ドノヴァン(Donovan)入門:必聴名盤6選とレコード購入で押さえるべきチェックポイント
はじめに — Donovanというアーティストを改めて聴く理由
1960年代のフォークからサイケデリック、ポップへと自由に横断したDonovan(ドノヴァン)は、単なる「時代の歌手」ではなく、独自の詩性とサウンド・センスで今日でも聴き継がれる楽曲を残しました。本稿では、入門〜コレクター向けに「これだけは押さえておきたい」代表作と名盤をピックアップし、曲ごとの魅力や時代背景、盤として探す際のポイント(※再生・保管に関する具体的なケア方法は扱いません)を解説します。
チェックポイント:Donovanの音楽を聴くときに注目したい点
- 初期はエリック・クラプトンや英米フォークの流れに近いアコースティック・フォーク志向。
- 中期(1966年頃〜)にかけてサイケデリック/ポップ要素を大胆に導入し、ストリングスやエレクトリックなアレンジが増える。
- 歌詞は自然、愛、精神性(ミスティックな要素)をテーマにすることが多く、メロディと唱法に独特の暖かさがある。
- 60年代後半のシングル/アルバム構成は米英で異なることが多いので、収録曲差にも注意。
おすすめレコード(名盤深堀り)
1. What's Bin Did and What's Bin Hid (1965)
Donovanのデビューにあたるフォーク寄りの作品。初期のシンプルなアコースティック・スタイルが色濃く残り、「Catch the Wind」などの初期代表曲を収録しています。
- 音楽的特徴:アコースティック・ギター中心の素朴な伴奏、抑制されたボーカル。ボブ・ディランの影響を感じさせるが、よりメロディ志向で暖かい。
- 聴きどころ:若き日の詩的感性とメロディ・メイキングの原点を確認できる作品。
- 盤探しのポイント:初期の英盤と米盤でタイトルや収録曲が異なるため、聴きたい曲が含まれる盤を確認してください。
2. Sunshine Superman (1966)
Donovanのサイケデリック期への転換点。タイトル曲「Sunshine Superman」、そして「Season of the Witch」といった名曲を含み、アレンジ面でもストリングスやエレクトリック楽器が前面に出てきます。
- 音楽的特徴:サイケデリック・フォーク/ポップ。幻想的な雰囲気とキャッチーなメロディの共存。
- 聴きどころ:「Sunshine Superman」の明快なフック、「Season of the Witch」のダークで反復的なグルーヴは、後のロック/サイケに強い影響を与えました。
- 盤探しのポイント:この時期は米英のリリース形態がやや混乱しており、各国盤で曲順・収録曲が違います。オリジナルのUSリリースやリマスター盤の解説を確認すると良いでしょう。
3. A Gift from a Flower to a Garden (1967)
Donovanの代表的な二枚組アルバム。スピリチュアルで牧歌的な側面と実験的なアレンジが混在する意欲作です。LP2枚組というフォーマットも含め、当時としては大胆な試みでした。
- 音楽的特徴:フォーク/サイケ/バラードが混ざり、ラテンやカリプソ風の要素が顔を出す曲もあります。詩集的な側面が強い。
- 聴きどころ:「Wear Your Love Like Heaven」などの名曲、そして「For Little Ones」といった子供向け・瞑想的なパートまで多彩。
- 盤探しのポイント:二枚組としてのオリジナル構成(Part 1/Part 2)を楽しめる盤を探すのがおすすめ。装丁やライナーノーツも当時の空気を伝えます。
4. Hurdy Gurdy Man (1968)
よりロック寄りのアプローチが際立ったアルバムで、タイトル曲「Hurdy Gurdy Man」は彼の最も有名な曲の一つ。エレクトリックなサウンドと反復するリフ、そしてやや神秘的な歌詞が特徴です。
- 音楽的特徴:エレクトリックギター、ドラムの強調、シンプルで耳に残るリフ。フォーク出身の作曲家がロック要素を取り込んだ好例。
- 聴きどころ:タイトル曲のパンチあるサウンドはラジオヒットにもなり、今でも映画やCMで使われることが多いです。
- 盤探しのポイント:シングル・バージョンとアルバム・バージョンの違いが存在する場合があるため、好きなテイクを収めたエディションを確認してください。
5. Barabajagal (1969)
シングル「Barabajagal(Love Is Hot)」を中心にしたアルバムで、ファンキーでモダンなサウンドも聴ける作品。ロック色の強いプロダクションが目立ちます。
- 音楽的特徴:よりポップでダンサブル、当時のロック/R&B的感覚も取り入れた編曲。
- 聴きどころ:アルバム全体で幅広いスタイルを楽しめるため、Donovanの器用さと柔軟性がわかります。
- 盤探しのポイント:シングル曲の収録状況やボーナス・トラックの有無をエディション別にチェックすると良いです。
6. Troubadour: The Definitive Collection 1964–1976(編集盤)
単独アルバムを追うのが難しい場合、このボックス/編集盤は極めて便利。代表曲を年代順に追いながらDonovanの変遷を俯瞰できます。入門盤として、また一気に主要曲を押さえたいときに最適です。
- 聴きどころ:初期のフォークからサイケ、ロック期までを網羅。ライナーノーツが充実したエディションもあるため、音楽史的な位置づけを確認するのにも向きます。
- 盤探しのポイント:収録範囲やリマスタリングの有無がエディションで異なるので、音質重視ならリマスター盤を選ぶのも一案です。
個別の注目曲とその背景(短評)
- Catch the Wind — 初期フォークの代表作。Donovanの名を世に広めた曲。
- Sunshine Superman — 彼のサウンド・シフトを象徴するポップな名曲。
- Season of the Witch — 後のロック&ヘヴィなサウンドに影響を与えた重めのトラック。
- Hurdy Gurdy Man — ドローン的リフとサイケデリックな雰囲気が強烈な一曲。
- Wear Your Love Like Heaven — メロディの美しさと詩のやさしさが同居する名バラード。
レコード選びの実用的アドバイス(購入時の確認ポイント)
ここでは再生や保存のコツには触れませんが、購入前に確認しておくと役立つ“盤そのもの”に関するポイントを挙げます。
- リリース年/レーベル:Donovanの60年代作品は英米でリリース形態が違うことが多いので、欲しい収録曲がどの国の盤に入っているかを確認。
- モノ/ステレオ表記:初期盤にはモノラル盤が存在する場合があります。オリジナルのモノ独特のミックスを好むコレクターも多いです。
- 編集盤・再発の違い:編集盤やベスト盤は曲順やバージョンが異なるので、完全なオリジナル体験を求めるならオリジナルLPを、手軽さを求めるなら良リマスターの編集盤を。
- 帯・ライナーノーツ・ジャケット:当時の文化背景やプロデューサー/演奏者情報を知る手がかりになるので、これらが充実した盤はコレクション価値が高くなります。
まとめ
Donovanは「フォークの詩人」から「サイケデリック・ポップの立役者」へと変貌を遂げた希有な存在です。今回挙げた作品群は、それぞれの時期における彼の表現の深さと幅を示しています。まずは「Sunshine Superman」や「A Gift from a Flower to a Garden」で彼の変化球的魅力を味わい、初期の純朴な魅力は「What's Bin Did and What's Bin Hid」で確かめる——という聴き方をおすすめします。
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