Freddie Hubbard おすすめアルバムと聴き方: ハードバップからCTI期までの代表作ガイド

Freddie Hubbard — 短い紹介

Freddie Hubbard(1938–2008)は、モダン・ジャズのトランペット奏者としてハードバップからポストバップ、70年代のフュージョン寄りのサウンドまで幅広く活躍した巨匠です。明るく鋭い高音から温かいミュート/フリューゲルホーンの表情まで、豊かな音色と強靭なフレージングが持ち味。ここではキャリアを俯瞰しつつ、「レコードで聴くべき」おすすめ盤を厳選して紹介します。

おすすめ盤の選び方(聴きどころの視点)

  • 初期(ハードバップ)…トランペットの若き爆発力とソロの構築力を味わう。
  • 中期(ポストバップ)… harmonic/リズムの拡張と表現の深化、モダンな作曲性に注目。
  • CTI期(1970年前後)…より大きな編成・アレンジとエレクトリック要素、グルーヴ志向の演奏。

Open Sesame(1960)

レーベル・年:Blue Note, 1960年
スタイル:初期ハードバップ〜モダン・ジャズ

  • 代表曲:タイトル曲「Open Sesame」など
  • 聴きどころ:Hubbardの若さと攻めのトーンが前面に出たデビュー的作品。アドリブでの勢いとブルーノート的なソングライティングが両立しており、「彼がこの後どう伸びるか」を予感させる一枚です。
  • おすすめポイント:ハードバップ期の原石的な魅力を素直に味わえるので、まず入門として適しています。

Ready for Freddie(1961)

レーベル・年:Blue Note, 1961年
スタイル:ハードバップ→ポストバップの橋渡し

  • 代表曲:アルバム・タイトル曲ほか、Hubbard自身の作曲を中心にバラエティ豊かな楽曲が並びます。
  • 聴きどころ:フレーズの洗練度とリリカルな表現が増し、ソロの構成力がより明確に。ブルーノートの落ち着いたプロダクションの中で、Hubbardの音楽的な成熟を感じられます。
  • おすすめポイント:初期の爆発力だけでなく「表現の幅」を把握したいリスナーに。

Hub-Tones(1962)

レーベル・年:Blue Note, 1962年
スタイル:モダン・ハードバップ/ポストバップ

  • 代表曲:「Hub-Tones」など
  • 聴きどころ:より構築的なアレンジと輪郭のはっきりしたソロ。音色のコントラスト(トランペットの鋭さと抒情性)がはっきり聴き取れるため、ソロワークの研究材料として優秀です。
  • おすすめポイント:「技術と歌心」が同時に味わえる中核的名盤。

Breaking Point!(1964)

レーベル・年:Blue Note, 1964年
スタイル:冒険的な要素を含むポストバップ

  • 代表曲:タイトル曲を含めたテンションの高いナンバー
  • 聴きどころ:ハードバップからさらに一歩踏み込んだ和声/リズムの試みが見られるアルバムで、聴き手に強い緊張感と鮮烈さを与えます。
  • おすすめポイント:「安定した技巧」ではなく「挑戦的な演奏」を楽しみたい向きに最適。

Red Clay(1970)

レーベル・年:CTI, 1970年
スタイル:ジャズ・ロック/フュージョン寄りのグルーヴ志向

  • 代表曲:タイトル曲「Red Clay」 — 長尺のグルーヴとソロ展開が特徴的
  • 聴きどころ:CTIレーベルらしい洗練されたプロダクションのもとで、Hubbardはよりファンク/ソウルフルなリズムに乗って伸び伸びとソロを展開します。ミュージシャン同士のインタープレイも聴きどころ。
  • おすすめポイント:ロック/ファンク要素を取り入れたHubbardを聴きたい人に。ジャズ入門者でもグルーヴに乗りやすい1枚です。

First Light(1971)

レーベル・年:CTI, 1971年(受賞歴あり)
スタイル:オーケストレーションを取り入れたラグジュアリーなジャズ

  • 代表曲:タイトル曲「First Light」ほか、メロウな楽曲群
  • 聴きどころ:ドン・セベスキーなどのアレンジを得た豊かなストリングスや管の絡みが特徴で、Hubbardはトランペット/フリューゲルホーンでより歌心のあるプレイを披露。商業的成功と批評的評価の両方を得た「CTIならでは」の一枚です。
  • おすすめポイント:ジャズのフォーマルで壮麗なサウンドを好む人に。賞(グラミー)を受賞したことでも知られ、Hubbardの別の面が垣間見えます。

Straight Life(1971)

レーベル・年:CTI, 1971年
スタイル:エレクトリック/フュージョン寄り

  • 代表曲:タイトル含むファンキーなトラック群
  • 聴きどころ:エレクトリックピアノやギターを効果的に用いた、よりモダンで都会的なサウンド。長尺の展開でソロの表現力とグルーヴ感が堪能できます。
  • おすすめポイント:70年代ジャズのフィーリングが好きな人、ライブ感ある長いソロを楽しみたい人に。

聴き方・選び方の提案

  • 入門〜順に追うなら:Open Sesame → Ready for Freddie → Hub-Tones → Red Clay → First Light。成長と変化を時系列で体感できます。
  • 派生的に別ラインを楽しむなら:初期の尖ったハードバップ(Blue Note群)と、CTI期の豪華プロダクションを別々にまとめて聴くのも面白い。
  • プレイリスト作成のコツ:短い曲(ハードバップ)と長尺のグルーヴ曲(CTI)を交互に置くと、Hubbardの異なる魅力が対比して楽しめます。

補足:Hubbard の魅力をさらに深めるために

  • 彼のリーダー作だけでなく、他アーティストのセッション参加盤(例:Herbie Hancock、Wayne Shorter、Art Blakeyなどのアルバム)に顕著なソロが残されており、それらを追うと「場面ごとの表現」が見えてきます。
  • ライブ録音ではより自由でアグレッシブな一面が聴けることが多いので、スタジオ盤と聴き比べるのもおすすめです。

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参考文献