The J.B.'s(ザ・ジェイビー・ズ)完全ガイド:歴史・代表曲・サンプリングで学ぶファンク入門

The J.B.'sとは:概要と歴史的背景

The J.B.'s(ザ・ジェイビー・ズ)は、1960年代末から1970年代にかけてジェームス・ブラウンのバックバンドとして結成・活動したファンク・バンドです。基本的にはジェームス・ブラウンのツアー/レコーディングバンドでありながら、インスト中心の曲を多数残し、1970年代のファンク・サウンドを象徴する存在となりました。楽曲はしばしば“ワン”(1拍目)を強調するジェームス・ブラウン流のリズム感に基づき、ホーンの鋭いスタブ、リズムのタイトなグルーヴ、反復的なヴァンプを特徴とします。

主要メンバーとその役割

  • フレッド・ウェズリー(Fred Wesley) — トロンボーン。バンドのアレンジャー/リーダー的存在として、ホーン・アレンジや楽曲構成に大きく寄与しました。
  • メイシオ・パーカー(Maceo Parker) — アルト・サックス。ソロ・フレーズとリフでバンドの色を決定づける存在。
  • ブーツィー・コリンズ(Bootsy Collins)&キャットフィッシュ・コリンズ — ベース/ギター。短期間の参加ながら、彼らが持ち込んだグルーヴはその後のP-Funkサウンドへも影響を与えました。
  • クライド・スタッブルフィールド(Clyde Stubblefield)/ジョン“ジャボ”スタークス(Jabo Starks) — ドラム。リズムの要であり、のちのヒップホップに多大な影響を与えたブレイクを多数残しました。
  • その他、ギタリストやキーボード奏者、コーラス陣が時期により入れ替わりつつ、熱量ある演奏を支えました。

サウンドの特徴:なぜ聴く者を惹きつけるのか

  • リズムの“間”と“ワン”の強調:ベースとドラムが1拍目を明確に押し出すことで、身体に直接訴えかけるグルーヴが生まれます。
  • ホーンの鋭い“スタブ”とリフの反復:短いフレーズを強く刻むことで高い緊張感と即効性のあるフックを作ります。
  • シンプルさの中の変化:コード進行はミニマムでも、アクセントやシンコペーション、微妙なダイナミクスで曲のドラマを作ります。
  • ライヴ感/人力の推進力:スタジオ録音でもライヴ・バンドとしての即興性や熱量が残り、聴いていて“その場にいる”感覚を受けます。

代表曲・名盤(入門リスト)

以下はThe J.B.'sのサウンドを素早く掴める代表的なトラックやアルバムです。どれもインスト中心のファンクとして高い評価を受けています。

  • Pass the Peas(曲) — シンプルなリフとリズムの強さが際立つ代表曲。サンプリングでも頻繁に用いられました。
  • Doing It to Death(曲 / シングル) — アグレッシヴでダンサブルなグルーヴが特徴。ジェームス・ブラウン自身が関与したナンバーでもあります。
  • The Grunt(曲) — 特有のホーン・リフとエキサイティングな展開で、ヒップホップなどでのサンプリング頻度が高い1曲。
  • Food for Thought(アルバム, 1972) — 初期のJ.B.'sの色が良く出たアルバムで、インスト曲を中心にファンクの要素が詰まっています。
  • Doing It To Death(アルバム) — シングル曲を中心にまとめられた作品で、バンドの勢いと完成度が感じられます。

影響力:ファンクからヒップホップへ

The J.B.'sが残した演奏/ブレイクやホーンのリフは、後のサンプリング文化において重要なソースとなりました。特にドラムのフレーズやベースのループはヒップホップのプロデューサーたちにとって“宝の山”であり、1970年代のファンク・トラックがそのままルーツ・ソースとして頻繁に使われています。また、メンバーがその後ソロでの成功や他バンド(たとえばブーツィーはParliament-Funkadelicへ)へとつながり、ファンク全体の発展に寄与しました。

聴き方のポイント(初心者向け)

  • まずは短いリフに注目する:ホーンやベースの繰り返されるフレーズを耳で追うと、曲の骨格が掴めます。
  • ドラムの“間”を感じる:スネアやキックの置き方、ハイハットの細かな動きがグルーヴの鍵です。
  • ソロやコール&レスポンスに耳を傾ける:人間味のある演奏が随所に出るので、そこから個々のプレイヤーの個性が見えてきます。
  • サンプリングされたトラックと聴き比べる:オリジナルを知ることで、現代の曲がどう影響を受けているかが明確になります。

音楽史的な位置づけと今日的価値

The J.B.'sはジェームス・ブラウンという巨大な旗印のもとで活動しましたが、独立したバンドとしてもファンク史における重要な役割を果たしました。その“ルーツ感”と“タイトな軍団プレイ”は、単に過去の遺産ではなく、現代のアーティストやプロデューサーにとって依然として重要な参照点です。リズムの作り方、間の取り方、ミニマルな編曲での説得力──これらは今の音楽制作にも通じる普遍的な技術と表現です。

まとめ:The J.B.'sの魅力

The J.B.'sは「強烈なグルーヴ」「ホーン・リフの鋭さ」「人間味あるリズム隊」という3つの要素で聴く者を惹きつけます。ジェームス・ブラウンの下で鍛え上げられた演奏力と、インスト中心の楽曲によるダイレクトな訴求力は、ファンクを初めて聴く人にも強く響くはずです。歴史的な価値だけでなく、現代の音楽制作やダンス・ミュージックにも生きた示唆を与えてくれるアーティストです。

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