Huey 'Piano' SmithとHis Clownsのおすすめレコードを深掘りする—ニューオーリンズR&Bの必聴名曲ガイド

Huey "Piano" Smith — おすすめレコード深掘りコラム

Huey "Piano" Smith(ヒューイ・ピアノ・スミス)は、1950年代後半のニューオーリンズR&Bを代表するピアニスト/バンドリーダーです。彼が率いた「Huey 'Piano' Smith and His Clowns」は軽妙でファンキーなピアノ・リフ、キャッチーなコーラス・ワーク、ウィットのある歌詞で当時のダンス・シーンを席巻しました。本稿では「これを聴け!」というおすすめレコードをピックアップし、それぞれの聞きどころ、歴史的背景、購入時の選び方(どの音源を狙うべきか)などを深堀りします。

なぜヒューイ・ピアノ・スミスを聴くべきか

  • ロックンロール/R&Bの中でもニューオーリンズ特有のリズム感(ダウンビートにスウィングするシャッフル、シンコペーション)をピアノ中心に表現した数少ない存在。

  • ポップで親しみやすいメロディと、遊び心ある歌詞(“boogie woogie flu”のような語呂の良さ)が当時のダンス文化に強く訴えた。

  • 多くのアーティストにカバーされ、後続のロック/R&Bに影響を与えた重要なレパートリーが揃っている。

おすすめレコード(必聴シングル/代表曲)

1. "Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu"(シングル、1957)

解説:代表曲中の代表曲。タイトル/歌詞の語呂遊びとキャッチーなピアノ・リフが一聴で耳に残ります。リズムはニューオーリンズのシャッフルを土台に、ピアノがリードすることでロック寄りの躍動感を生み出しています。

  • 聞きどころ:イントロのピアノ・フレーズ、Aメロ→コーラスのキャッチーさ、エンディングの軽いユーモア。

  • おすすめ音源:オリジナル45はコレクター価値が高いですが、現代的な音質を求めるならAceなど信頼できるリイシュー/コンピレーションのリマスター版を。

2. "Don't You Just Know It"(シングル、1958)

解説:コミカルで呼びかけ調のヴォーカル(Clownsのメンバーが旋律を取る)と歯切れの良いピアノが光るナンバー。パーティー・トラックとしての完成度が高く、ライブ映えする構成です。

  • 聞きどころ:コール&レスポンスのやり取り、ブレイクで入るピアノの装飾、テンポのキープ力。

  • おすすめ音源:当時のシングル音源での力強さは魅力だが、まとまった形で聴きたいならコンピレーション収録盤で全体像を把握するのが良い。

3. "High Blood Pressure"(インストゥルメンタル/シングル)

解説:ヴォーカル曲だけでなく、インスト曲でもバンドのドライヴ感がはっきり出ています。ホーンのリフとピアノの掛け合いでスリリングなグルーヴを作るタイプの曲です。

  • 聞きどころ:インストならではのアンサンブル、ピアノとホーンのタイミング/スタッカート表現。

おすすめアルバム/コンピレーション(入門〜深掘り用)

4. "Huey 'Piano' Smith and His Clowns"(ベスト/コンピレーション)

解説:時期やレーベルで収録内容は異なりますが、初期の代表曲群を一気に聴けるベスト盤は入門には最適です。ヒット曲だけでなくB面の掘り出し物も含めてニューオーリンズR&Bの全体像を把握できます。

  • 聞きどころ:代表曲の比較(シングル・ミックスとアルバム・ミックスの違い)、B面に隠れた佳曲。

  • おすすめ音源:信頼できるリマスターを選ぶと、当時の演奏の鮮度が保たれます。ライナーノーツで各曲の背景が読める盤が特におすすめ。

5. コンプリート/デラックス編集盤("complete sessions"系)

解説:編集盤で「セッション集」「コンプリート集」を買うと、シングルA/B面、未発表テイク、別ミックスなどまで追えるため、研究的に聴きたい人向け。ヒューイの作曲/アレンジの変遷や、Clownsのメンバーごとの歌い回しの違いを確認できます。

  • 聞きどころ:異なるミックス間の差、未発表テイクでの即興・アレンジの変化、バック・セッションのメンバーによる色付け。

  • おすすめ音源:レーベル(Aceなど)の「Complete Sessions」系は収録が丁寧で、解説が充実していることが多いです。

聞き方の提案(曲ごとの注目ポイント)

  • ピアノの役割を中心に聴く:伴奏ではなくリード楽器としての役割、リフの反復と変奏に注目。

  • コーラス/コール&レスポンス:Clownsのコーラスが曲の「フック」になっている箇所をマークする。

  • リズムの揺れ(ニュアンス):ニューオーリンズ特有のシャッフル感がグルーヴを作る部分を体で感じる。

  • シングルとアルバムでの違い:シングルはラジオ/ダンス向けに短くタイト、アルバム収録はブリッジやインタールードが追加されることがある。

購入時のチェックポイント(音源選び)

  • オリジナルシングル(45)は歴史的価値が高いが、音質は経年による影響を受けやすい。コレクター向け。

  • リイシュー/コンピレーションはリマスターされているものが多く、音質と解説の両面で利便性が高い。

  • セッション集やデラックス盤は未発表曲や別テイクを楽しめるため、既に代表曲を知っているリスナーの深掘りに最適。

ヒューイの影響と現代的な聴きどころ

ヒューイ・ピアノ・スミスの楽曲は、単なる「昔のダンス曲」以上に、リズム感の作り方やピアノのリフの反復・展開という点で後のロック、R&B、ポップスに繋がる要素が多いです。現代の耳で聴くと、ミニマルなリフワークの強さ、イントロの完結度、コミカルなヴォーカル表現などが逆に新鮮に響きます。

最後に:おすすめの聴き方プラン

  • まずは代表2曲("Rockin' Pneumonia..."、"Don't You Just Know It")を立て続けに聴き、ピアノとコーラスの役割を確認。

  • 次にインスト曲("High Blood Pressure" など)でバンドのアンサンブルをチェック。

  • 最終的にComplete/Session集で別テイクやB面まで聴き、制作の細部や選曲の背景を味わう。

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参考文献