アスファルト混合物とは?種類・特徴・使い分けを徹底解説|道路舗装の基本をわかりやすく紹介
道路舗装の現場で最も多く使われている材料が**アスファルト混合物(アスコン)**です。
私たちが普段走っている道路は、ほぼすべてがアスコンで構成されており、舗装の耐久性や快適性に直結する重要な舗装材料です。
本記事では、アスファルト混合物の基本構成、種類、製造方法、用途、品質管理まで、初心者でも理解できるように丁寧に解説します。
アスファルト混合物とは?
アスファルト混合物とは、アスファルトと骨材(砂・砕石など)を適切な割合で混ぜ合わせて製造される舗装用材料の総称です。
アスファルトが“接着剤”の役割を果たし、骨材を結合させて固い舗装層を形成します。
アスコンは主に道路の
- 表層(最上層)
- 基層(中間層)
- Asベース(支持層)
などに使用され、用途に応じて様々な種類が存在します。
アスファルト混合物の基本材料
アスコンは主に以下の材料で構成されます。
● アスファルト(バインダー)
石油由来の黒色粘性物質で、骨材同士を結合させる役割。
● 粗骨材(砕石)
強度を支える主要骨材。
● 細骨材(砂)
骨材間を埋め、密実性を高める。
● フィラー(石粉)
隙間を埋め、混合物の安定性向上に寄与。
● 添加剤(必要に応じて)
高粘度改質剤、再生添加剤、耐流動性剤など。
これらを一定の粒度構成で混合して作られるのがアスファルト混合物です。
アスファルト混合物の代表的な種類
アスコンには多くの種類がありますが、代表的なものを用途別にまとめると次の通りです。
◆ 1. 密粒度アスファルト混合物(密粒度アスコン)
最も一般的なアスコンで、表層・基層ともに使用。
特徴:
- 強度・耐久性に優れる
- 交通量が多い道路でも使用
- 仕上がりが滑らかで走行性が良い
◆ 2. 開粒度アスファルト混合物(開粒度アスコン)
粗骨材が多く、隙間を大きくした混合物。
特徴:
- 排水性が高い
- 夜間の視認性向上(ハイドロプレーニング抑制)
- 騒音低減効果あり
排水性舗装として有名。
◆ 3. 粒度調整アスファルト混合物
粒度を調整して耐久性を確保した混合物で、基層や支持層に使われる。
◆ 4. 舗装用再生アスファルト混合物(再生アスコン)
既設舗装から回収した再生骨材(RAP)を使用。
特徴:
- 環境にやさしい
- コスト削減
- 品質は通常のアスコンとほぼ同等
◆ 5. 高機能アスファルト混合物(改質アスコン)
改質アスファルトを使用し、高温流動や低温ひび割れに強い。
用途:
- 交通量が非常に多い道路
- バス停舗装
- 空港滑走路など
アスファルト混合物の製造方法
アスコンはアスファルトプラント(合材工場)で製造されます。
製造工程(一般)
- 骨材の加熱
- アスファルトの加熱
- 混合(規定配合でミキサーにて合材化)
- ダンプ車で現場へ搬出
- 舗設(フィニッシャーで敷均し)
- 転圧(ローラーで密実化)
製造から敷設までの温度管理が品質を左右します。
アスファルト混合物の特性
● 耐久性
交通荷重や気温変化に強い。
● 施工性
温度が下がる前に敷均し・転圧が必要。
● 防水性
雨水が浸透しにくい(密粒度の場合)。
● 維持管理が容易
補修や打ち換えが比較的簡単。
アスファルト混合物の使用用途
- 国道・県道・市道
- 生活道路
- 駐車場
- 歩道・自転車道
- 造成地の舗装
- 工場内道路
- 空港舗装 など
用途に応じて適切な混合物が選択されます。
アスファルト混合物の品質管理
アスコン工事では、材料品質・施工品質の両方が重要です。
代表的な管理項目は次の通りです。
● 合材温度
低すぎると締固め不可、高すぎると劣化。
● 散布乳剤(タックコート)の管理
層間剥離を防ぐ。
● 舗設厚さ
設計厚を確保。
● 転圧回数と温度
適温で十分に締固めることが必要。
まとめ
アスファルト混合物は、道路舗装の基本となる材料であり、アスファルトと骨材を混ぜ合わせて作られる強度・耐久性の高い舗装材です。
密粒度、開粒度、再生アスコン、高機能アスコンなどさまざまな種類があり、道路の用途・交通量・環境条件に応じて使い分けられます。
舗装の品質は、材料選定・製造・施工管理のすべてが揃って初めて実現するものです。
参考文献(クリック可能リンク)
- https://www.japa.or.jp/(日本アスファルト協会)
- https://www.jsce.or.jp/(土木学会)
- https://www.mlit.go.jp/(国土交通省 道路局)
- https://www.nilim.go.jp/(国土技術政策総合研究所)


