繊細な響きの探究者:北山隆と人気バロック曲の魅力解剖
本コラムでは、関西を拠点にリコーダー奏者として先駆的な地位を築いた北山隆氏のキャリアを概観し、代表的な録音作品とその人気楽曲を詳しく解説します。彼の演奏がどのようにバロック音楽の魅力を引き出してきたのか、教育者としての側面も交えながら、多角的にご紹介します。
北山隆のキャリア概要
北山隆氏は大阪音楽大学を卒業後、関西でいち早くリコーダー演奏を専門とするプロ奏者としてデビューしました。大阪文化祭賞や音楽クリティッククラブ賞を受賞し、リコーダー演奏の世界に新風を吹き込みました。
1974年には大阪国際フェスティバル協会の海外派遣文化交流員としてヨーロッパに渡り、テレマン室内管弦楽団のドイツ招聘演奏旅行にソリストとして4度参加して評価を確立しています。
教育者・指導者としての活動
在職中は大阪音楽大学付属楽器博物館館長を10年間、同付属図書館館長を4年間務め、伝統楽器の保存・研究に貢献されました。
また、大阪音楽大学付属音楽院の「リコーダーⅡ」講座では講師として後進の指導にも携わっており、モダン楽器とバロック奏法の両面から教育を行っています。
主要録音作品と人気楽曲
『リコーダー名曲アルバム』(1977年)
『リコーダー名曲アルバム』は1977年にColumbiaレーベルからLPでリリースされ、ヘンデル〈ソナタ ヘ長調〉やバルサンティ〈ソナタ ハ長調〉、伝統曲〈グリーンスリーブス〉などを収録しています。
本作でのLarghettoやSicilianaの柔らかな表現は、北山氏の澄んだ音色と呼吸感あふれるフレージングが際立ち、リコーダー演奏の新たな可能性を示しました。
『バロック名曲選』(録音年不詳)
『バロック名曲選』には、バッハ〈管弦楽組曲第2番〉よりシチリアーナや、テレマン〈リコーダーと通奏低音のためのソナタ〉が収録され、古典的な名旋律を現代感覚で蘇らせています。
北山氏の演奏は精緻な技巧と抑制の効いた表現が両立しており、とりわけバッハのシチリアーナでは深い内省性が感じられる演奏として高い評価を受けています。
『7つのトリオ・ソナタ』(2008年1月25日発売)
テレマン・プチ・アンサンブルとの共演による本作は、2008年1月25日に国内CDでリリースされ、テレマン作品集第2集として知られています。
リコーダーとオーボエ、ハープシコード、通奏低音による多彩な編成で演奏されたトリオ・ソナタは、バロック室内楽の対話的な魅力を存分に引き出しており、北山氏のアンサンブル力が際立っています。
スーパーリコーダーカルテットの結成(2004年頃)
2004年頃には「スーパーリコーダーカルテット」を結成し、松浦孝成、村田佳生、渡辺晴美とのアンサンブルで、リコーダーの多重奏による豊かな響きを追求しています。
カルテットでの活動は全国的に注目を集め、従来のソロ演奏から発展した新たな可能性を提案しました。
楽曲解説のポイント
- ヘンデル〈ソナタ ヘ長調〉:Larghettoでは温かな抒情性、Allegroでは明快なリズム感が特徴的で、バロック奏法の伝統と現代的な解釈が融合しています。
- バッハ〈シチリアーナ〉:管弦楽組曲第2番より抜粋されたこの曲は、抑制と抒情性のバランスが絶妙で、北山氏の歌うようなフレージングが聴き手を魅了します。
- テレマン〈トリオ・ソナタ〉:小編成ながら各声部の対話性が豊かで、北山氏の柔軟な音色とアンサンブル感覚が際立つ名演として知られています。
以上のように、北山隆氏は卓越した技術と深い音楽的洞察をもって、リコーダーの魅力を広く知らしめてきました。彼の演奏を通じて、バロック音楽の繊細な世界をぜひご堪能ください。
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