Mild High Club(マイルド・ハイ・クラブ)入門:代表作・サウンドの特徴と聴きどころガイド
Mild High Club:プロフィール概観
Mild High Club(マイルド・ハイ・クラブ)は、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動する音楽プロジェクトで、中心人物はシンガーソングライター/プロデューサーのアレクサンダー・ブレッティン(Alexander Brettin)です。ソロワークとバンド編成の両方で活動しており、2010年代中盤以降、ジャズやソフトロック、サイケデリックポップを横断する独自のサウンドで注目を集めました。
サウンドの特徴と魅力
Mild High Club の音楽は、過去のポップ/ジャズ的要素と現代的な感性を融合させた点に大きな魅力があります。以下の要素が特に顕著です。
- 和音感(ハーモニー)の豊かさ:ジャズやビーチボーイズ的なハーモニー、テンションコードやテンションの扱いが巧みで、耳に残るコード進行を多用します。
- 温かみのあるプロダクション:リバーブやテープ的な質感、アナログ鍵盤(ローズやオルガン)を活かした質感で「懐かしさ」と「現代性」を両立します。
- ゆったりしたテンポ感と柔らかい歌声:落ち着いたテンポ、ささやくようなボーカルが作る脱力感が聴く者を包み込み、日常からの穏やかな逃避を提供します。
- ジャンルの横断性:サイケ、ソフトロック、ラウンジ、モダンジャズ、ドリームポップなどを違和感なく混ぜ、聴き手の幅を広げます。
- 緻密なアレンジ:管楽器や弦、メロウなギター・フレーズなどを効果的に配し、シンプルに聴かせる一方で細部に職人的な工夫があります。
作曲・プロダクション面の魅力
アレクサンダー・ブレッティンは作曲家兼プロデューサーとして、以下のような点で評価されています。
- メロディとコードの結びつけが柔軟で、シンプルなフレーズでも和声的に豊かな余韻を残す。
- レトロな音色を現代的に再解釈するセンス。懐かしい楽器や音色を使いつつ、決して過去のコピーに留まらない。
- コラボレーションを通じた音楽的冒険心。ジャンルや場面に応じてサウンドを拡張させる柔軟さがある。
代表的な作品と聴きどころ
以下は入門者にもおすすめできる代表作と、そのポイントです。
- Timeline(2015):Mild High Club 名義での初期作。プロジェクトの核となるメロウでサイケデリックな感性が垣間見えます。ゆったりとした曲構成と独特の和声が特徴。
- Skiptracing(2016):国外でも話題になった作品。豊かなアレンジと洗練されたプロダクションで、彼の持つ“懐かしくも新しい”サウンドが完成形に近づいたアルバムです。代表曲の一つ「Homage」など、親しみやすいメロディが並びます。
- Sketches of Brunswick East(2017)(King Gizzard & The Lizard Wizardとの共同):サイケ/ジャズ/ロックの境界をさらに拡張したコラボレーション作。異なる音楽性を持つアーティスト同士の化学反応が楽しめます。
- Going, Going, Gone(2021):より成熟したソングライティングと幅広い音楽性を感じさせる作品。リラックスしたサウンドと繊細な心象風景が組み合わさっています。
ライブ・パフォーマンスの見どころ
スタジオ作品での緻密なアレンジを、ライブではバンドで拡張したり即興的に変化させたりすることが多く、生演奏ならではの空気感を強めます。ゆったりとした曲が中心ですが、演奏の密度や楽器間のアンサンブルがライブの魅力を高めます。
影響・位置づけ
Mild High Club は、同時代のサイケデリック・リヴァイヴァルやインディー・ポップの流れの中で独自の位置を築いています。Steely Dan や Burt Bacharach、60〜70年代のソフトロックやジャズの影響が感じられる一方で、Tame Impala など現代のサイケ系アーティストと共鳴する要素もあります。コラボレーションやプロデュース能力により、同世代や若手アーティストとの接点も多く、ジャンル横断的な動きをしています。
聴くときのおすすめシチュエーション
- 夜のリラックスタイムや読書のお供に合う穏やかなBGMとして。
- ドライブ中の景色に寄り添う心地よいサウンドトラックとして。
- 集中作業時の背景音楽として、気分を落ち着けつつも単調にならない選択肢として。
まとめ — なぜ多くのリスナーを惹きつけるのか
Mild High Club の魅力は「懐かしさ」と「新しさ」のバランス、そして緻密に作り込まれたハーモニーと温かみのあるプロダクションにあります。ボーダーレスなジャンル感覚と高いソングライティング能力により、幅広いリスナー層にしっくりと馴染む音楽を作り続けています。ゆったりと身を委ねられるサウンドを探している人にとって、彼らの作品は何度でも聴き返したくなる魅力を持っています。
参考文献
- Mild High Club - Wikipedia
- Mild High Club | Stones Throw Records
- Pitchfork — Review: Mild High Club: Skiptracing
- AllMusic — Mild High Club Biography
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