RJD2 おすすめレコード完全ガイド — 深掘りコラムで読み解く代表作と名盤の聴きどころ

RJD2 おすすめレコード — 深掘りコラム

RJD2(本名:Ramsey(Ramble)?、通称RJD2)は、サンプリングと生演奏を巧みに織り交ぜるプロデューサー/アーティストとして、インストゥルメンタル・ヒップホップ〜エレクトロニカ〜オルタナ・ポップの領域を横断してきました。本コラムでは、RJD2 の代表作・隠れた名盤・コラボ作品を「レコード(ヴィニール)で聴く価値が高い」観点を踏まえつつ、楽曲・サウンドの特徴、聴きどころを深掘りして紹介します。

Deadringer(2002) — 代表作中の代表作

RJD2 を語る上で外せないデビュー・フルアルバム。サンプリング、ムードあるストリングス、ブレイクビーツ、そして映画的な構成力が光る一枚です。インスト/トラック中心ながらドラマ性が高く、ヒップホップの枠を越えた“物語を感じさせる音作り”が特徴。

  • 聴きどころ:収録曲「Ghostwriter」は彼の代名詞的トラック。切なくも力強いメロディと緻密なサンプリングワークが詰まっている。
  • 音色面:アナログ的な温かみとサンプルのパンチが同居し、レコードの深みと相性が良い。
  • こんな人におすすめ:ブレイクビーツ/インスト・ヒップホップの核を聴きたいリスナー、映画的な音像が好きな人。

Since We Last Spoke(2004) — メロディを前面に出した深化

前作の延長線上にありつつも、よりメロディアスで歌心のあるアレンジが増えた2nd。叙情性とポップ感覚が強まり、トラック単位の完成度が上がっています。テレビ番組で使われたことのある楽曲もあり、いわゆる“聴きやすいRJD2”を体現。

  • 聴きどころ:「A Beautiful Mine」など、シンプルなフレーズが強烈に印象に残る曲が多数。
  • サウンドの特徴:サンプルと生鍵盤が溶け合い、往年のソウルや映画音楽的な要素が顕著。
  • こんな人におすすめ:メロディやフックを重視するリスナー、エンディングまで聴かせるアルバム体験を好む人。

Soul Position — 8 Million Stories(2003)とコラボ作品

RJD2 がMC Blueprint と組んだユニット「Soul Position」による作品は、プロデューサーとしてのRJD2の別側面を見せてくれます。ビートは彼らしいサンプリング感を保ちつつ、リリックと物語性が前に出るため「歌/ラップあり」のRJD2を楽しみたい人に最適。

  • 聴きどころ:RJD2 のビートメイクがラップとどのように相互作用するかがよく分かる一枚。
  • こんな人におすすめ:ビート好きだがMC入りのアルバムも聴きたいという人、ヒップホップ的な歌詞表現を重視するリスナー。

Magnificent City(RJD2 & Aceyalone) — ラップ/ヴォーカルと共鳴するRJD2

Aceyalone との共作作品(EP/アルバム扱いされるもの)は、RJD2 がヴォーカル主体の楽曲をプロデュースした際の代表例です。トラックの多彩さとヴォーカル表現の融合で、プロデューサーとしての幅を感じさせます。

  • 聴きどころ:ヴォーカルの表情を活かすためのアレンジとダイナミクスの付け方。
  • こんな人におすすめ:ヴォーカル曲でのRJD2サウンドを試してみたい人、ゲストMCとの化学反応を楽しみたい人。

The Third Hand(2007) — 賛否を呼んだ実験作

ここからRJD2は大きな方向転換を試みます。より多くの生楽器やシンガーを取り入れ、ポップ/ロック寄りのアプローチを採用したアルバム。賛否分かれる作品ですが、アーティストとしての挑戦と成長が刻まれています。

  • 聴きどころ:打ち込み中心の過去作と比べ、バンド感のある演奏やヴォーカル曲が目立つ。
  • こんな人におすすめ:RJD2 の変化球を追いたい人、プロデューサーの多面的な側面に興味がある人。

The Colossus(2010)〜More Is Than Isn't(2013) — 復調と深化

続く作品群は、映画音楽的な壮大さとサンプルワークの洗練が同居する時期。インスト中心に戻る曲もあり、産業的なプロダクションの手腕が結実しています。曲ごとの起伏が豊かで、アルバム通しての流れを重視するリスナーに向きます。

  • 聴きどころ:管弦アレンジや厚みのあるミックス、各曲のドラマ性。
  • こんな人におすすめ:サウンドスケープとしてのアルバムを味わいたい人、ライブ感のあるアレンジを好む人。

Dame Fortune(2016)/The Fun Ones(2020)などの近作 — 歌心とダンス感の融合

近年作では、より歌ものやダンス/ファンク的要素を取り入れたトラックも増え、ポップセンスが強化されています。長年のキャリアで培った“耳を掴むブレイク”や“フック”を自在に使い分ける姿が印象的です。

  • 聴きどころ:メロディの磨き上げと、ジャンル横断的なアプローチ。
  • こんな人におすすめ:RJD2 の近年のサウンドを追いたい人、クラブ寄りのグルーヴを求めるリスナー。

レコード選びの実践的アドバイス(買う前に考えるポイント)

どの作品を最初に買うかは「何を楽しみたいか」で決めると失敗が少ないです。以下は目的別の優先順位です。

  • RJD2 の象徴を知りたい:まずは「Deadringer」。彼のコアが詰まっています。
  • メロディ重視で聴きたい:Since We Last Spoke や近年作がフィット。
  • ヴォーカルやラップとの化学反応を楽しみたい:Soul Position や Aceyalone との共作を。
  • 実験的な側面を味わいたい:The Third Hand をチェック。

アルバムごとの「聴き方」提案

各アルバムはアルバム単位での物語性が強いため、曲を飛ばさず一周通して聴くことをおすすめします。特にDeadringerやSince We Last Spokeは曲順にも意味があるため、冒頭から順に味わうと変化の妙がわかります。

最後に — RJD2 を聴く楽しみ方

RJD2 の魅力は「サンプリングへの愛」と「メロディを生み出す耳の良さ」です。インストの表情、ヴォーカル曲での器用さ、コラボレーションでの柔軟性といった多面性があるため、一枚だけでなく数作を並べて聴くことで彼の全体像がより鮮明になります。今回挙げたアルバム群は、どれも作り手としてのRJD2の重要な局面を示す作品です。ぜひ気になるものから順に深掘りしてみてください。

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参考文献