アンソニー・フィリップスのおすすめレコード完全ガイド:入門〜深掘りまで聴きどころと盤の選び方
イントロダクション
Anthony Phillips(アンソニー・フィリップス)は、Genesis の創設メンバーの一人として知られつつ、バンド脱退後は独自の音楽世界を築いたギタリスト/作曲家です。クラシカルな感性とフォーク、アンビエント、英国的な牧歌性が混ざり合ったサウンドは、プログレッシヴ/アコースティック系のファンから根強い支持を得ています。本コラムでは、初心者からコレクターまで楽しめる「おすすめレコード」をピックアップし、各作品の聴きどころや盤の選び方(どんなバージョンが向いているか等)を解説します。
アンソニー・フィリップスの音楽的背景(簡潔に)
若くしてGenesisを共同結成した後、健康上の理由でバンドを離れたフィリップスは、ギター演奏だけでなく作曲・アレンジに重点を移しました。ソロ活動では弦楽やピアノ、古楽器的な音色を取り入れた繊細なインスト作品、歌もののアルバム、断片的な実験音楽やホームレコーディング風の作品まで幅広く制作しています。ジャンルで括りにくいが、「繊細で内省的」「アレンジに物語性がある」— そんな特徴があります。
おすすめレコード(入門〜深堀り向け)
The Geese & the Ghost(代表作)
フィリップスの代表作としてまず挙げたいアルバム。オーケストラ的なアレンジと叙情的なギター・パートが共存し、彼の作曲家としての側面がストレートに出ています。Genesis 時代の遺産を感じさせる幻想性と、ソロ独自の静謐さがバランスよく融合しているため、初めて聴く人にはアルバムの世界観を知るのに最適です。
おすすめ盤:初期のオリジナルLPはコレクターズアイテムですが、拡張盤/リマスターCDや公式サイトで案内される再発盤は音質・解説ともに手に入りやすく、初聴きにはおすすめです。
Wise After the Event と Sides(歌もの/ポップ寄りの仕事)
このあたりのアルバムでは、フィリップスの歌心とポップ・センスが前面に出ます。ギター中心の繊細な伴奏に乗るメロディは、歌ものとしての魅力が高く、彼の多才さを知る上で重要な記録です。ポップ寄りと言っても、あくまでフィリップス流の内省的なアプローチが貫かれています。
おすすめ盤:オリジナル盤は米英で音のキャラクターが違うことがあるため、コレクション目的ならオリジナル、日常的に聴くなら近年のリマスター盤やデジタル配信版でも満足できます。
Private Parts & Pieces(シリーズ/インストの核心)
このシリーズはホーム録音的なインストゥルメンタル曲を集めたもので、フィリップスのもう一つの顔=室内楽的・断片的な創作を知るうえで欠かせません。アコースティックギター、キーボード、古楽器風の音色などが入り混じり、リスナーに「静かな風景」を提示します。アルバムごとに色味が異なるため、気に入った1作からシリーズを辿る楽しみがあります。
おすすめ盤:各巻とも再発や拡張盤が出ていることが多いので、ボーナストラックや未発表テイクを含む再発を選ぶのも良いでしょう。
Invisible Men(80年代の実験/産業的な色合いを見る)
80年代の機材やプロダクションが色濃く出た一作。フィリップスのメロディセンスは保ちつつも、シンセやエレクトリックなテクスチャーが前面に出るので、彼のキャリアの幅を知るという意味で重要です。好みは分かれますが、アルバム単位で彼の音楽的探究心を追うには面白い選択です。
おすすめ盤:当時のサウンドが好きな方はオリジナル盤、クリーンなサウンドを求めるならリマスターを検討してください。
Later/Archive リリース(編集盤・未発表集)
活動が長い作家の利点として、未発表曲やデモ、レアトラックをまとめたアーカイヴ盤が多く出ています。制作過程の断片や別テイクを聴けるため、作曲・アレンジの手法を深掘りしたいリスナーやコレクターにとっては宝の山です。
おすすめ盤:オフィシャル編集盤やアーカイヴセットは解説が充実していることが多く、聴き手の理解を助けます。公式サイトでの情報確認を推奨します。
アルバムごとの「聴きどころ」ガイド
- ドラマ性を味わいたい:The Geese & the Ghost のような第構成的な作品。
- 繊細なギター&室内楽:Private Parts & Pieces シリーズ。インスト中心で静かな集中が必要。
- 歌もの中心に親しみたい:Wise After the Event / Sides。メロディが印象的。
- 時代の音を知りたい:Invisible Men のような80年代プロダクション作品。
レコード選びのコツ(リリース/再発の見方)
- オリジナルLPはジャケットやマトリクス刻印が魅力ですが、音質面では再発・リマスターのほうがクリアな場合が多いです。
- 公式リイシューやボックスセットは、未発表曲や詳細な解説が付くことが多く、作品理解を深めたい人に向きます。
- シリーズ物(Private Parts & Pieces など)は、好きな「色味」の巻だけを集めるのも良し、まとめて通して聴くと作家性の変遷が見えて楽しいです。
- 海外盤と国内盤ではマスタリングやトラックリストが異なることがあるため、購入前に盤の仕様を確認してください。
初めて聴く人への入門順(個人的おすすめ)
- まず「The Geese & the Ghost」でフィリップスの世界観を把握
- 次に「Private Parts & Pieces」から1巻を選び、インストの繊細さに浸る
- 歌ものに興味があれば「Wise After the Event」「Sides」を続ける
- コレクターならアーカイヴ系や80年代作で幅を確認
聴くときの心構え(フィリップス的音楽の楽しみ方)
アンソニー・フィリップスの音楽は「即効性のあるヒット感」よりも、聴き込むほどに細部が見えてくるタイプです。静かな環境でアルバム全体を通して聴くと、フレーズの反復や微妙なアレンジの違いが心地よく染み入ります。また、ギターのフィンガーワークや古楽器風の色彩に注目すると、新たな発見があるでしょう。
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参考文献
- Anthony Phillips – Wikipedia
- Anthony Phillips 公式サイト
- Discogs:Anthony Phillips(検索結果)
- AllMusic:Anthony Phillips(検索)
- ProgArchives:Anthony Phillips(検索)


