The Marketts(ザ・マーケッツ)徹底解説:プロフィールと魅力、代表曲と聴き方ガイド
The Marketts — プロフィールと魅力を深掘り
The Marketts(ザ・マーケッツ)は、1960年代のアメリカで活動したインストゥルメンタル・グループで、サーフ・ロックや“spy-fi”(スパイもの風)サウンドを融合させた楽曲で知られます。バンドの中心人物は作曲・ギターを担当したマイケル・Z・ゴードン(Michael Z. Gordon)とプロデューサーのジョー・サラチェーノ(Joe Saraceno)で、しばしばスタジオの一流セッションミュージシャンを起用して録音を行う、いわゆる“スタジオ・プロジェクト”的な側面が強いのが特徴です。
結成と活動の概略
1960年代のポップ/インスト・ブームの中で結成され、ラジオやチャートでヒットを放ちながら、アルバムやシングルを多数発表しました。スタジオ中心の活動形態により、実際のメンバーは録音ごとに変動することが多く、作品ごとに洗練されたアレンジと安定した演奏を提供した点が成功の要因の一つです。
サウンドの特徴と魅力
- キャッチーなメロディ:ボーカルレスでも耳に残るフックを第一に据えた作曲が多く、短いイントロと明快なテーマで聴衆を惹きつけます。
- サーフ+スパイ的要素の融合:リバーブ多めのツイン・ギターやトレモロ、時にオルガンやホーンを加えることで「波」と「緊迫感」を同居させた独特の雰囲気を作り出します。
- プロフェッショナルなスタジオ・ワーク:録音クオリティの高さ、無駄のないアレンジ、そしてセッションミュージシャンによる堅実な演奏が作品の完成度を高めています。
- 短く端的な楽曲構成:ラジオでの受けも考慮した、2〜3分台の短い楽曲が多く、聴き手の集中を切らさずに印象を残します。
代表曲・名盤(聴きどころと共に)
- "Out of Limits" — グループを象徴する大ヒット。SFやテレビのテーマ音楽を連想させるフレーズを取り入れた、印象的なリード・ギターが特徴です。マーケッツのサウンドが最も端的に表れた1曲としてまず聴くべき楽曲です。
- 代表的なシングルやコンピレーション盤 — シングル中心に活動したことから、いくつかのベスト盤/コンピ集が再発売されています。初期のシングル群にはサーフ・インストの王道を行くトラックが多く、ジャンル入門としても適しています。
- アルバム「Out of Limits」(諸版あり) — シングル曲を中心にまとめたアルバムで、当時のサウンド・プロダクションとアレンジ感覚を俯瞰できます。オリジナル盤やリマスター/コンピで音の違いを楽しむのも一興です。
演奏・アレンジで注目すべきポイント(聴き方ガイド)
- リード・ギターのトーン:リバーブやトレモロ、ミッドレンジの輪郭に注目すると当時のサーフ感が分かります。
- メロディの“歌わせ方”:ボーカルがいない分、ギターやオルガンが“歌う”ようにフレーズを取る表現力に耳を傾けてください。
- アレンジの空間設計:インスト作品は曲間の間(ま)や反復の置き方で緊張と解放を作ります。短い曲の中に効果的に配置されたサウンド・エフェクトやブレイクも見どころです。
- プロダクションのシンプルさ:音数を絞りつつも要所を強調する手法で、ポップとしての説得力が生まれています。
影響とレガシー
The Markettsは、サーフ・ロックやインストゥルメンタルの定型を広く一般に定着させたグループのひとつです。映画やテレビのサウンドトラック的な即効性の高いフレーズ作りは、その後のガレージ、インスト・リバイバル、さらには映画やCMの楽曲使用などにも影響を与えました。スタジオ・プロジェクトとしての運営形態は、当時のポップ産業の一側面を示す良い事例でもあります。
現在の聴きどころ・楽しみ方
- オリジナル盤の音色やプレス差を楽しむ(コレクター向け)
- リマスターやベスト盤で時代ごとの編集や音作りを比較する
- サーフ/インスト系のコンピやプレイリストに組み込んで、同時代の他アーティスト(例:Dick Dale、The Ventures 等)との比較で特徴を掴む
- 映画・ドラマでの使用例を探して、楽曲が映像に与える効果を味わう
まとめ
The Markettsは短く鋭いインストゥルメンタルを通じて、60年代のポップ/サーフ・ムーブメントに独自の色を添えた存在です。派手さよりも“フックの密度”と“スタジオでの緻密な作り”で勝負する彼らの作品は、楽曲設計やプロダクションの勉強にも向き、今なおサーフ・インスト/レトロ音楽好きにとって重要なレパートリーとなっています。
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