ロッド・スチュワート(Rod Stewart)必聴レコードガイド:入門〜コレクター向けおすすめアルバム完全解説
Rod Stewart — 聴くべきおすすめレコード深掘りコラム
ロッド・スチュワート(Rod Stewart)は、ブルース、フォーク、R&B、ロック、ポップ、ディスコまで幅広い音楽性を持つシンガー。ソロとフェイセス(Faces)での活動を通じて1970年代に大きく飛躍し、以降もヒットと変化を重ね続けてきました。本コラムでは、ロッドのキャリアを代表する“レコード”(アルバム)を時代ごとにピックアップし、その聴きどころと選び方を深掘りします。初心者がまず押さえるべき盤から、コレクター向けに注目したいポイントまでを解説します。
聴きどころの前提 — 3つの時代区分
- 初期ソロ+Faces期(1969–1973): ブルース/フォーク寄りの生々しい歌唱、ストーリーテリング性。
- 大衆化とキャッチーなヒット期(1974–1980): ポップ/ロック/ディスコ要素を取り入れ、世界的ヒットを多数輩出。
- 成熟とバラード期以降(1980年代〜): 大人のポップス/バラード、洗練されたプロダクション。
必聴盤(選者の厳選リスト)
1. Every Picture Tells a Story(1971)
なによりもまずこの1枚。ロッドの代表作とされるアルバムで、シンプルな編成ながら魂のこもったボーカルが際立ちます。ここから「Maggie May」などの名曲が世に出て、彼を一躍スターに押し上げました。ギター主体の生のグルーヴ感と、フォーク/ブルース的な歌い回しが好きなら必ず刺さる一枚です。
- 聴きどころ:Maggie May(導入として最高)、Reason to Believe(しみいるカバー)
- ポイント:ロニー・ウッドなどフェイセスのメンバーとの結びつきが色濃く出ている。
2. An Old Raincoat (That's What It's Called)(1969)
ソロデビュー作。若き日のロッドの荒削りでエモーショナルな歌声が聴ける重要作です。フォーク寄りの選曲やカバー曲の解釈に、後のスタイルの原点が見えます。
- 聴きどころ:Handbags and Gladrags(彼のヴァージョンで知られることが多い)
- ポイント:初期の素朴さ・生々しさを味わいたいコレクター向け。
3. Gasoline Alley(1970)
よりリラックスしたムードとルーツ志向が強く出た作品。アコースティックな味わいと素朴なロックの交差点に立つアルバムで、長めのインタープレイやスロウ曲の説得力が魅力です。
- 聴きどころ:タイトル曲をはじめとする郷愁を誘うナンバー群
- ポイント:初期〜中期のロッドを追う上で欠かせない橋渡し的作品。
4. Never a Dull Moment(1972)
一連の初期傑作のまとめ役ともいえるアルバムで、シングルヒットを含む充実作。ロッドらしい歌唱表現とキャッチーなメロディが両立しています。
- 聴きどころ:代表的なシングル曲、ライブ映えするナンバー
- ポイント:初期の勢いが残る中でポップ性が強まった過渡期。
5. Atlantic Crossing(1975)
イギリスからアメリカへ移籍した後の転機作。サウンドがより洗練され、ポップ/ソフトロック的なアプローチが増えます。大衆性が強まり、以後の商業的成功につながる重要な一枚です。
- 聴きどころ:パワフルなバラードやメロディラインの説得力
- ポイント:この後の“ヒット志向”路線への橋渡しとして評価される。
6. Foot Loose & Fancy Free(1977) と Blondes Have More Fun(1978)
1970年代後半の商業的ピークを象徴する2枚。特にBlondes Have More Funはディスコ/ポップ寄りのヒット曲を含み、広い層にアピールしました。コレクションに加えると、ロッドの変遷(ルーツ→大衆迎合)の流れがよく分かります。
- 聴きどころ:ポップでキャッチーなシングル群、ロッドのボーカルの起伏
- ポイント:セールス面で成功した時代の代表例として押さえておきたい。
初心者のための試聴ガイド(最短ルート)
- まずは Every Picture Tells a Story(アルバム) → Rod Stewart の歌世界を最短で味わえる。
- 次に Atlantic Crossing または Never a Dull Moment を聴いて、初期の生感とその後の洗練の差を比較。
- その後、Blondes Have More Fun や Foot Loose & Fancy Free を聴いて70年代後半のヒット志向を体験。
コレクター向けの選び方と注目ポイント(盤の選定)
ここでは「再生法や保管」ではなく、どのレコード(盤)を選ぶかという観点のアドバイスです。
- オリジナル・プレス:初期作(1969–1972)に関してはオリジナル・プレスに価値と雰囲気があります。ジャケットの仕様やライナー、クレジット表記の違いも楽しめます。
- リマスター/再発:1970年代中盤以降の作品は、近年の公式リマスター(180g重量盤など)で音が整理されていることが多く、現代のシステムで聴きやすくなっています。好みで選ぶと良いでしょう。
- ライブ盤とコンピレーション:代表曲をまとめて聴きたい場合は公式ベストやライブ盤が便利。年代ごとの変化を俯瞰するのにも向きます。
- フェイセス期の作品:Rod Stewart 単独ではなくFaces(顔ぶれ:Ronnie Woodら)との共同作も重要。Facesのアルバムを併せて聴くと“ロッドという歌手”のルーツが見えてきます。
曲ごとの楽しみ方(歌詞・アレンジ・歌唱に注目)
- 歌詞の語り口:ロッドは“語り手”としての表現が巧み。ストーリー性のある曲は英語歌詞を追うだけで新しい発見があります。
- アコースティックとエレクトリックの対比:初期はアコースティック中心、70年代中盤以降はエレクトリック/プロダクション重視。編成の変化を追うと時代感が分かります。
- 声の変化:若い頃のシャープな声質から、より成熟した太さと哀感のある歌唱へと移っていきます。年代順に聴くとボーカルの変遷が楽しめます。
推薦プレイリスト(入門向け、アルバム単位)
- 入門:Every Picture Tells a Story → Never a Dull Moment → Atlantic Crossing
- 70年代後半のヒット群:Foot Loose & Fancy Free → Blondes Have More Fun
- 深掘り:An Old Raincoat → Gasoline Alley → Faces(代表作)
まとめ — Rod Stewart をレコードで楽しむコツ
ロッド・スチュワートはジャンル横断型のアーティストで、時代ごとの色合いが強く出ます。まずは「Every Picture Tells a Story」を軸に、初期の素朴さから70年代中盤の洗練、後半のヒット指向へと時系列で追うのがおすすめ。オリジナル・プレスと近年のリマスターを聞き比べると、プロダクションの変化や音の趣向の差がはっきり分かって面白いです。
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参考文献
- Rod Stewart — Wikipedia
- Rod Stewart — AllMusic(ディスコグラフィー/レビュー)
- Rod Stewart — Discogs(レコード盤情報)
- Rod Stewart 公式サイト


