Anderson .Paakをレコードで聴くべき代表作6枚|名盤の聴きどころと購入ガイド
はじめに — Anderson .Paak をレコードで楽しむ理由
Anderson .Paak(アンダーソン・パーク)は、ソウル、ファンク、ヒップホップ、R&B を自在に横断するシンガー/ラッパー/ドラマー。ステージングやレコーディングでも生楽器の温度感を重視するため、レコードで聴くとその“生々しさ”や演奏感が際立ちます。本稿では、彼の代表作と名盤—ソロ作、コラボ作含め—をピックアップして一枚ずつ深掘りし、何を聴き取るべきか、どの曲がハイライトかを解説します。
おすすめレコード一覧(概観)
- Venice (2014) — 初期衝動と素朴さが魅力
- Malibu (2016) — ブレイクスルー作。彼の音楽的パレットが広がる名盤
- Yes Lawd!(NxWorries、2016) — Knxwledge とのコラボで生まれた実験的ソウル
- Oxnard (2018) — 大物プロデューサー陣を迎えた野心作
- Ventura (2019) — ソウル寄りの円熟。Malibu の精神的続編とも言える1枚
- An Evening with Silk Sonic(Silk Sonic、2021) — ブルーノ・マーズとの共作でレトロなソウル/R&B を現代に蘇らせる
Venice(2014) — 原点と素朴なスウィング
概要:独立〜初期の名刺代わりとなる作品。ジャズ、チルなビート、ラップが混ざり合う素朴な構成で、ライブ感と即興性が光ります。
- 聴きどころ:「Miss Right」「Drugs」などで垣間見えるグルーヴ感とスネアの生っぽさ
- なぜレコードで聴くべきか:粗さのあるトラックと声の温度がよりリアルに伝わり、若き日の衝動が強く感じられます
Malibu(2016) — ブレイクスルー、音楽的多面性の提示
概要:批評面でも高評価を受け、彼の名を広めた代表作。ソウル、ファンク、ヒップホップ、R&B、ジャズ的なアレンジが混在し、1枚で彼の音楽的素養を確認できます。プロダクションは温かく、楽器感を大事にした作り。
- ハイライト曲:「Come Down」— ファンク〜ロック的な躍動感、「Am I Wrong」— 透き通るメロウネス、「The Season / Carry Me」— 曲の構成美
- 聴きどころ:ヴォーカルの息づかい、ブラスやギターのアンビエンス。曲間のダイナミクスが豊富でLPでのA/B面を通して聴くとアルバム構成の巧みさが際立ちます
Yes Lawd!(NxWorries、2016) — Knxwledge と作る泥臭くも緻密なソウル
概要:プロデューサーKnxwledge とのユニット NxWorries によるアルバム。Lo-fi 的サンプル感と、生楽器とヴォーカルの混ざりが魅力。
- ハイライト曲:「Suede」— シンプルかつ中毒性の高いフック、「Lyk Dis」— グルーヴ重視のトラック
- なぜ注目か:ソロ作よりも“トラックの凹凸”や音の質感が前面に出ていて、レコードの持つ温度感と好相性です
Oxnard(2018) — 大作志向とプロダクションの厚み
概要:Dr. Dre をはじめとする大物プロデューサー陣が参加し、より大仰でストレートなプロダクションに挑んだ作品。ポップス寄りの露出を増やした一方で、彼のプレイフルな側面や社会的な側面も顔を出します。
- ハイライト曲:「Tints」「Who R U?」「Bubblin」— 多彩なゲストと変化に富んだ楽曲群
- 聴きどころ:アレンジの重層性。厚いストリングスやホーン、ビートの重みが増しており、盤で力強く鳴らすとその“層”がより明確になります
Ventura(2019) — ソウルへの回帰と円熟
概要:Oxnard の流れを受けつつも、よりクラシックなソウル/R&B に寄せた作品。温度感が穏やかになり、楽曲の歌ものとしての完成度が高いアルバムです。
- ハイライト曲:「Make It Better」「King James」「Come Home」— メロウで聴かせるトラックが中心
- なぜ名盤か:楽曲の“耳に残るメロディ”と、歌唱表現の幅が広がったこと。アルバム全体が有機的にまとまっていて、LPで楽しむと曲と曲の流れの心地よさが際立ちます
An Evening with Silk Sonic(Silk Sonic、2021) — レトロ・ソウルの現代再解釈
概要:Bruno Mars と結成した Silk Sonic によるアルバム。本物志向のレトロなソウル/R&B を現代に甦らせ、ディテールまで作り込まれたアナログ感が魅力。
- ハイライト曲:「Leave the Door Open」— 極上のバラード、「Skate」— ファンキーでダンサブル
- 聴きどころ:時代性を再現したアレンジやコーラス、ステップを踏むようなリズム。ジャズやヴィンテージR&B好きにも刺さる仕上がりです
購入ガイド的な視点(どの盤を選ぶか)
・入門:まずは「Malibu」。彼の音楽性を最も広く、まとまって味わえるため。
・ソウル寄りを深掘りしたいなら「Ventura」。
・プロダクションや大作志向を味わうなら「Oxnard」。
・コラボや実験的な側面を楽しみたいなら NxWorries「Yes Lawd!」や Silk Sonic の「An Evening with Silk Sonic」も必聴です。
聴き方の提案(アルバムごとの“聴く場面”)
- Malibu:夜のドライヴや深夜のリラックスタイムに。歌詞の情景描写を追うと味わい深い。
- Ventura:友人との落ち着いた会話や家でのディナータイムに合う、気取らないソウル。
- Oxnard:パーティーやテンションを上げたい時間帯に。重厚なビートが映えます。
- Silk Sonic:レトロなムードでしっとり聴きたい夜。デートにも最適。
最後に — Anderson .Paak の魅力とは
彼の魅力はジャンルの横断性と“人が演奏している”という感触の両立にあります。どの作品にも生演奏の温かみ、即興的な息づかいが残っており、アナログのフォーマットで聴くとそれがよりダイレクトに届きます。本稿で挙げたアルバムはどれも個性が強く、それぞれ別の顔を見せるので、コレクションとして揃えて楽しむ価値が高いです。
参考文献
- Anderson .Paak — Wikipedia
- Anderson .Paak — AllMusic プロフィール
- Malibu — AllMusic
- Oxnard — AllMusic
- Ventura — AllMusic
- An Evening with Silk Sonic — Wikipedia
- Yes Lawd!(NxWorries) — Wikipedia
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