Maynard Fergusonのおすすめアルバムを時代別に徹底解説|1950sビッグバンドから1970sフュージョンまで
はじめに — Maynard Fergusonとは
Maynard Ferguson(メイナード・ファーガソン、1928–2006)は、超高音域まで届くパワフルなトランペットで知られるカナダ出身のジャズ・トランペッター兼バンドリーダーです。キャリアはビッグバンド〜モダンジャズの流れから始まり、1970年代以降はジャズ・ロック/フュージョンやポップ寄りのアレンジを取り入れて大衆的な成功も収めました。本コラムでは「レコードで聴くべき」おすすめアルバムを時代ごとに深掘りし、各盤の聴きどころや選び方(映像や再発盤の情報含む)を解説します。
選び方の視点(短く)
- キャリアの変遷を追う:1950〜60年代のビッグバンド/モダンジャズ期 → 1970年代のフュージョン/クロスオーバー期という大きな2相を意識すると、変化がよく分かります。
- 代表曲と編成をチェック:ハイノートの見せ場、アレンジの巧みさ(ホーン・セクションの書き方、ストリングスの有無など)を聴き比べると面白いです。
- オリジナル盤とリイシュー:音質やマスタリングの好みが分かれるため、試聴して自分好みの音を探すのがベストです。
おすすめレコード(時代別に深掘り)
1) 1950s:クラシカルなビッグバンド期の入門 — Around the Horn
ポイント:若き日の技巧とビッグバンド・サウンドをしっかり味わえる一枚。トランペットの高域の切れ、ブラス・アンサンブルの厚み、スウィング感が魅力です。
- 聴きどころ:リード・トランペットのソロ、ブラスセクションのアンサンブル、テンポの振れ幅。
- おすすめ聴取法:最初はアルバム通しでビッグバンドの“流れ”を把握し、気に入った曲を反復してソロのフレージングを追うと上達が早いです。
2) 1950s〜60s:ライトで技巧的な作品 — Boy With Lots of Brass(等)
ポイント:より小編成的なアプローチやソロ中心の曲が多く、メロディアスなナンバーと速いビバップ系ソロの対比を楽しめます。歌心のあるバラードも収録されていることが多いので、表現の幅を感じられる盤です。
- 聴きどころ:バラードでの音色の使い分け、高音域だけでなく中低域の表現。
- 注意点:この時期はいくつかの録音で編成やアレンジャーが変わるため、クレジット(誰がアレンジしているか)をチェックすると、曲のカラーが分かります。
3) 1970s:M.F. Hornシリーズ — ジャズ・ロック/クロスオーバーの代表作群
ポイント:エレクトリック・ギターやエレピなどが入るフュージョン寄りのサウンドに、大編成のホーンが絡むスタイル。ここでのメイナードは「派手でタイト」なアレンジとポップなカバー曲で新しいファン層を獲得しました。
- 聴きどころ:リズム隊とホーンのグルーヴ感、ロック系のリズムに乗るトランペットのハイノート・フィルイン。
- 聴き比べポイント:M.F. Hornシリーズは各作でアレンジ傾向が異なるため、どの作風が好みかを見極めるのに向いています。
4) 代表的ヒット盤:Conquistador(1977年のヒット)
ポイント:「Gonna Fly Now(Rockyのテーマ)」を収録し、商業的に大きな成功を収めたアルバム。ラジオでの露出も多く、クロスオーバーの象徴的作品です。バンドのキャッチーさとメイナードの目を引くトランペットが同居しています。
- 聴きどころ:ポップでドラマティックな編曲、キャッチーなフック、そしてライブ映えするアレンジ。
- どう楽しむか:ジャズの“即興”というよりは「ショー的・エンターテインメント」として楽しむと良い盤です。
5) ライヴ/編集盤:ステージでの爆発力を確認する盤
ポイント:スタジオ盤では分かりにくいバンドの一体感やメイナードのソロの瞬発力はライヴ録音でこそ鮮烈に伝わります。時代やツアーによってセットリストや編成が異なるので、複数のライヴ盤を聴き比べるのもおすすめです。
- 聴きどころ:実際の音圧感、ソロの長さ、観客の反応によるテンションの変化。
- 選び方:年代を揃えて(例えば70年代ライヴだけを追う)聴き比べると変化が分かりやすいです。
各盤の「具体的に何を聴くか」:注目ポイントの早見表
- 高音のクリーンさ:冒頭のトランペット一発目、サビのハイノート
- アンサンブル:ホーンの隙間やリズム隊との噛み合い
- アレンジの凝り具合:ストリングスやコーラスの有無、ブリッジの展開
- ソロの構成:短いフレーズで見せるか、長尺ソロで展開するか
どの盤を買うべきか(コレクター向けの観点)
・初期(50s〜60s)の作品を重視するなら、オリジナルのアナログ盤(録音の温度感、ダイナミクス)は魅力的です。 ・1970年代のM.F. HornやConquistadorのようなクロスオーバー期は、リマスター/CDやストリーミングでも音の厚みを確認しやすいので、まずデジタルで試聴してからアナログを探すのが効率的です。
試聴・購入の実践アドバイス(簡潔に)
- 代表的な曲やヒット曲は先にチェックして、自分の感性に合うかを確かめる。
- ライナーノーツやクレジット(アレンジャー、録音年、参加ミュージシャン)を読むと、各盤の位置づけが理解しやすくなります。
- ジャンル横断的な作品が多いので、単なるジャズかポップかで線引きせず、アレンジやサウンドの質で選ぶと失敗が少ないです。
最後に — Maynardを深く楽しむために
メイナードは「ハイノートの人」として語られがちですが、その魅力は音域だけでなくアレンジやバンドワーク、時代に合わせて変化する表現力にあります。時代ごとの代表作を聴き比べることで、ひとつの奏者/バンドリーダーがどのようにポピュラー音楽の潮流に対応してきたかがよく見えてきます。まずは「初期のビッグバンド」「M.F. Hornシリーズ」「Conquistador」という3分類で聴き始めるのをおすすめします。
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