Rod Stewart(ロッド・スチュワート)完全ガイド:代表曲・名盤・声の魅力と聴きどころ
Rod Stewart — プロフィールと総覧
Rod Stewart(ロッド・スチュワート、出生名 Rodney Kenneth Stewart)は、1945年1月10日イギリス・ロンドン(Highgate)生まれのシンガーソングライター。ブルース、フォーク、R&B、ロック、ポップ、さらにはスタンダードやアメリカン・ソングブックまで自在に歌い分ける懐の深さと、特徴的なザラついたハスキーボイスで世界的な人気を獲得してきました。ソロ活動での成功に加え、Faces(フェイセス)やJeff Beck Group(ジェフ・ベック・グループ)での活動でも知られ、キャリアを通じて数千万人規模のセールスと多数のヒット曲を持ちます。2016年には音楽と慈善活動への貢献によりナイトの称号(Sir)を受けています。
キャリアのハイライト(年代別の流れ)
- 1960年代:ロンドンのクラブ・シーンでキャリアを開始。Jeff Beck Groupへの参加やセッション活動を経て知名度を上げる。
- 1970年前後:Faces結成によりロック寄りの活動とソロの両立を図る。1971年のソロ作「Every Picture Tells a Story」で世界的ブレイク。
- 1970s中盤〜後半:「Atlantic Crossing」などでサウンドやプロデューサーを変え、ポップ志向へ。ディスコ期の「Da Ya Think I'm Sexy?」なども話題に。
- 1980s〜90s:商業面でのさらなるヒットとラジオバラードの成功。ジャンルを横断するヒットメイカーとして確立。
- 2000s以降:グレート・アメリカン・ソングブック(スタンダード集)シリーズや、オリジナル曲の制作、コンスタントなツアー活動で高齢期にも関わらず人気を維持。
代表曲・名盤(おすすめの入門トラックとアルバム)
- Maggie May(シングル曲) — 叙情的な語りとメロディで彼の名を決定づけた代表曲。
- Every Picture Tells a Story(1971) — 初期の名盤。フォーク〜ロックの融合と人間味ある歌唱が光る。
- Never a Dull Moment(1972) — バンド感とソロのバランスが良い作品。
- Atlantic Crossing(1975) — よりポップ/大衆的なサウンドへ転換した重要作。
- A Night on the Town(1976) — 「Tonight's the Night」などを含むヒット作。
- Blondes Have More Fun(1978) — 「Da Ya Think I'm Sexy?」でディスコ期の話題を作る。
- 近年作の例:「Time」(2013)、「Another Country」(2015)、「Blood Red Roses」(2018)、「The Tears of Hercules」(2021)など、成熟した表現が見られる。
ボーカルの魅力:“声”が語るドラマ
ロッド・スチュワートの最大の武器はやはり声そのものです。特徴は以下の点に集約されます。
- 粗さと暖かさが同居するハスキーボイス:弱さや儚さを感じさせる“ラスティ”な質感が、歌の物語性を高めます。
- 語りかけるようなフレージング:台詞めいた歌い回しで、リスナーに情景や心情を直接届ける力がある。
- ジャンルを超えた適応力:ブルースのしゃがれ声からスウィング、ポップスの伸びやかな歌唱まで使い分け、曲の“色”を自在に変える。
ソングライティングと解釈力
自身の青春や挫折、恋愛を素材にした直球の歌詞(例:Maggie May)から、他人の作品を自分の色に染めるカバーの解釈力まで、表現の幅が広い点が魅力です。彼のカバーは単なる模倣ではなく、独自の感情を付与することで新たな名作化することが多いです。
ステージ・パフォーマンスとカリスマ性
映像やライブ・レビューで語られるのは、観客との距離の取り方が抜群にうまい点です。舞台上での語り、ちょっとした仕草、衣装での自己演出など、ポップスターとしての“見せ方”を熟知しています。長年にわたるツアー経験が、安定した歌唱と客席を惹きつける“間合いの取り方”を作り上げました。
ジャンル横断性と再発明
ロック/フォーク/R&Bからディスコ、スタンダードまで歌うことができる数少ないアーティストの一人です。1970年代のロック・ヒーロー像から、2000年代のアメリカン・ソングブック解釈者へと自身のキャリアを“再発明”してきた点は、長寿アーティストとしての大きな強みです。
人間性・文化的影響
- パブリックイメージは“プレイボーイ”や“ロックのいなせな紳士”といった側面もありますが、それ以上に「ストーリーテラー」としての評価が高い。
- 複数回のロックの殿堂入り(ソロとFacesの両方)やナイトの称号取得など、業界的な評価も高い。
- 幅広い世代に影響を与え、カバーやサンプリングの題材になることもしばしば。
長年第一線に立ち続ける理由
- 声という唯一無二の個性があること。
- ヒット曲と名盤がキャリアの土台になっていること。
- ジャンルを越えてリスクを取る柔軟性(新たなプロデューサーやスタイルの採用、カバーの再解釈など)。
- ライブでの圧倒的な信頼感と観客とのコミュニケーション能力。
聴きどころ・楽しみ方の提案
- 初めてなら:まずは「Maggie May」とアルバム「Every Picture Tells a Story」を。彼の表現の核がわかります。
- ロック寄りが好みなら:Faces時代の楽曲や1970年代のアルバム群(Never a Dull Moment、Atlantic Crossingなど)。
- ポップ/ダンス系を楽しむなら:「Da Ya Think I'm Sexy?」や「Young Turks」など、時代ごとのポップ感覚を味わえます。
- 歌唱そのものを堪能したいなら:グレート・アメリカン・ソングブック収録作やバラード群で、その解釈力と声質の深さを感じ取ってください。
まとめ
Rod Stewartは「声」と「語り」の力で何世代にも届く曲を作り続けてきたアーティストです。ジャンルを跨ぎつつも常に“自分らしさ”を失わない点が多くの人を惹きつける理由。批評的な評価や流行の変化にも柔軟に対応し、長く愛される楽曲とステージングを提供し続けています。ロックの荒々しさも、ポップの洗練も、古き良きスタンダードの味わいも一人の歌手の中で楽しめる稀有な存在です。
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