Stevie Ray Vaughan(SRV)おすすめレコード7選|入門〜コアファン必聴の名盤を深掘り解説
Stevie Ray Vaughan — おすすめレコード 深堀コラム
Stevie Ray Vaughan(ステイヴィー・レイ・ヴォーン、通称SRV)は、1980年代にシーンを牽引したアメリカのブルース・ロック・ギタリスト/シンガーです。テキサス・ブルースの伝統にヘヴィなロック感とジミ・ヘンドリックスへの敬意を融合させた演奏は、ギター・フレーズのダイナミクス、トーン、スピリットにおいて今なお多くのプレイヤーに影響を与えています。本コラムでは、SRV入門〜コア・ファンまで押さえておきたいおすすめのレコードをピックアップし、背景・聴きどころ・代表曲を深掘りして解説します。
1. Texas Flood(1983)
メジャー・デビュー作にして名盤。ブルース古典のカバーとオリジナル曲がバランスよく配置され、SRVのギター・トーンと歌の魅力が一気に示された作品です。プロデューサーはJim Gaines。バンドはDouble Trouble(Tommy Shannon/Chris Layton)。
- 代表曲:Pride and Joy(代表的なロカビリーブルース・ナンバー)、Texas Flood(感情深いスローブルースのカバー)、Love Struck Baby(ロック寄りのアップテンポ)
- 聴きどころ:ヘヴィかつクリアなストラトトーン、ミュートとベンドを駆使したフレーズ、歌とギターのシンフォニー。ブルースの“語り”としてのギター表現を体感できます。
- おすすめポイント:SRVを初めて聴くならまずはこれ。バンドのまとまりと楽曲の幅が分かりやすい。
2. Couldn't Stand the Weather(1984)
デビュー作の成功を受けての2作目。よりロック的な側面と実験的なアプローチが増し、スピード感のある演奏や変拍子的な展開も見られます。タイトル曲はインストゥルメンタル寄りの演出が印象的です。
- 代表曲:Couldn't Stand the Weather(迫力あるオープニング)、Cold Shot(グルーヴ重視のミディアム)、Tin Pan Alley(エモーショナルなブルース・カバー)
- 聴きどころ:ヘンドリックスの影響を強く感じさせるギター運用、ダイナミックなバンド・アンサンブル。ライブでの高揚感をスタジオ盤で体現しています。
- おすすめポイント:STUDIOでのテクニカルな挑戦とロック寄りのアレンジを楽しみたい人向け。
3. Soul to Soul(1985)
バンドにキーボード奏者(Reese Wynans)が加わり、サウンドに厚みが出てきた作品。ソウルフルな要素、メロウな曲調も増え、SRVの表現力の幅が広がったことを示すアルバムです。
- 代表曲:Change It(ファンキーでソウルフル)、Look at Little Sister(ロック寄り)、You'll Be Mine(情感豊かなナンバー)
- 聴きどころ:オルガン/ピアノの導入で、よりR&B寄りのグルーヴが強調されています。ギター・プレイはより抑揚と表情重視に。
- おすすめポイント:SRVの“歌心”やバンド・アンサンブルを堪能したい人に最適。
4. Live Alive(1986)
ライブ盤としてリリースされた作品。SRVのライブにおけるテンションと即興性がよく出ており、スタジオ盤とは違う魅力を伝えます。リリース後にスタジオ編集・オーバーダブがあったことでも知られていますが、演奏そのもののエネルギーは強烈です。
- 代表曲:Tell Me(スローブルースでの情感)、Voodoo Child(ヘンドリックスのカバー〜ライブならではの火花)
- 聴きどころ:ソロの長さ、即興フレーズの発展、バンドのレスポンス。ライブ特有の緊張感と観客の熱気が伝わります。
- おすすめポイント:SRVのライブ・ダイナミクスを経験したい人、スタジオ録音とは別の“生の力”を求める人に。
5. In Step(1989)
SRVのキャリアにおける成熟作。私生活や葛藤を経て作られたアルバムで、楽曲の完成度・アレンジが高く、1989年のグラミー受賞にもつながりました。バラードからロックまでバランス良く収録されています。
- 代表曲:Crossfire(キャッチーで幅広い支持を得たシングル)、Tightrope(ドラマティックな構成)、Riviera Paradise(インストゥルメンタルで美しいメロディ)
- 聴きどころ:表現のレンジが広がったギター、繊細さと爆発力の共存。特にインスト曲でのメロディ・センスは必聴。
