自由への疾走から歓喜のシンセサイザーまで:ヴァン・ヘイレンの人気曲徹底解剖

本コラムでは、1970年代後半から1980年代後半にかけてのヴァン・ヘイレンを代表する9曲を、リリース背景やチャート成績、音楽的特色、文化的インパクトとともに詳しく解説します。ヴォーカリスト交代を経た2つの主要フェーズ──デイヴィッド・リー・ロス期の荒々しいハードロックと、サミー・ヘイガー期のシンセサイザー主導のメロディアスなサウンド──それぞれの時代を象徴する楽曲群の魅力を紐解きます。
ヴァン・ヘイレンは1972年にカリフォルニア州パサデナで結成され、1978年のデビューアルバム『Van Halen』で硬派なハードロックサウンドとエディ・ヴァン・ヘイレンの革新的ギターテクニックにより一躍脚光を浴びました。1984年にはシンセサイザーメインのリードシングル『Jump』がビルボード・ホット100で初の1位を獲得し、世界的なポップメタルムーブメントを牽引しました。サミー・ヘイガー加入後の1986年リリースシングル『Why Can’t This Be Love』はキーボードを主体にした新たな方向性を示し、ビルボード・ホット100で3位を記録するなどバンドの商業的成功を維持しました。

デイヴィッド・リー・ロス時代の代表曲

Runnin' with the Devil

1978年5月6日にリリースされたデビューアルバム『Van Halen』の2枚目シングルです。歌詞はOhio Playersの「Runnin' from the Devil」に着想を得ています。イントロのクラクションはメンバー所有の車のホーンを収集したもので、その斬新な演出が話題を呼びました。現在でもクラシックロックのラジオで定番曲として頻繁にオンエアされ、ヴァン・ヘイレンのディスコグラフィーにおいて欠かせない存在です。

Ain't Talkin' 'Bout Love

1978年9月にシングルリリースされたデビューアルバム収録曲で、ヘヴィメタル寄りのリフが特徴です。エディ・ヴァン・ヘイレン自身はパンクロックのパロディとして二和音のリフを制作したと語っています。ギターワールド読者投票で史上5位のメタルリフに選出され、その卓越したリフワークは後続のギタリストにも大きな影響を与えました。さらに、この曲はサミー・ヘイガー期にもセットリストに残され、バンドのライブ定番曲のひとつとなりました。

Eruption

1978年のデビューアルバム『Van Halen』に収録されたインストゥルメンタルソロで、エディ・ヴァン・ヘイレンの二本指タッピング技法を世に知らしめた象徴的な作品です。ギターワールド読者投票で「史上最高のギターソロ」第2位にランクインし、その革新性は今なお多くのギタリストに影響を与え続けています。通常ラジオやライブでは前曲の「You Really Got Me」とメドレーで演奏されることが多く、圧倒的なインパクトを残しています。

『1984』の黄金期

Jump

1983年12月にリードシングルとしてリリースされ、1984年1月9日に発表されたアルバム『1984』を象徴する一曲です。バンド唯一のビルボード・ホット100チャート1位獲得曲であり、シンセサイザーメインのリフはポップメタルムーブメントの金字塔となりました。このシンセ導入は当初メンバーやプロデューサーから反発を受けたものの、最終的に認められ世界的ヒットへと昇華しました。2021年にはRolling Stoneの「500 Greatest Songs of All Time」で177位にランクインし、その普遍的な魅力が評価されました。

Panama

1984年6月18日にシングルリリースされた『1984』収録曲です。歌詞はパナマ運河とは無関係で、ラスベガスで観た「Panama Express」という車にインスパイアされて制作されました。米国ではビルボード・ホット100で最高13位、カナダ15位、英国61位、アイルランド30位、オーストラリア74位を記録し、多国籍にヒットしました。

Dance the Night Away

1979年にリリースされたアルバム『Van Halen II』収録のシングルで、ハードロックとポップメタルを融合させた楽曲です。フリートウッド・マックの「Go Your Own Way」に触発されて制作されたこの曲は、バンド初のビルボード・ホット100トップ20入りシングルとなりました(最高15位)。

サミー・ヘイガー時代のヒット

Why Can't This Be Love

1986年3月にリリースされたアルバム『5150』のリードシングルで、サミー・ヘイガー加入後初の作品です。キーボード主体の新たなサウンドは一部ファンから反発を招いたものの、ビルボード・ホット100で最高3位を記録し、バンドの新境地を切り拓きました。

Dreams

1986年5月に2枚目のシングルとしてリリースされ、ビルボード・ホット100で最高22位を記録しました。その後1995年公開の映画『Mighty Morphin Power Rangers: The Movie』のサウンドトラックに採用され、一世代後のファン層にもリーチしました。

Love Walks In

1986年7月28日にリリースされた『5150』収録の3枚目シングルで、バンドがサミー・ヘイガーと共作した最初の楽曲でもあります。ビルボード・ホット100で最高22位、ビルボード・メインストリームロックチャートで4位を記録し、パワーバラードとして高い評価を受けました。

ヴァン・ヘイレンの名曲はデイヴィッド・リー・ロス期の革新的なギターサウンドと、サミー・ヘイガー期のメロディアスなシンセワークが絶妙に融合したことで、ロックシーンに不朽の足跡を残しました。これらの楽曲は結成から50年以上を経た今もなお、新旧問わず多くのリスナーを魅了し続けています。彼らの音楽的冒険は、これからも世代を超えて愛され続けることでしょう。

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