ジグとは?釣りの基本を支える“縦の釣り”ルアーの仕組みと魅力を解説

はじめに:ジグとはどんなルアー?

ジグ(Jig)」とは、金属製のルアー(メタルルアー)の一種で、
主に沈めてから竿やリール操作で上下に動かし、魚を誘うルアー
のことを指します。

シンプルな形ながら、海・川・湖のあらゆる釣りに対応できる万能ルアーとして知られています。
近年では、ショア(陸)でもオフショア(船)でも欠かせない存在となっています。


ジグの基本構造

ジグは非常にシンプルな構造をしていますが、実は細部に緻密な設計が施されています。

部位説明
ボディ金属素材で作られた本体部分。重さと形状で沈下スピードや動きが決まる。
アイラインやフックを取り付けるための穴(上部・下部に配置)。
フック魚を掛けるための針。アシストフックやトレブルフックを使用。
塗装・ホログラム光を反射して魚にアピール。カラーや反射角度も設計のポイント。

金属の重みを活かして素早く沈み、魚のいるレンジ(深さ)まで届くことが最大の特徴です。


ジグの種類

ジグには使用シーンや目的に合わせて複数の種類があります。

① メタルジグ(Metal Jig)

最も一般的なタイプ。金属製で沈下が速く、
キャスティング・ジギング問わず広く使用されます。

特徴

  • 遠投性に優れる(重くてよく飛ぶ)
  • 広範囲・深場の攻略が得意
  • 青物・ヒラメ・タイなど幅広い魚種に対応

用途

  • ショアジギング(陸から)
  • オフショアジギング(船から)

② ラバージグ(Rubber Jig)

金属ヘッドにラバー(ゴムのスカート)がついたタイプ。
特にブラックバス釣りで使われる定番ルアーです。

特徴

  • 水中でラバーがヒラヒラと揺れてリアルな誘い
  • 障害物の多いポイントでも根掛かりしにくい
  • ボトム(底)を攻める釣りに最適

用途

  • バス釣り、チニング、ロックフィッシュ

③ テンヤ(Jig Head with Hook)

ジグヘッドにエビなどのエサを刺して使うタイプ。
タイラバやタチウオテンヤなどの「ハイブリッドジグ」に分類されることもあります。

特徴

  • メタルジグとエサ釣りの中間的存在
  • ナチュラルな誘いが可能

ジグの基本的な使い方

ジグの操作(アクション)は釣りの種類によって異なりますが、
基本的な動きは「沈めて → 動かして → 食わせる」です。

① ジギング(縦の釣り)

船や堤防からジグを沈め、竿をシャクり上げながら巻く釣り方。
魚の反応する層を探りながら上下動で誘います。

アクション例

  • ワンピッチジャーク:1回シャクって1回巻く基本動作
  • スロージギング:ゆっくり誘う。低活性時に有効
  • ハイピッチジギング:素早く動かし、反射的に食わせる

② キャスティング(横の釣り)

陸(ショア)や船からジグを遠投し、
中層〜ボトムを狙いながらリトリーブ(巻き取り)します。

アクション例

  • リフト&フォール:竿で上げて沈める動作の繰り返し
  • ただ巻き:一定スピードで巻くことでナチュラルに泳がせる
  • スイミング:中層を意識してジグを水平に泳がせる

ジグの重さと形状の選び方

状況おすすめの重さ理由
風が強い・潮が速い重め(60g〜120g)飛距離・沈下速度を確保
浅場・小型魚狙い軽め(10g〜40g)ナチュラルな動きで誘える
船釣り(深場)100g〜300g早くボトムを取れる
陸っぱりショアジギング30g〜80g遠投と操作性のバランスが良い

形状も重要で、細長いタイプはフォールが速く
扁平型はヒラヒラとスローに落ちるため、魚の反応で使い分けます。


ジグで狙える主な魚種

フィールド主なターゲット魚種
海(ショア)ブリ、カンパチ、ヒラメ、マゴチ、シーバス
船(オフショア)カンパチ、マダイ、ヒラマサ、タチウオ
淡水ブラックバス、トラウト、スモールマウス

特に青物(ブリ・ヒラマサなど)はジグとの相性が非常に良く、
**「青物=ジギング」**といわれるほど代表的な釣法です。


ジグのカラー選びのポイント

水質・天候おすすめカラー理由
晴天・クリアウォーターシルバー・ブルー系自然な反射で違和感を与えにくい
曇天・濁り水ゴールド・チャート系光の少ない状況でも目立つ
夜間・深場グロー(発光)暗闇でアピールできる
ベイトが小魚イワシカラー(ブルー×シルバー)最も汎用性が高い

カラーは「魚が食べているベイト(エサ)」を意識するのが基本です。


ジグのメリット・デメリット

メリットデメリット
飛距離が出て深場も狙える根掛かりしやすい
魚種・場所を選ばず使える魚がスレると見切られやすい
アクションが自由で攻略性が高い操作に慣れが必要
丈夫で長持ちする重いため初心者には少し疲れることも

メンテナンスと保管のポイント

  • 使用後は真水で洗い、塩分を除去
  • フックはサビやすいので乾燥後に軽くオイルを塗布
  • フックが甘くなったら早めに交換
  • 収納時はケース内で金属同士がぶつからないように仕切る

しっかりメンテナンスすれば、1つのジグを何年も使用できます。


まとめ:ジグは「沈めて誘う」万能ルアー

ジグは、シンプルな構造ながら釣りの自由度が非常に高いルアーです。
沈めて動かすだけで、水深・潮流・魚種に柔軟に対応でき、
初心者でも「投げて落として巻く」だけで釣果を出せるポテンシャルを秘めています。

ショアでも船でも、狙う魚は無限大。
ジグはまさに、“縦の釣り”を制する万能ルアーです。