- おすすめポイント:SRVの“成熟した”側面を味わいたい人、歌詞と音楽のバランスを重視する人におすすめ。
6. The Sky Is Crying(1991)
SRVの死後に編集・リリースされたアルバムで、アウトテイクやカバーを中心に収められています。悲しみと同時にその音楽的深さが改めて浮かび上がる一枚です。
- 代表曲:The Sky Is Crying(感情のこもったブルース・カバー)、Little Wing(ヘンドリックス・カバー)、Life by the Drop(小品ながら印象的なスライド入りの楽曲)
- 聴きどころ:スタジオ未発表曲やライブテイクが含まれ、SRVの多彩さと深みを補完するコレクション的価値があります。
- おすすめポイント:未発表/レア曲を通してSRVの隠れた側面を知りたいファン向け。
7. The Vaughan Brothers — Family Style(推薦)
SRVと兄のJimmie Vaughanによる共作アルバム。兄弟ならではのコンビネーションと、SRVのルーツに近いブルース/ロックの素地が感じられる作品です。アルバムとしての趣はソロ作とは異なり、より親しみやすい歌物が多いのが特徴。
- 代表曲:D/FW、Tick Tock(アルバム内での印象的なやり取り)
- 聴きどころ:ヴォーカルの掛け合いやギターの相互作用。SRVの“地元感”や家族的な音楽性が楽しめます。
- おすすめポイント:SRVの別側面や、Jimmieとの相互作用を味わいたい人に。
入門者向けの聴き方・おすすめリスニング順
- はじめて聴くなら:Texas Flood → Couldn't Stand the Weather → In Step(デビュー作で基礎を理解し、2作目で発展、In Stepで成熟を見る)
- ライブ感を堪能したいなら:Live Alive を挟む(スタジオ盤→ライブ→ソウルフルな作品の順で演奏の幅を実感)
- 深掘り:The Sky Is Crying や Family Style で未発表曲やコラボをチェックすると、SRVの多面性が見えてきます。
聴くときに注目してほしいポイント(音楽的な視点)
- フレージング:同じフレーズでも微妙に変化させる“語る”ような表現を観察すると、SRVの個性がより鮮明になります。
- トーンの使い分け:クリーン寄りのシグネチャー・トーンから、歪みを効かせた攻撃的なトーンまで、曲ごとの使い分けに注目してください。
- ダイナミクス:一音一音の強弱や空間の作り方(休符の使い方)で感情を伝える手法が随所にあります。
- バンドとの対話:Double Troubleとの相互反応、キーボードの有無で曲の表情が大きく変わる点も面白いです。
どの盤(エディション)を選ぶか
オリジナルのLPや初期CDは当時の音作りを味わえる一方、リマスター盤は音の解像度や低域のバランスが改善されています。まずはリマスターやベストで全体像を掴み、気に入ったアルバムはオリジナル盤や高音質盤でコレクションする、という順序が無難です。
まとめ
Stevie Ray Vaughanはテキサス・ブルースの伝統を受け継ぎつつ、ロックのダイナミズムと即興性を兼ね備えたギタリストです。本稿で挙げた「Texas Flood」「Couldn't Stand the Weather」「Soul to Soul」「In Step」「Live Alive」「The Sky Is Crying」「Family Style」はそれぞれ異なる角度からSRVの魅力を伝えてくれます。まずは代表的なスタジオ作を軸に聴き、ライブ盤や編集盤で深掘りするのが王道の楽しみ方です。
参考文献
- Stevie Ray Vaughan — Wikipedia
- Texas Flood — Wikipedia
- Couldn't Stand the Weather — Wikipedia
- Soul to Soul — Wikipedia
- In Step — Wikipedia
- Live Alive — Wikipedia
- The Sky Is Crying — Wikipedia
- Stevie Ray Vaughan — AllMusic
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/
また、CDやレコードなど様々な商品の宅配買取も行っております。
ダンボールにCDやレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単に売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery


