ユージン・オーマンディの決定版名盤7選|フィラデルフィア管おすすめ録音と探し方
イントロダクション — ユージン・オーマンディという指揮者
ユージン・オーマンディ(Eugene Ormandy, 1899–1985)は、ハンガリー生まれで長年フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を務めた巨匠です。いわゆる「フィラデルフィア・サウンド」を確立した一人として知られ、豊かな弦の響きと滑らかなレガートを武器に、ロマン派・後期ロマン派、管弦楽作品、アメリカ音楽まで幅広いレパートリーで多くの録音を残しました。本稿では、レコード(およびCD/配信で探す際の参照)としてオススメの主要録音を厳選し、聴きどころや選盤のポイントを掘り下げます。
オススメ名盤(厳選7選)
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ラフマニノフ:交響曲第2番 — Eugene Ormandy / Philadelphia Orchestra
なだらかで豊かな弦楽表現、歌わせる木管&金管が魅力の一枚。オーマンディのラフマニノフ解釈はロマンティックで色彩的、旋律のうねりをたっぷり味わえます。シンフォニックな厚みを聴きたい人に最適。
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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 — Eugene Ormandy / Philadelphia Orchestra
暖かい弦と豊かなブラス、アメリカ的な哀愁をうまく引き出す演奏。フィラデルフィア管の特長がよく出た「名演」系録音で、細やかなフレージングとダイナミクスの自然な流れが楽しめます。
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チャイコフスキー:交響曲(4番・5番・6番など) — Eugene Ormandy / Philadelphia Orchestra
チャイコフスキー録音群はオーマンディのレパートリーの中でも人気が高い分野です。豪華さとドラマ性を重視しつつも、過度に激しくならないバランス感。とくに6番「悲愴」は温雅さと悲哀が同居した聴きどころが多いです。
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R. シュトラウス:交響詩(「ドン・ファン」「ツァラトゥストラはかく語りき」など) — Eugene Ormandy / Philadelphia Orchestra
管楽器・金管の鮮烈さと弦の光沢が両立するオーケストラの魅力を最大限に引き出した録音群。色彩的な管弦楽サウンドを楽しみたい人に。
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サン=サーンス:交響曲第3番「オルガンつき」 — Eugene Ormandy / Philadelphia Orchestra(オルガニスト共演盤)
大編成とオルガンが織りなす荘厳な空気を、フィラデルフィア管の豊かな弦で支える好演。旧盤LPでの名演として知られ、ライヴ感ある録音が魅力です。
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ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー/ポップス系協奏曲集 — Eugene Ormandy / Philadelphia Orchestra
アメリカ音楽・ポピュラー系クラシックを得意とした録音群。ジャズとクラシックの橋渡しをするような瑞々しい演奏で、聴きやすく親しみやすいのが特徴です。
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オーマンディ名曲集(アンソロジー/コンピレーション) — RCA Living Stereo/リマスター盤
オーマンディの代表録音を一挙に味わえる編集盤。音質面でもRCAの「Living Stereo」ラインは評価が高く、オーマンディの音楽性を俯瞰するのに便利です。
なぜこれらの録音を選ぶか — オーマンディの“聴きどころ”
オーマンディの演奏の魅力は大きく分けて以下の点にあります。
- 弦の美しさ(フィラデルフィア・サウンド):豊かな弦の色彩と滑らかなレガートはオーマンディ録音の代名詞です。歌うラインを重視するため、メロディが自然に心に入ってきます。
- 色彩的なオーケストレーション:木管・金管の配置やバランスが巧みで、管弦楽的な色の対比を鮮明にします。
- テンポ感と劇的表現:過度に速くは行かないものの、呼吸を感じさせるテンポ運びでドラマを作ります。ロマンティックな作品で特に効果的。
- 録音史的価値(Living Stereo):1950〜60年代のRCA「Living Stereo」録音は、当時の最先端ステレオ技術で収録され、オーマンディの音世界を鮮やかに再現します。
聴くときのポイント(曲ごとのガイド)
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ラフマニノフ交響曲第2番:序奏部の弦の厚み、第二楽章の歌い回し、終楽章の高揚感に注目。オーマンディはメロディの流れを非常に大切にします。
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ドヴォルザーク「新世界より」:第2主題の郷愁、ホルンやチェロのソロのニュアンス、リズムの安定感が魅力です。
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チャイコフスキー交響曲群:管楽器と弦の対話、クライマックスに向かうダイナミクスの繋がりを感じてください。情感の強弱を巧みにコントロールします。
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R.シュトラウス(管弦楽曲):色彩感とオーケストラの音の輪郭、細部のニュアンス(ハープ、木管の掛け合いなど)を聴き分けると面白いです。
盤の探し方・選び方のコツ
オーマンディ録音を探す際は次の点を意識すると良いでしょう。
- 「Living Stereo」表記を探す:1950年代後半〜60年代のRCAステレオ録音は音質・立体感に優れます。オリジナル・ステレオLPやリマスターCDが出ています。
- 再発CD/デジタル版の評判をチェック:リマスターの質は版によって差が出ます。レビューやリリース情報を見てノイズ処理やダイナミックレンジの扱いが良好なものを選んでください。
- ボックスセットやアンソロジーは入門に最適:多数の録音を手早く聴き比べられるため、まずは編集盤でオーマンディの音色を把握するのも有効です。
購入前にチェックすべき点(中古盤・再発を買う場合)
- 盤の音質レビュー(スクラッチ、スクラブノイズの有無)
- リマスター情報(オリジナルのダイナミクスを保っているか)
- ライナーノーツや録音年の明記(録音年代で録音技術や解釈の違いが分かる)
まとめ
オーマンディは「音の美しさ」を追求した指揮者で、フィラデルフィア管との録音群はその典型を示しています。ロマン派の大作や色彩的な管弦楽曲を楽しみたい人にとくにおすすめです。まずはラフマニノフやドヴォルザーク、チャイコフスキー、そしてRCA Living Stereoのアンソロジーで彼の世界観に触れてみてください。
参考文献
- Eugene Ormandy — Wikipedia
- Living Stereo — Wikipedia(RCAのステレオ録音シリーズについて)
- Eugene Ormandy — AllMusic(ディスコグラフィ・評)
- Eugene Ormandy — Discogs(具体的なリリース一覧)
- The Philadelphia Orchestra(団体の公式サイト — 歴史と録音情報)
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