インターホンとは?種類・仕組み・選び方まで建築設備の視点でわかりやすく解説

1. インターホンとは?

インターホンとは、玄関と室内の居住者が声や映像を使ってコミュニケーションをとるための通話装置です。
呼び出し(ピンポン)機能に加え、近年では映像表示・録画・スマホ連携など
防犯と利便性を大きく向上させる住宅設備として発展しています。

マンション、戸建て、商業施設、公共施設など、
あらゆる建物で標準的に設置されている設備のひとつです。


2. インターホンの基本構成

インターホンは以下の機器で構成されます。

  • 玄関子機(屋外側)
    • 呼び出しボタン
    • マイク・スピーカー
    • カメラ(テレビドアホンの場合)
  • 室内親機(屋内側)
    • 呼び出し音の受信
    • 通話用マイク・スピーカー
    • モニター画面(テレビドアホン)
    • 録画・録音機能
    • スマホ連動機能(Wi-Fiモデルなど)
  • 配線または無線ユニット
    • 電源線
    • 通信線(または無線通信)

設備工事では、配線ルート・電源位置・取り付け高さなどの設計が重要です。


3. インターホンの種類

3-1. 音声インターホン(シンプルタイプ)

もっとも基本的なタイプで、音声のみで来訪者と通話する方式。

特徴

  • コストが安い
  • 配線がシンプル
  • 既存住宅でも交換しやすい

防犯性は最低限のため、近年はテレビドアホンが主流です。


3-2. テレビドアホン(カメラ付きインターホン)

現在最も普及しているタイプ。
玄関子機のカメラ映像を室内のモニターで確認しながら通話できます。

メリット

  • 来訪者の顔を確認できる
  • 録画機能で不在時の訪問者も残せる
  • 子どもや高齢者でも使いやすい

防犯性・利便性が高く、新築でもリフォームでも広く採用されています。


3-3. スマホ連動型インターホン(IoTモデル)

モニター親機にWi-Fiを搭載し、
スマートフォンで来訪者対応できる最新タイプ。

できること

  • 外出先から来訪者対応
  • 宅配業者との通話
  • 録画の確認
  • 家族のスマホを複数登録可能

共働き家庭や戸建ての防犯対策として人気です。


3-4. ワイヤレスインターホン

親機・子機間を無線で接続するタイプ。
配線工事が不要のため賃貸などでも設置できます。


3-5. セキュリティ連携型インターホン

  • 電気錠(オートロック)
  • 防犯カメラ
  • センサーライト
  • アラーム機器

などと連動し、マンションの共用部や大型住宅で使われる本格的なシステムです。


4. インターホンの主な機能

現代のインターホンには多くの機能があります。

  • 広角カメラ/夜間撮影(赤外線LED)
  • 録画・録音
  • スマホ通知・遠隔応答
  • 電気錠の解錠
  • 自動録画(センサー連動)
  • 来訪者の自動応答メッセージ
  • ワイドビューで上下左右まで見えるカメラ
  • 宅配ボックス連携

特に戸建てでは、宅配ボックスの普及に合わせて
「宅配ボックスと連動できる機種」が注目されています。


5. 建築視点から見たインターホンの設置ポイント

5-1. 子機(玄関側)の設置位置

一般的には 高さ 1.4〜1.5m に設置します。
カメラの角度が重要で、来訪者の顔が映りやすい位置に調整します。

5-2. 親機(室内側)の設置位置

  • 玄関近く
  • リビング
  • キッチン周辺

家族が気付きやすい位置に設置します。

5-3. 配線ルート

新築では「電源線+通信線」の配線を壁内に隠蔽します。
リフォームの場合、ワイヤレスタイプを選ぶと工事が簡単です。

5-4. 電気錠との連動

オートロック住宅では、
インターホンで来訪者を確認し、ワンタッチで解錠する設計が一般的です。


6. インターホンを選ぶポイント

  • 防犯性を重視するなら → カメラ付き(録画機能付き)
  • 外出が多い → スマホ連動タイプ
  • 子ども・高齢者がいる家庭 → ワイドビュー・見やすいモニター付き
  • リフォーム → ワイヤレスインターホン
  • マンション → 管理組合に合わせたセキュリティ連携型

機能が多いほど価格は上がりますが、
日常の安全性・利便性に直接関わるため、コスパは非常に高い設備です。


7. まとめ

インターホンとは、
来訪者を確認し、安全にコミュニケーションを取るための住宅設備です。

  • 音声インターホン
  • カメラ付き(テレビドアホン)
  • スマホ連動型
  • セキュリティ連携型

など種類が豊富で、建物の用途や家族構成によって最適なタイプが異なります。

現代では 防犯性の向上・宅配対応・外出先での応答 など、
生活スタイルに合わせて便利な機能を選べるようになっています。
建築・リフォームを検討する際には、
インターホンの性能と設置位置を合わせて計画すると安心です。


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