Average White Band(AWB)のプロフィールと魅力を徹底解説|Pick Up the Piecesとファンク/ソウルの影響

Average White Band(AWB) — プロフィールと魅力を深掘り

Average White Band(以下AWB)は、1970年代に世界的な成功を収めたスコットランド出身のファンク/ソウル・バンドです。白人ミュージシャンが黒人音楽であるファンクやソウルを高度に消化・表現したことで「ブルー・アイド・ソウル」の代表格と見なされ、特にインストゥルメンタルの名曲「Pick Up the Pieces」は不朽のクラシックとなっています。本稿では彼らの歩み、音楽的特徴、代表作とその魅力、後世への影響を詳しく解説します。

結成と主なメンバー(プロフィール)

  • 結成時期:1970年代初頭(メンバー自体はスコットランド出身者が中心)にロンドンを拠点として活動を開始。
  • 主要メンバー:
    • Alan Gorrie — ベース、ボーカル。バンドの中心的ソングライター兼フロントマンの一人。
    • Hamish Stuart — ギター、ボーカル。Gorrieとともに多くの曲を共作。
    • Onnie McIntyre — ギター、リズムの要。
    • Roger Ball — アルト/バリトン・サックス、ホーン・アレンジ。サウンドの核となるホーン・アレンジを担当。
    • Malcolm "Molly" Duncan — テナー・サックス。印象的なソロとフレーズで曲を牽引。
    • Robbie McIntosh — ドラム(初期メンバー)。1970年代中頃に急逝し、その後Steve Ferroneが後任として参加。
    • Steve Ferrone — ドラム。加入後もAWBのサウンドを支え、その後も多方面で活躍。
  • プロデューサー:アリフ・マーディン(Arif Mardin)らと組み、アトランティック系のサウンドメイクが成功に寄与。

AWBの音楽的特徴と魅力

AWBの魅力は「緻密な演奏力」と「ブラック・ミュージックに対する誠実な理解」にあります。具体的には次の点が挙げられます。

  • グルーヴの一体感:リズム隊(ベース&ドラム)とコンパクトに噛み合うギター、そこに乗るホーン隊のタイミングが非常に精密で、ファンクとしての“ノリ”が鋭い。
  • ホーン・アレンジの巧みさ:Roger Ball のアレンジはブラス・セクションを単なる装飾にとどめず、曲のメロディやリフの一部として機能させることで、インスト曲でも強いエモーションを生む。
  • ボーカルの幅:GorrieやStuartのヴォーカルはソウルフルで、バンドのインスト主体のトラック群に温度感を与える。バラッドからダンスチューンまで表情の幅が広い。
  • ジャンル横断性:ファンクを基軸に、ソウル、R&B、ジャズ的なコード感やポップなキャッチーさを融合させ、英米双方のリスナーにアピールした。
  • 演奏の“クールさ”と“ホットさ”のバランス:テクニックに偏らず、スウィートで洗練されたサウンドと即興的な熱量とを両立させた。

代表曲・名盤の紹介

  • AWB(1974) — ブレイクスルー・アルバム。シングル「Pick Up the Pieces」が収録され、世界的なヒットに。インスト中心ながら非常に完成度の高い演奏を聴ける一枚。
  • Pick Up the Pieces — AWBを象徴するインスト曲。鮮烈なホーン・リフとファンキーなリズムが印象的で、アメリカのチャートでも大きな成功を収めた。スポーツやメディアでも頻繁に使用される定番曲。
  • Cut the Cake(1975) — タイトル曲を含むアルバム。メロディアスなソウル曲とファンクのバランスが取れた内容で、初期の勢いを保った好作。
  • Person to Person(1976、ライブ) — ライブ演奏のエネルギーとバンドの演奏力が直に伝わる記録盤。スタジオ盤とはまた異なる躍動感が楽しめる。
  • Later works(Warmer Communications、Feel No Fret、Shineなど) — 1970年代後半〜80年代にかけての作品群。ポップ志向やアレンジの多様化が見られ、シングルヒットやバラードも生んだ。

ライブでの魅力と演奏スタイル

AWBはスタジオ録音での完成度だけでなく、ライブ・バンドとしての評価も高いです。以下がライブでの主な魅力です。

  • 即興と構築のバランス:楽曲の骨格はしっかり保ちながら、ソロやブレイクで即興性が発揮される。
  • ホーンとリズムが織り成すダイナミクス:ホーンのフレーズが曲ごとにリズムのアクセントやコール&レスポンスを生み、観客を引き込む。
  • フィーリング重視の演奏:技術の見せ場だけではなく「グルーヴを共有する」姿勢が伝わる。

評価・影響とその後の展開

AWBは「白人のバンドがブラック・ミュージックを単に模しただけではない」という認識を広め、アメリカのR&B/ファンク・ファンにも受け入れられました。結果として:

  • 多くのミュージシャンやプロデューサーに影響を与え、後にサンプリングやカバーで参照されることが多い。
  • 「Pick Up the Pieces」は映画やCM、スポーツの場で頻繁に使われ、ポップカルチャーに定着。
  • メンバーはAWB以降もセッションワークや他バンドで活躍(例:Steve Ferroneのその後の国際的な活動など)。

AWBの楽しみ方(聴きどころガイド)

  • まずは「Pick Up the Pieces」を聴いて、ホーンリフとリズムのグルーヴを体感する。
  • アルバム単位で聴くと、インスト中心のアレンジとヴォーカル曲の配置でバンドの幅広さがわかる。
  • ライブ音源やベスト盤で、演奏のダイナミズムやメンバー間の掛け合いを確認するとより面白い。

まとめ

Average White Bandは技術力と楽曲の良さ、そしてブラック・ミュージックへのリスペクトが結実したバンドです。ファンク/ソウルの入門としても、演奏の教科書としても価値が高く、時代を超えて愛されるサウンドを持っています。シンプルに「カッコいい」グルーヴを求めるリスナーにはぜひおすすめしたいバンドです。

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参考文献