Megadeth ヴァイナル完全ガイド:初心者からコレクターまで押さえるおすすめアルバムとエディション選び
イントロダクション — Megadethとは
Megadeth(メガデス)は、1983年に元Metallicaのギタリスト兼ボーカリスト、デイヴ・ムステイン(Dave Mustaine)によって結成されたアメリカのスラッシュ/ヘヴィメタル・バンドです。緻密で速いギター・リフと複雑なアレンジ、高度なテクニカル性、そして政治・社会問題を扱う歌詞で知られ、1980年代後半から現在に至るまでメタル界で重要な存在を保っています。本コラムでは、レコード(アナログLP)コレクションの観点から「押さえておきたいおすすめアルバム」をピックアップして、その背景・聴きどころ・ヴァイナル的に注目すべきポイント(どのエディションが人気か等)を解説します。
おすすめレコード一覧と深掘り解説
Rust in Peace(1990)
・理由:技術的完成度の高さと名曲の集中度でMegadethの金字塔とされる一枚。ギターワークの精密さ、楽曲構成の緻密さが極まった作品。
- 代表曲:”Holy Wars... The Punishment Due”、”Hangar 18”、”Tornado of Souls”
- 主なラインナップ:デイヴ・ムステイン(Vo/G)、マーティ・フリードマン(G)、デイヴィッド・エレフソン(B)、ニック・メンザ(Dr)
- ヴァイナル注目点:オリジナルの初回プレス(1990年 Capitol)は歴史的価値あり。音像のダイナミクスを重視するなら良好なコンディションのオリジナルか、信頼できるリマスタリング盤を狙うのが定石。
Peace Sells... but Who's Buying?(1986)
・理由:Megadethのブレイク作であり、政治的・社会的テーマとスラッシュの勢いが直結した名盤。アイコニックなアルバムジャケットも含めコレクター人気が高い。
- 代表曲:”Peace Sells”、”Wake Up Dead”、”Devils Island”
- 主なラインナップ:初期の重要メンバーが揃った時期。エッジの効いたプロダクションが特徴。
- ヴァイナル注目点:Ed Repkaによるアートワークもポイント。オリジナルのCombat/Capitol盤はコレクターズアイテム。
Countdown to Extinction(1992)
・理由:商業的成功を収めたアルバムで、ヘヴィネスを保ちつつ曲構成がよりメロディックでキャッチーになった作品。ラジオ的なヒットも生んだため、より広いリスナー層に刺さる。
- 代表曲:”Symphony of Destruction”、”Sweating Bullets”、”Skin o’ My Teeth”
- 主なラインナップ:マーティ・フリードマン在籍期で、バンドとして成熟したサウンド。
- ヴァイナル注目点:当時の大ヒット作ゆえ複数のプレスが存在。アナログでの音圧と帯域バランスの差が出やすいので、音質評価の高いエディションを探すのが良い。
Youthanasia(1994)
・理由:さらにメロディックな志向を持った時期の代表作で、静と動のコントラストが特徴。ライブで人気の曲もあり、アルバム通して聴きやすい。
- 代表曲:”A Tout Le Monde”、”Train of Consequences”
- 主なラインナップ:成熟したソングライティングが光る時期。
- ヴァイナル注目点:1990年代中盤のプレスは様々。コレクターズエディションや後年のリマスター盤も出回っている。
Countdown以降の重要作:Cryptic Writings(1997)とEndgame(2009)
・理由:Cryptic Writingsは実験とポップ化の中で多様性を見せた作品、Endgameは古典的なスラッシュ回帰と高評価曲の多さで現代のファンにも刺さる一枚。
- Cryptic Writings代表曲:”Trust”、”Almost Honest”
- Endgame代表曲:”This Day We Fight!”、”Head Crusher”
- ヴァイナル注目点:両作ともプレスのバリエーションが多く、限定カラーや再発が存在するので好みの音像や見た目(ジャケ・色)で選ぶと良い。
Dystopia(2016)
・理由:近年の作品の中で特に評価が高く、モダンなプロダクションと従来のテクニカルさを両立。2017年のグラミー賞(Best Metal Performance)を受賞した点も注目。
- 代表曲:”Dystopia”、”Fatal Illusion”、”The Threat Is Real”
- 主なラインナップ:デイヴ・ムステイン、デイヴィッド・エレフソン、キコ・ルーレイロ(G)、クリス・アドラー(Dr, ゲスト参加)など
- ヴァイナル注目点:現行プレスのクオリティは高く、サウンドもクリア。限定カラー盤などのコレクターアイテムもあり入手しやすい。
The System Has Failed(2004)と近年作(The Sick, the Dying... and the Dead! など)
・理由:The System Has Failedはムステインの復帰後の“再起動”を象徴する作。近年作についてはバンドの成熟と安定感が光るため、現行ファンや新規リスナーにおすすめ。
- 代表曲(The System Has Failed):”Die Dead Enough”、”The Scorpion”
- 近年作の特徴:プロダクションのクオリティが高く、現代の再生環境での聴きごたえがある。
- ヴァイナル注目点:再発や限定版が多く、アルバムごとに音作りやマスタリングが異なるので、レビューやサンプル音源を確認しながら選ぶとよい。
コレクター向けの選び方ポイント(購入時の観点)
- オリジナル盤の価値:初期プレス(発売年のオリジナル)が歴史的価値や資産性で高評価。ただし状態(ジャケットや盤の傷)で価格差が大きい。
- リマスター/再発の長所:マスタリングが見直され、現代の再生環境に合わせた音作りになっていることが多い。クリアな音を求めるなら評判の良いリイシューを検討。
- 限定カラー/特殊盤:コレクター性を重視するなら限定プレス(カラー、Gatefold、300枚限定など)を狙う。ただし音質はプレスごとに差が出る場合がある。
- 情報源の活用:Discogsや公式サイト、レビュー記事でエディションやマトリクス情報、リリース年などを確認するのが確実。
どのアルバムから買うべきか(リスナー別提案)
- スラッシュ/テクニカル志向の方:まずは「Rust in Peace」。演奏技術や曲構成の凄みを経験できる。
- 名曲をまとめて楽しみたい方:”Peace Sells...” と “Countdown to Extinction” の組合せがベスト。
- 近年の高評価作を試したい方:”Dystopia” は現代的な音と往年のメガデスらしさが両立。
- コレクション性を重視する方:初期の初回プレスや限定カラー盤、レアなインサートの有無を狙うと満足度が高い。
最後に(まとめ)
Megadethは時代ごとに色が変わりつつも、一貫して高い楽曲力と演奏力を持つバンドです。レコードとしてコレクションする際は「どの時期のサウンドが好きか」「保存・鑑賞を重視するか」「コレクション性を重視するか」を軸にエディション選びをすると満足度が高くなります。本稿で挙げたアルバムはどれも代表作あるいはコレクター人気の高い作品ばかりなので、まずは自分の好みに合いそうな一枚を手に取ってみてください。
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参考文献
- Megadeth 公式サイト
- Megadeth - Wikipedia
- Megadeth | AllMusic
- Megadeth - Discogs(リリース一覧・プレス情報)
- Megadeth Biography | Rolling Stone


