Roxy Music入門:初心者におすすめのアルバム&年代別聴きどころガイド
はじめに — Roxy Musicとは何か
Roxy Musicは1970年代初頭に英国で結成されたアート・ロック/グラムロックの代表的グループで、ブライアン・フェリー(Bryan Ferry)のスタイリッシュなヴォーカルと、アンディ・マッケイ(Andy Mackay)の管楽器、フィル・マンザネラ(Phil Manzanera)のギター、そして初期に在籍したブライアン・イーノ(Brian Eno)の実験的サウンドが融合した独自の世界観で知られます。初期の前衛的でアート志向のサウンドから、のちの洗練されたポップ/ソフィスティポップへと移行していくその変化過程は、ロック史の重要な潮流を示しています。
おすすめアルバムと聴きどころ(年代順)
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Roxy Music(1972)
デビュー作。まだ荒削りで前衛的な側面が強く、イーノのノイズ/エフェクト、フェリーの耽美的な歌唱、美術的な演出が強烈に出ています。初期のコンセプトと美学を知るための必聴作です。代表曲:「Virginia Plain」。 -
For Your Pleasure(1973)
デビュー直後の進化系。より実験的でダーク、そしてドラマティックなアレンジが特徴。イーノ在籍最後の作品としても知られ、アンビエント/電子的な処理とロック的な曲構造が衝突する好例です。代表曲:「Do the Strand」「In Every Dream Home a Heartache」。 -
Stranded(1973)
イーノ脱退後、よりバンド・サウンドを前面に出した作品。フェリーの作曲・プロデュースが際立ち、歌中心の構成が明確に。メロディとアレンジの洗練が進み、以後の方向性を示すアルバムです。代表曲:「Street Life」「Amazona」。 -
Country Life(1974)
ギラギラしたグラム寄りの魅力と成熟したポップ感覚が同居するアルバム。社会的な観察眼や都会的な耽美さが曲に反映されています。ジャケットも話題になった作品。代表曲:「The Thrill of It All」「All I Want Is You」。 -
Siren(1975)
商業的にも大きく成功した作品で、シングル「Love Is The Drug」はバンドの代表曲に。ダンサブルでフェリーのヴォーカルが際立つナンバーが並び、ポップセンスとアート性のバランスが取れた一枚です。代表曲:「Love Is The Drug」「Both Ends Burning」。 -
Manifesto(1979)
一度活動を休止した後の再始動作。ディスコやパンク〜ニュー・ウェイヴ後の時代感を取り入れつつ、Roxyらしいスタイリッシュさを取り戻した作品群の始まりです。時代ごとの適応力を見るのに良いアルバム。代表曲:「Manifesto」「Trash」。 -
Flesh + Blood(1980)
1970年代末から80年代初頭の洗練されたポップ・サウンド。アレンジの重心がよりソフィスティケイトされた方向へ移行していく様子が感じられます。代表曲:「Same Old Scene」。 -
Avalon(1982)
バンドの集大成とも言える名盤。深いムード、磨き上げられたアンサンブル、エレガントなプロダクションが一体となった作品で、ソフトなシンセとアコースティックな要素が溶け合う成熟した美しさがあります。代表曲:「More Than This」「Avalon」。初めてRoxyを聴く人にも入りやすい、時代を超えた名盤です。 -
補足 — Viva! Roxy Music(1976)
ライブ盤としてバンドのステージ感や当時のアレンジを知るのに有用。スタジオ盤と違う演奏やエネルギーを味わえます。
アルバムごとの楽しみ方(聴きどころの切り口)
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初期(1972–1974):前衛的な音響実験とグラム感。イーノの影響によるサウンド・テクスチャを注目して聴くと当時の挑戦性が分かります。
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中期(1974–1976):曲構成とポップ・センスの成長。フェリーのボーカル表現とメロディ重視の楽曲が増え、ヒット曲も登場します。
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後期(1979–1982):プロダクションの洗練とムードの演出。シンセやスタジオ技術を生かした“大人のポップ”へと成熟します。
どの盤(エディション)を選ぶか:聴き方の実用アドバイス
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まずは「音楽そのもの」を知るために、ストリーミングやCDでスタジオアルバムを年代順に聴くのが分かりやすいです。初期作の実験性→中期のメロディ→後期の成熟という流れが一貫して感じられます。
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コレクターやレコード愛好家であれば、オリジナルのアナログ盤(初回プレス)を探すのも面白いですが、リマスターのCDや高音質配信(ハイレゾ)で改めて聴き比べると、プロダクションの違いがよく分かります。
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バンドの変遷を理解したい場合は、先に代表曲がまとまったベスト盤を聴いた後で、興味を抱いた年代のスタジオ作を深掘りするのがおすすめです。
Roxy Musicを深く楽しむための視点
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楽曲=歌詞とメロディだけでなく、サウンド・テクスチャ(イーノの実験/シンセワークなど)や編成(オーボエ・サックスの使い方)に注目すると、他のロック・バンドとの違いがより明確になります。
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ジャケットやヴィジュアル、ファッション性もRoxyの重要な要素。音楽とヴィジュアルの結びつきを意識して聴くと、当時の文化的文脈が見えてきます。
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ソロ作品(特にブライアン・フェリー)を併せて聴くと、バンド内での楽曲制作や美学の変遷がさらに理解しやすくなります。
まとめ
Roxy Musicは「実験」から「洗練」へと移る過程が非常に明瞭に残されたバンドです。初期の挑戦的な作品群、シングルヒットでのブレイク、そして成熟期の艶やかなサウンド──それぞれの時代に名盤があり、どのアルバムから入っても新しい発見があります。まずは代表的な数枚(デビュー作、For Your Pleasure、Siren、Avalonあたり)を軸に、興味が湧いた時代のスタジオ作を掘っていくのがおすすめです。
参考文献
- Roxy Music Official Site
- AllMusic — Roxy Music
- Discogs — Roxy Music
- Wikipedia — Roxy Music
- Rolling Stone — Roxy Music
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