永遠に歌い継がれる石井好子の魅惑のメロディ — 人気曲5選

本稿では、日本にシャンソン文化を根付かせたパイオニア、石井好子さん(1922年8月4日–2010年7月17日)の代表的な人気曲を5曲選び、誕生の背景やレコーディング情報、歌唱の聴きどころを詳しくご紹介します。童謡の日本語訳から本格的なシャンソンまで幅広いレパートリーを誇る石井さんの魅力を、豊富なエピソードとともにお楽しみください。

石井好子という人

石井好子さんは、戦後すぐに渡仏し本場のシャンソンを学んだ後、1952年に日本シャンソン協会を設立。以降、紅白歌合戦への出場やパリ祭の創始などを通じて、シャンソンを日本の大衆文化として根付かせていきました。エッセイストや実業家としても活躍し、その波瀾万丈の半生は多くの後進を奮起させています。

人気曲5選

1. クラリネットをこわしちゃった

  • 原題・成立:フランス童謡『J’ai perdu le do de ma clarinette』を1959年に訳詞・歌唱。
  • リリース形態:石井好子とダークダックス共演のEP『フランス子どものうた』収録。
  • 聴きどころ:出なくなった「ド」をコミカルに表現する日本語詞と、原語のリズムを活かしたサビのフランス語フレーズが絶妙に融合。子どもから大人まで広く愛される一曲です。

2. アヴィニョンの橋で

  • 原題・成立:15世紀ごろから伝わる『Sur le Pont d’Avignon』を1959年に石井好子が訳詞。
  • リリース形態:同じく『フランス子どものうた』EPに収録。キングレコードからEP(7インチ)で発表。
  • 聴きどころ:大阪弁を交えたユーモラスな掛け合いが楽しく、原曲の輪踊りリズムを日本の子どもたちにも親しみやすくアレンジしています。

3. ミシェルおばさん

  • 原題・成立:フランス童謡『C’est la mère Michel』の日本語訳で1963年にNHK「みんなのうた」で紹介。
  • リリース形態:NHK出版よりピアノ伴奏譜も刊行され、合唱団や家庭で長年歌い継がれています。
  • 聴きどころ:猫がいなくなって大騒ぎするミシェルおばさんの可愛らしいエピソードが、韻を踏んだ日本語詞とともに生き生きと描かれており、ノスタルジックな情景が広がります。

4. ゴンドリエ

  • 原題・成立:イタリア民謡『Le gondolier』を日本語で歌唱。紅白歌合戦1958年出場曲としても知られます。
  • リリース形態:1958年発表のシングルおよび後のベスト盤などで何度も復刻。2枚組CDアルバム『ゴンドリエ』にも収録。
  • 聴きどころ:寺島尚彦による情感豊かな編曲と、石井さんの伸びやかな声がゴンドラの水音やヴェネツィアの風景を彷彿とさせ、聴く者を異国へ誘います。

5. さくらんぼの実る頃

  • 原題・成立:フランス伝統歌謡『Les cerises sont mûres』を日本語訳。2003年のベスト盤『決定版 石井好子』に収録。
  • リリース形態:CD・ストリーミングでリリース後も定番曲として配信中。
  • 聴きどころ:甘酸っぱい青春の一コマを綴る歌詞と、石井さんの清楚で優しい歌声が春風のように爽やかに胸に響きます。

おわりに

シャンソンから童謡訳詩まで、その表現の幅広さはまさに驚嘆に値します。石井好子さんの歌声は、歌詞のユーモアや郷愁感とともに今なお多くのリスナーの心を掴んで離しません。これらの名曲たちを通じて、石井さんが築いたシャンソンの世界をぜひお楽しみください。


参考文献

エバープレイの中古レコード通販ショップ

エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
ジャズのレコードも取り揃えておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery