The Monkees(モンキーズ)入門:おすすめアルバムの選び方と聴きどころ徹底ガイド
The Monkees 入門 — おすすめレコードを深掘り
1960年代後半、テレビ番組と密接に結びついたポップ・バンドとしてデビューしたThe Monkees(ザ・モンキーズ)は、「作られたバンド」というレッテルを跳ね返し、やがて自分たちの音楽性を確立していきます。本稿では代表的なアルバムを中心に「なぜ聴くべきか」「聴きどころ」「選ぶ際のポイント」を深掘りして紹介します。入門からファンの再発見まで役立つ、アルバムごとの読み解きを目指します。
おすすめアルバム一覧(要点)
- The Monkees(1966) — デビュー作。テレビと連動したポップな魅力と初期ヒット曲を収録。
- More of the Monkees(1967) — ヒット曲が集中するセカンド。商業的成功を象徴する一枚。
- Headquarters(1967) — バンドが演奏・制作で自主性を取り戻したターニングポイント。
- Pisces, Aquarius, Capricorn & Jones Ltd.(1967) — アレンジやサウンドの多彩さが光る実験的要素の強い作品。
- The Birds, The Bees & The Monkees(1968) — メンバーの個性が色濃く出た、やや内省的な作品群。
- Justus(1996) — オリジナルメンバーでの“全員演奏”を掲げた復帰作(コア・ファン向け)。
The Monkees(1966) — デビュー盤の魅力と聴きどころ
ポイント:テレビ番組と連動して一気にブレイクしたデビュー作。キャッチーなメロディと(当時の)高い制作クオリティが同居しています。
聴きどころ:プロのソングライター・プロデューサー陣の手によるポップでストレートな楽曲群が中心。シングルヒットのエネルギー、テレビ番組のイメージが好きなら外せない一枚です。また、初期のモンキーズ像を知るうえで基準となる作品です。
More of the Monkees(1967) — ヒット密度の高さ
ポイント:商業的な成功がもっとも分かりやすく現れたアルバムで、シングル中心の“ヒット志向”が強い時期。
聴きどころ:ポップ・シングルの完成度が高く、初期のモンキーズの“王道”を楽しめます。ポップス好きや60年代ガールポップ/ブリティッシュ・インヴェンションの影響を追いたい人にもおすすめです。
Headquarters(1967) — 自主性の獲得とバンド化の証明
ポイント:制作チーム側の完全コントロールから脱却し、メンバー自身が演奏・制作に深く関わったという意味でバンドとしての独立宣言のようなアルバムです。
聴きどころ:楽曲アレンジの自由度が増し、メンバー各自の個性と演奏能力が前面に出ています。ガレージ・ロック的な勢いからフォーク/ポップの繊細さまで幅があり、“本物のバンド”を求めるリスナーに強く訴えかける作品です。
Pisces, Aquarius, Capricorn & Jones Ltd.(1967) — 多彩なアレンジと実験性
ポイント:前作で得た自主性を背景に、外部のアレンジャーや先進的なサウンドを取り入れた多彩なアルバム。派手なアレンジやアンサンブルを楽しめます。
聴きどころ:ブラスやコーラスの使い方、曲ごとに変わる色彩豊かなサウンド設計が魅力。ポップにとどまらない“聞かせるアルバム”としての価値が高いです。
The Birds, The Bees & The Monkees(1968) — 個々の表現が前面に
ポイント:制作面での変化、メンバー各自の作風がより表出したアルバム。ポップでありながら個々の嗜好が強く出ています。
聴きどころ:キャッチーさよりも内省的またはクセのある曲が混在。バンドとしての一体感よりも“メンバーの個性”に魅力を感じるリスナーに刺さる作品です。
Justus(1996) — 再結成作としての意義
ポイント:オリジナルメンバーが揃って“自分たちで演奏する”ことを明確に打ち出した復帰作。60年代のイメージを期待すると驚く部分もありますが、彼らのバンド性を純粋に味わえる一枚です。
聴きどころ:成熟した作曲・演奏が特徴。抒情的な曲やリズム隊の安定感など、若い頃とは違う落ち着きが聴き取れます。
「どのエディションを買うか」:初心者〜コアファン向けの選び方
- 入門:ベスト盤や代表曲を集めたコンピレーション(公式のベストやベスト盤)で“顔”と代表曲を押さえる。
- 深掘り:上に挙げたスタジオ・アルバム(特にデビュー→Headquarters→Pisces…の流れ)を順に聴くと変化が分かりやすい。
- コアファン:リマスター/デラックス・エディションには未発表曲や別テイク、詳細な解説が収められていることが多く、歴史的文脈を深く理解できます。
代表曲とその魅力(抜粋)
- 「Last Train to Clarksville」 — 初期のスマッシュヒット。ロック色の強いシングルでバンドの看板となった曲。
- 「I'm a Believer」 — 楽曲のポップネスと強烈なキャッチーさが特徴で、多くのリスナーにとっての“Monkeesの顔”。(作:Neil Diamond)
- 「Daydream Believer」 — 優しいメロディと郷愁感が胸を打つ名曲。ポップ・バラッドの完成形のひとつとされます。
- 「Pleasant Valley Sunday」 — 社会的な視点を匂わせる歌詞と洗練されたアレンジが光る一曲。
- 「Valleri」などの曲 — Boyce & Hart の手によるフックの強いポップ・チューンも多数。
聴き方の提案
- まずは代表曲で“顔”をつかむ:ベスト盤で入り口を作る。
- その後、デビュー作〜Headquarters〜Pisces…の順でアルバムを聴き、制作背景やバンドの成長を追ってみる。
- 好きな曲ができたら、その曲が収録されたアルバムの別トラックや関連曲を追うと新しい発見があります。
まとめ
The Monkeesは「テレビ発のポップ・バンド」という出自を持ちながら、その後のアルバム制作過程で確かな音楽性と自主性を獲得しました。入門者はベスト盤で楽しみ、より深く知りたい人は「Headquarters」や「Pisces, Aquarius, Capricorn & Jones Ltd.」などのアルバムでバンドとしての幅を体感してください。年代ごとに色が変わる彼らの作品群は、60年代ポップの裏側と進化を知るうえで非常に興味深いコレクションです。
参考文献
- The Monkees - Wikipedia
- The Monkees Biography — AllMusic
- The Monkees — Rolling Stone
- The Monkees Official Site
- Rhino — The Monkees(リイシュー情報等)
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