ジミー・ペイジの名盤おすすめガイド|Led Zeppelin全作とソロ/共作の聴きどころ徹底解説
はじめに
ジミー・ペイジ(Jimmy Page)はロック史に残るギタリスト/プロデューサーの一人で、レッド・ツェッペリンでの活動が最も知られています。しかし彼のキャリアはそれだけにとどまらず、ヤードバーズ時代の先進的な試み、プロデューサー/セッションマンとしての仕事、ソロや共作プロジェクトに至るまで幅広い音楽的遺産を残しています。本コラムでは「ジミー・ペイジのおすすめレコード」を厳選して深掘りし、各作品がなぜ重要か、どこに注目して聴くべきかを解説します。
1. Led Zeppelin(「I」) — 1969
ジミー・ペイジがプロデューサー的側面とギタリストとしての両面を強く発揮したデビュー作。ブルース/フォークの伝統をヘヴィなロックに昇華した代表作です。
- 代表曲:Good Times Bad Times、Babe I'm Gonna Leave You、How Many More Times
- 注目点:ギター・サウンドの基礎(レスポールの太いトーン、オーバードライブ処理)、レコーディングでのサウンドデザイン(ペイジ自身がプロデュース)
- おすすめエディション:オリジナルのUKプレスや、公式リマスター盤(高音質でバランスが良い)
2. Led Zeppelin II — 1969
よりハードでダイナミックな演奏、そして往年のロック・サウンドを決定づけた一枚。ペイジのリフ・メイキング能力が全面に出ています。
- 代表曲:Whole Lotta Love、Ramble On、Heartbreaker(ギター・ブレイクが有名)
- 注目点:重心の低いリフ・アプローチ、テープ・エフェクトや編集による革新的なプロダクション
- 聴きどころ:リフが曲の骨格を作る過程、ギターの音像の作り方に注目
3. Led Zeppelin IV(無題 album) — 1971
「Stairway to Heaven」を含む、バラエティに富んだ名盤。フォーク的な静と轟音のダイナミクス、ペイジのアレンジ力が光ります。
- 代表曲:Stairway to Heaven、Black Dog、Rock and Roll
- 注目点:アコースティックとエレクトリックの対比、オーケストレーション的アレンジ(ギター層の重ね)
- おすすめ:曲ごとのミックスや音像を比較するため、リマスター音源とオリジナル盤の両方を聴くのが面白い
4. Houses of the Holy — 1973
様々な音楽要素(ファンク、レゲエ風味、プログレ的展開)を取り入れた実験性の高い作品。ペイジの多面的なギター・テクスチャーが楽しめます。
- 代表曲:The Song Remains the Same、No Quarter、The Rain Song
- 注目点:クリーンなアルペジオやエフェクトを駆使したサウンド、異ジャンルのアプローチへの柔軟性
5. Physical Graffiti — 1975
2枚組の大作で、ツェッペリンの創造力が結実した一枚。多彩な曲調を収録しており、ペイジの作曲・編曲・プロデュースの力量が集約されています。
- 代表曲:Kashmir、Trampled Under Foot、In My Time of Dying
- 注目点:東洋的モチーフを用いたスケール感(Kashmir)、多層的なギターの配置とサウンド・スペースの作り方
6. The Yardbirds — Roger the Engineer(邦題:Yardbirds) — 1966
ペイジがヤードバーズでの活動を通じて実験的サウンドを磨いた時期の重要作。若き日の創意工夫が随所に見られます。
- 代表曲:Over Under Sideways Down、Happenings Ten Years Time Ago(シングル)
- 注目点:テープ加工やギター・エフェクトの初期実験、楽曲のアレンジセンス
7. No Quarter: Jimmy Page and Robert Plant Unledded — 1994
ペイジとロバート・プラントの再共演作(アンレデッド)。中東~アフリカ音楽的要素を大胆に取り入れた再解釈が見どころです。
- 代表曲:No Quarter(再構築)、Kashmir(アコースティック/オーケストラ編成)
- 注目点:スタジオでの音響的な実験、伝統音楽とロックの融合におけるペイジの編曲力
8. Walking into Clarksdale — Page and Plant(1998)
スタジオでの共作アルバム。伝統的ロック・フォーマットに回帰しつつ、二人の成熟した演奏が光ります。
- 代表曲:Most High、Please Read the Letter(後にプラントのソロでも再録)
- 注目点:シンプルだが緻密なギターワーク、モダンなプロダクションとのバランス
9. Outrider — Jimmy Page(ソロ) — 1988
ペイジ名義でのソロ・アルバム。80年代サウンドやゲスト・ミュージシャンとの共演を含む異色作です。純粋なツェッペリン路線とはまた違う趣を味わえます。
- 代表曲:Wasting My Time、The Only One
- 注目点:80年代的要素の導入とペイジのプレイの適応力、プロデュース手腕
10. The Firm(The Firm / Mean Business) — 1985–1986
ポール・ロジャースと組んだプロジェクト。よりコンパクトなロック・ソング志向で、ペイジのリフ・センスが別の角度から楽しめます。
- 代表曲:Radioactive、Satisfaction Guaranteed
- 注目点:短めの楽曲フォーマットでの色彩豊かなギター、ポップでダイレクトなサウンド
聴き方・注目ポイント(作品横断)
各作品を聴く際は以下に注目すると、ペイジの個性がより鮮明に見えてきます。
- リフとアレンジの関係:ペイジは単なるリフメーカーではなく、リフが曲全体のアレンジを牽引する作り方をする。
- プロダクションのアイデア:テープ処理、重ね録り、ギター以外の音源(ハーモニウム、声、パーカッション)との融合。
- アコースティック/エレクトリックの対比:静と動を演出するためのギター選択やダイナミクス操作。
- コラボレーションでの立ち位置:プラント、ロジャース、カヴァーデイル等との相互作用で違った側面が出る。
おすすめ盤の探し方(簡潔に)
・オリジナル盤は音の温度感やダイナミクスに魅力があるが、ノイズや盤面の状態に注意。公式リマスターやデラックス・エディションは音質・情報量ともに優れることが多い。
・ライヴ音源(BBC Sessions、How the West Was Wonなど)はスタジオ録音では見えない即興性やアンサンブルの息遣いを知るうえで必聴。
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参考文献
- Jimmy Page 公式サイト
- Led Zeppelin 公式サイト
- AllMusic: Jimmy Page - Artist
- Discogs: Jimmy Page
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