Patrice Rushen入門:聴くべき名盤(Prelusion~Pizzazz~Straight from the Heart)と中古レコードの選び方ガイド
はじめに — Patrice Rushenとは
Patrice Rushen(パトリース・ラッシェン)は、1970年代以降ジャズ、フュージョン、R&B、ファンク、ポップを自在に行き来したピアニスト/シンガー/作曲家です。若年期からジャズ・シーンで頭角を現し、その後R&B/ポップ寄りの作品で商業的成功と広範な影響力を得ました。鍵盤プレイの確かさ、ソングライティング能力、そしてプロダクション感覚の高さが特徴で、クラブ〜リスニングの双方で楽しめるディスクが多く残っています。
おすすめレコード(概観)
ここではジャンルや時期ごとに、初心者にもコレクターにも刺さる代表的なレコードをピックアップして深掘りします。各タイトルについて、聴きどころ、代表曲、作品が持つ意義や楽しみ方を解説します。
Prelusion(1974) — ジャズ/ピアニストとしての原点
- 聴きどころ:若き日の高度なピアノ・テクニックとジャズ作法。インスト中心の構成で、アコースティックな演奏力が前面に出ます。
- 代表曲:アルバムの流れ全体(トータルな演奏性)を楽しみたい作品です。
- なぜおすすめか:Rushenのルーツを知るには必聴の一枚。後のR&B/ファンク作品とは違う「生のピアノ表現」を味わえます。ジャズ好き、鍵盤奏者にとっては彼女の基礎技術と音楽的素養がよくわかるレコードです。
Patrice(1978) — トランジション期の傑作(注:ヴォーカル/インストの橋渡し)
- 聴きどころ:ジャズ色とR&B・フュージョンの境界を行き来するアレンジ。ヴォーカル曲とインスト曲のバランスが良く、メロディ面でも手堅い内容。
- 代表曲:アルバム全体のアレンジ感、ヴォーカル表現の進化を確認してください。
- なぜおすすめか:この時期の作品は彼女の音楽的変化を追う上で重要です。ジャズ・ファンからポップ/R&Bファンへとリスナー層が広がる過程が聴き取れます。
Pizzazz(1979) — ダンス寄りの名盤、「Haven't You Heard」収録
- 聴きどころ:ディスコ/ファンク感を取り入れたグルーヴ、抜けの良いホーンやコーラスのアレンジ。ダンサブルでありながら洗練された楽曲群。
- 代表曲:「Haven't You Heard」 — フロアでも人気の高いナンバーで、Rushenの代表曲のひとつ。
- なぜおすすめか:70年代末〜80年代初頭のブリッジ的サウンドが凝縮された作品。ダンス・クラシックとしての側面と、メロウなR&Bとしての魅力を併せ持っており、パーティー向けにもリスニング向けにも楽しめます。
Straight from the Heart(1982) — 商業的成功と普遍性、「Forget Me Nots」
- 聴きどころ:ポップ/R&Bの完成形とも言える洗練されたプロダクション。シンセと生楽器のバランス、ソウルフルなヴォーカルが魅力。
- 代表曲:「Forget Me Nots」 — キャッチーなベースラインとコーラスが特徴の大ヒット曲。後年のサンプリング/リイシューで再注目されました。
- なぜおすすめか:Patrice Rushenの知名度を決定づけた一枚。ポップかつソウルフルな楽曲は幅広いリスナーに刺さります。クラブ・プレイやサンプリングの素材としても重要なトラックが多数あります。
その他注目作・コンピレーション
- シングルやコンピ集:「Haven't You Heard」「Forget Me Nots」などのシングル・カットは編集盤やベストでまとめて聴くと流れが把握しやすいです。
- リミックス/12インチ:ディスコ/クラブ寄りのミックスが存在する場合もあり、当時のクラブ音源としての価値が高い盤もあります(12インチ・シングルを探すのもおすすめ)。
聴き方・盤の選び方(音楽的観点でのコツ)
- 「初めてなら」:代表曲がまとまったベスト盤か、Straight from the Heart(代表作)から入ると分かりやすいです。
- 「ジャズ寄りの彼女を知りたい」:Prelusionのような初期作でピアニストとしてのスキルを堪能してください。
- 「ダンス/サンプリング目的」:Pizzazzやシングルの12インチにはブレイクやフロア向けのアレンジが多く、DJ/プロデューサーの視点でも重宝します。
- 「プロダクションを見る」:1980〜82年の音作りはアナログ・シンセと生楽器の調和が見事。アレンジやコードワークを学びたい鍵盤奏者にも有益です。
Patrice Rushenの影響と今日の聴き方
「Forget Me Nots」が映画やヒップホップでサンプリングされ再注目されたように、Rushenの楽曲は世代を超えて使われ続けています。オリジナル盤のダイナミクスやアナログ感はストリーミングとはまた違う魅力があり、ジャンル横断的に楽しめる点が彼女の強みです。
まとめ
Patrice Rushenはジャズ的なテクニックとポップ/R&Bのソングライティングを兼ね備えた稀有なアーティストです。まずは「Prelusion」で演奏力を、「Pizzazz」でダンス性を、「Straight from the Heart」でポップな魅力を確かめるのがおすすめ。各時期の作品を聴き比べることで、彼女の音楽的変遷と幅広さをより深く楽しめます。
参考文献
- Patrice Rushen — Wikipedia (英語)
- Pizzazz (Patrice Rushen album) — Wikipedia (英語)
- Straight from the Heart (Patrice Rushen album) — Wikipedia (英語)
- Prelusion (Patrice Rushen album) — Wikipedia (英語)
- Patrice Rushen — AllMusic (英語)
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