釣り竿のお手入れの仕方|長持ちさせるための正しいメンテナンス完全ガイド
1. はじめに:釣り竿のお手入れは“釣り人の基本マナー”
釣り竿は、釣り人にとって最も重要な道具のひとつ。
しかし、「釣った後にそのまま放置している」という人も少なくありません。
実は、釣り竿のお手入れを怠ると寿命が一気に縮みます。
海水や砂、湿気が原因でサビや劣化が進み、最悪の場合、次回の釣行時に竿が折れてしまうこともあります。
このコラムでは、初心者でも簡単にできる「釣り竿のお手入れ方法」をステップごとに解説します。
淡水・海水、どちらの釣りにも対応しています。
2. お手入れが必要な理由
釣り竿を使った後には、見えない汚れやダメージが必ず残っています。
特に海釣りでは、塩分が最大の敵です。
お手入れをしないと起こるトラブル例
- ガイド(金属リング)がサビてラインが切れやすくなる
- 継ぎ目(ジョイント部)が固着して抜けなくなる
- グリップがカビたりベタつく
- ブランクス(竿本体)がひび割れや変色
釣り竿は丁寧に扱えば何年も使える道具です。
逆に言えば、メンテナンスを怠ると数回の釣行で性能が落ちてしまうこともあります。
3. 釣行後のお手入れ手順(基本編)
釣りの帰宅後、できればその日のうちにお手入れを行うのが理想です。
ここでは、最も基本的なメンテナンス方法を紹介します。
【STEP1】 竿を分解する
- 継ぎ竿の場合は、無理に引っ張らずにひねって抜く。
- 固いときは、濡れタオルを巻いて少し温めると抜けやすくなります。
- 抜いた後は、各パーツを並べて置き、向きを覚えておきましょう。
【STEP2】 真水で全体を洗う
- シャワーやホースでやさしく真水をかけ流す。
- 海釣り後は特にガイドやリールシート部分に塩分が残りやすいので、念入りに洗います。
- ゴシゴシ擦らず、スポンジや柔らかい布で軽く拭う程度でOK。
【STEP3】 柔らかい布で水気を拭き取る
- タオルで丁寧に水気を拭き取りましょう。
- 特にガイドリングや継ぎ目は水が溜まりやすいので、細い綿棒やティッシュを使うと効果的です。
【STEP4】 日陰でしっかり乾かす
- 直射日光は避け、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。
- 竿を立てかけるときは、ティップ(穂先)に負担がかからないよう注意。
4. 部位別のお手入れポイント
▶ ガイド(金属リング)
ガイドは最もサビやすい部分。
乾燥後に綿棒でリング内を軽く拭き取ると、ライン摩耗を防げます。
もし潮の白い跡が残っている場合は、中性洗剤を薄めた水で再度拭くときれいになります。
▶ 継ぎ目(ジョイント)
ジョイント部は、砂や塩が噛むと次回外せなくなります。
乾燥後に、**ロッドフェルールワックス(竿用ワックス)**を薄く塗ると抜き差しがスムーズになります。
▶ グリップ
EVA素材やコルクグリップは、汚れや手の脂が付きやすい部分。
- EVA:中性洗剤を薄めた水で軽く拭き取る
- コルク:柔らかい歯ブラシで優しくこすり、乾燥後に保湿剤を少量塗る
▶ ブランクス(竿本体)
ブランクスは見た目の光沢だけでなく、感度にも影響します。
乾燥後、シリコンスプレーを軽く吹きかけて拭き上げると艶が戻り、汚れ防止にもなります。
5. 釣り竿の保管方法
せっかくきれいにした釣り竿も、保管環境が悪いと台無しになります。
以下のポイントを守りましょう。
✅ 保管のコツ
- 直射日光・高温多湿を避ける(押入れや車内はNG)
- 立てかけるときはティップが上になるようにする
- 長期間使わない場合は、竿袋やケースに入れて保管
- 定期的に取り出して風を通すとカビ防止になります
特に海沿いの地域では、空気中の塩分でも金属部がサビるため、密閉よりも「通気性のよい保管」が理想です。
6. 定期メンテナンスで寿命を延ばす
釣行後の洗浄だけでなく、シーズンごとの点検も大切です。
🔹 3ヶ月に1回チェックするポイント
- ガイドのリング割れ・サビ
- 継ぎ目のゆるみや変形
- リールシートの固定不良
- ブランクスの小傷
小さな傷でも放置すると、魚とのファイト時に破損の原因になります。
早めに修理・交換することで、トラブルを防ぎましょう。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 海釣りの竿は毎回洗うべき?
→ はい。海水は非常に腐食性が高いため、使用後は必ず真水で洗ってください。
1回の釣行でも塩が固着すると、ガイドやリールシートがサビつきます。
Q2. シリコンスプレーはどんな製品がいい?
→ 釣具専用のものが最適ですが、ホームセンターの無溶剤タイプでも代用可能です。
溶剤入りは塗装を痛める場合があるので注意。
Q3. 折れた竿は修理できる?
→ 軽度の破損ならメーカー修理や補修キットで対応できますが、根元から折れた場合は買い替えが安全です。
8. まとめ:お手入れは「次の1本を守る」ための投資
釣り竿は、使えば使うほど自分の手になじむ“相棒”のような存在。
その相棒を長く使うためには、毎回のお手入れと正しい保管が欠かせません。
- 使用後は分解して真水で洗う
- 柔らかい布で拭き取り、陰干しで乾燥
- 定期的にガイドや継ぎ目をチェック
- 保管は通気性の良い場所で
この4つを習慣化するだけで、竿の寿命は何倍にも伸びます。
道具を大切に扱う釣り人こそ、最終的に釣果にも恵まれるものです。


