即興的に書かれた一曲で、市民権運動のアンセムとしても認識されるほど幅広い支持を得ています。
その他の代表曲
- C Jam Blues:デューク・エリントンのブルースナンバーをトリオならではのスウィング感で再構築しています
- Georgia on My Mind:バラードとしてのメロディにPetersonの繊細な表現が光る演奏です
- Bags’ Groove:Milt Jacksonの名曲を力強いアプローチでプレイし、左手のアクセントが印象的です
サウンドとアレンジの特徴
Ed Thigpenのリベット付きシンバルを近接録音で捉えたドラムサウンドは、アルバム全体に一貫した臨場感と推進力をもたらしています。また、Petersonの右手と左手の対位的な構築が随所に見られ、技巧的かつエモーショナルな演奏を展開しています。
初期の評価と受容
リリース直後から高く評価され、AllMusicやGramophoneなどの評論家からは「タイトで感情豊かなトリオ演奏の傑作」と評されました。2019年にはPolaris Heritage Prizeを受賞し、その名盤としての地位を確立しています。
レガシーと影響
Diana KrallやLinda May Han Ohをはじめ、多くのジャズアーティストに影響を与えた一枚です。2023年には60周年記念の180グラム重量盤リマスターがリリースされ、コレクターやオーディオファイルからも注目を集めています。
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