Small Facesのオリジナルアナログレコード厳選3選とコレクションの極意【60年代ブリティッシュロック名盤解説】
Small Facesのレコードおすすめ解説コラム
1960年代のイギリスを代表するモッズ・ロックバンド「Small Faces」。スティーヴ・マリオット、ロン・ウッド(後のローリング・ストーンズのメンバー)、ケニー・ジョーンズらが在籍し、その独自の音楽性と個性的なサウンドで多くのファンを魅了しました。特にレコード収集家にとっては、Small Facesのオリジナルアナログ盤は音質・デザイン・歴史的価値の観点から非常に魅力的です。
本コラムでは、Small Facesのレコードに焦点をあて、特におすすめのタイトルや入手のポイント、盤の状態やバージョン違いについて詳しく解説します。CDやデジタル配信では味わえないアナログレコードの魅力を理解して、ぜひコレクションに加えてみてください。
Small Facesのレコードの魅力とは?
Small Facesのレコードがなぜコレクターや音楽ファンに支持されるのか、その理由は以下のようにまとめられます。
- 時代を象徴するサウンド:60年代のブリティッシュ・ロックを体現したサウンドで、モッズカルチャーの代名詞的存在。
- アナログならではの温かみと迫力:オリジナルマスターテープからプレスされたレコードはデジタルにはない深みのある音を楽しめる。
- ジャケットデザインの美しさ:当時の流行やアートワークを反映したジャケットは、ヴィンテージレコードとしても価値が高い。
- 限定プレスや初回盤の希少性:一部の初版プレスは入手困難で、高いプレミアム価値を持つ。
おすすめ① 『Small Faces』(1966年・UKオリジナルLP)
Small Facesのデビューアルバム『Small Faces』(1966年)は、彼らの初期のエネルギッシュなロックンロールを堪能できる名盤です。UKのDeccaレーベルからリリースされたこのアナログLPは、シングル「Sha-La-La-La-Lee」や「Whatcha Gonna Do About It」など多彩な楽曲を収録しています。
ポイント:
- マトリクス番号:オリジナル盤は特にマトリクス番号(レコードの溝に刻印された製造番号)が重要で、デジタルリイシューでは聞けない音質の良さが特徴。
- ジャケット:初回7001番はスリーブの紙質も厚く、折れやすい点に注意しつつ保存状態によって価値が変わる。
- サウンドクオリティ:Deccaのプレスはクリアかつ暖かみがあり、60年代のギターサウンドやボーカルの息づかいが如実に伝わる。
中古市場では状態の良いオリジナルプレスが徐々に姿を消しつつあります。盤質が「VG++(ベリーグッドプラス)」以上の物を狙いたいところです。
おすすめ② 『Small Faces』(Immediate Records, 1967年・UKオリジナルLP)
2ndアルバムとして知られる『Small Faces』(通称“Immediate盤”) は、1967年にインディペンデントレーベルのImmediate Recordsから発売されました。バンドの音楽的な深化と実験的な要素が特徴であり、名作「Here Come The Nice」「Itchycoo Park」などを多数収録しています。
- Immediateレーベル特有のオレンジ&黒ラベルはこの盤の大きな特徴で、コレクターから高く評価されているポイント。
- ジャケットもカラフルで60年代サイケデリックの雰囲気を捉えており、そのオリジナルスリーブは価値が高い。
- レーベル盤情報
- マトリクス番号によってオリジナル・プレスの判別が可能。特に「Immediate M-11」と刻印されていれば初版とされる。
このアルバムはサブスクやCDにもリマスター版が多いですが、オリジナル・プレスの重量盤アナログレコードならではの厚みのある音響が楽しめるため、高音質なファンはレコード購入を強くおすすめします。
おすすめ③ 『Ogden’s Nut Gone Flake』(1968年・UKオリジナルLP)
Small Facesの最高傑作とも言われるコンセプトアルバム『Ogden’s Nut Gone Flake』(1968年)は、その独創的な内容と豪華ジャケットで知られています。丸い形の特殊ジャケット(丸十字ジャケット)仕様のオリジナル盤は、ヴィンテージ市場で非常に高い人気を誇ります。
- ジャケットの形状が円形という珍しいもので、コレクターアイテムとしての価値が高い。
- ラベルデザインも特別な仕様がされており、音質も当時としては最高レベル。
- 収録曲:「Lazy Sunday」や「The Journey」など小話をはさみながらストーリー性を持たせた作品。
状態の良い角の折れやシミのないオリジナル盤は希少であり、購入時には盤のソリやノイズの確認が不可欠です。また、真贋見分けも難しいため信頼できるショップや専門家の意見は重要です。
Small Facesレコード収集のポイント
Small Facesのレコードを収集するときは下記のポイントを押さえることが特に重要です。
- オリジナル盤かリイシューかの見極め:ジャケット裏やレーベルの印刷、マトリクス番号を詳細にチェックしましょう。リイシューは音質と価値が大きく異なります。
- 盤質(グレード)の目視と聴取:キズやヒスノイズが多いレコードは音質に影響します。できれば試聴可能な状態での購入が望ましい。
- ジャケットの劣化や破損の有無:紙質の劣化による変色やシワ、破れもプレミアに影響。特に丸ジャケット等の特殊仕様は慎重に扱いましょう。
- 信頼できる販売ルートの選択:有名なレコード専門店や信頼度の高いオークションサイト、ヴィンテージレコードフェアでの購入がおすすめ。
まとめ
Small Facesは60年代のブリティッシュロックの重要バンドとして、そのオリジナルアナログレコードは音楽史的価値とともに収集家からの人気が根強いです。特にデビューアルバムのDecca盤、2ndアルバムのImmediate盤、そしてコンセプトアルバム「Ogden’s Nut Gone Flake」は、それぞれに独自の魅力と希少性を持っており、アナログレコードの音の温かみと当時の音楽的革新を体験できます。
レコードを選ぶ際はオリジナル判別と盤質に注意し、信頼できるショップから手に入れること。これによって、格別な鑑賞体験と将来的な資産価値を享受できるでしょう。Small Facesのレコードは単なる音源ではなく、60年代の熱気や独創性を今に伝える文化遺産です。ぜひあなたのコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。


