PEラインとは?特徴・メリット・注意点をわかりやすく解説

はじめに:PEラインとはどんな釣り糸?

PEライン」とは、ポリエチレン(Polyethylene)繊維を編み込んで作られた釣り糸のことです。
従来のナイロンラインやフロロカーボンラインに比べて非常に細く・強く・軽いのが特徴。

特にルアーフィッシングやジギングなど、感度や飛距離を重視する釣りでは欠かせない存在になっています。


PEラインの構造

PEラインは、複数の極細繊維を編み込んで作られた「ブレイドライン(編み糸)」の一種です。
構造的に“モノフィラメント(1本糸)”であるナイロンやフロロとは異なります。

構造特徴
1本構造(ナイロン・フロロ)弾力があり、伸びる性質
編み構造(PEライン)伸びが少なく、強度が高い

繊維を4本、8本、12本、16本などで編み上げることで、滑らかさ・耐久性・感度が変化します。
編み本数が多いほど表面が滑らかになり、飛距離と感度がアップします。


PEラインの特徴とメリット

① 細くても強い

同じ強度のラインで比べると、ナイロンの約1/3~1/4の太さで済むため、
飛距離が伸び、より深場や広範囲を狙うことができます。

例:ナイロン3号(12lb) ≒ PE1号(約16lb相当)


② 伸びがほとんどない

PEラインは伸び率がほぼ0%に近いため、魚のアタリをダイレクトに感じ取れます。
そのため、感度が非常に高く、繊細な釣りに向いているとされています。


③ 飛距離が出やすい

糸が軽くて細いため、空気抵抗やガイド摩擦が少なく、ルアーを遠くまで飛ばしやすいです。
特にショアジギングやサーフゲームなどの遠投釣りに最適です。


④ 吸水しない

PE素材は水を吸わないため、長時間の使用でも劣化しにくく、強度が安定します。
海釣りでも性能が落ちにくいのがメリットです。


PEラインのデメリット・注意点

① 擦れに弱い(耐摩耗性が低い)

岩場や障害物(根・堤防など)に擦れると、簡単に切れてしまうことがあります。
そのため、先端に**リーダー(ショックリーダー)**を結ぶのが基本です。


② 結束が難しい

滑りやすい素材のため、ナイロンのように簡単に結んでもほどけやすいです。
PE専用ノット(FGノット・PRノットなど)でしっかり結ぶ必要があります。


③ 風に弱い

軽くて浮力があるため、風や波の影響を受けやすい傾向があります。
特に軽量ルアーを使う釣りでは、ラインメンディング(糸ふけの調整)が重要です。


PEラインの号数と強度の目安

号数強度(lb)主な用途
0.4〜0.6号6〜10lbアジング・メバリングなどのライトゲーム
0.8〜1.2号12〜20lbシーバス・エギング・チニング
1.5〜3号20〜40lbショアジギング・船のライトジギング
4号以上50lb〜オフショア・大物狙い・青物

※メーカーによって若干異なります。


PEラインのカラーとマーキング

PEラインには、視認性を高めるためのカラーバリエーションマーキングが施されています。

  • 単色タイプ:自然な見た目で魚に警戒されにくい(ライトゲーム向け)
  • 5色マーキングタイプ:10mごとに色が変わる。水深や距離の把握に便利(船釣り・ジギング向け)

PEラインのメンテナンス方法

  1. 使用後は真水で軽く洗う(塩分除去)
  2. 日陰でしっかり乾燥させる
  3. 巻き替えは3〜6か月を目安に(釣行頻度による)
  4. 紫外線の当たる場所で保管しない

丁寧にケアすれば、PEラインは長持ちします。


PEラインを使う釣りの代表例

  • シーバスフィッシング
  • エギング
  • タイラバ
  • ジギング
  • ショアキャスティング
  • バスフィッシング(近年ではPE使用も増加)

その高感度と強度から、現代のルアー釣りではスタンダードな選択肢になっています。


まとめ:PEラインは“高感度・高性能”な現代の釣り糸

PEラインは、「強くて細く・感度が高い」という理想的な性能を持った釣り糸です。
扱いには少しコツが必要ですが、正しいリーダーやノットを使えば、
初心者でもトラブルなく快適に釣りが楽しめます。

感度を重視するならPE、トラブルレス重視ならナイロン。
状況に合わせてラインを使い分けることで、釣りの幅がさらに広がるでしょう。