Earth, Wind & Fireのレコード選びとコレクション術:70年代〜80年代の代表作を徹底解説
はじめに
Earth, Wind & Fire(以下EWF)は、モーリス・ホワイトを中心に1970年代から80年代を通じてソウル、ファンク、ディスコ、ジャズ、アフリカ的要素、そして儀式的・霊的なテーマを独自に融合させたバンドです。レコードで聴くと、ホーン・アレンジの厚みやボーカルのハーモニー、パーカッションやカリンバ(親指ピアノ)のテクスチャーがより立体的に伝わるため、アルバム単位でコレクションする価値が高いアーティストです。
レコード選びの指針
音楽的多様性を味わう:EWFは1枚ごとにサウンドの焦点が変わるため、代表作を複数枚揃えるとバンドの全体像が分かります。
オリジナル・プレスとリマスターの違い:オリジナル・アナログ・プレスは当時の温かみとダイナミクスが魅力。近年の高品質リマスターや45回転/180gプレスはクリアさと低歪みが特徴です。
収録曲のバランスを見る:シングルヒットだけでなくアルバム曲やインスト、長尺曲(アルバム構成)に注目すると、EWFの芸術性がより伝わります。
おすすめレコード(重点解説)
That's the Way of the World (1975)
なぜ買うか:EWFの商業的ブレイクスルーであり、グループの“ソウル+霊性”が最も凝縮されたアルバム。ポップな要素と深いR&Bの両立、アレンジの緻密さが光ります。
代表曲:タイトル曲「That's the Way of the World」、ファンクチューン「Shining Star」、バラード「Reasons」など。
聴きどころ:イントロのホーン・アンサンブル、ハーモニーの重なり、カリンバの使い方。アルバム全体が繊細なダイナミクスで繋がっています。
盤の選び方:オリジナル・ワーナー/ARCのプレスは温かみがあり人気。リマスター盤は楽器の分離感が良いので好みに合わせて選んでください。
All 'n All (1977)
なぜ買うか:ジャズ・フュージョン的な展開やラテン/世界音楽的要素が増し、アレンジの多様性が楽しめる一枚。多彩なサウンドスケープを体感できます。
代表曲:「Fantasy」「Serpentine Fire」など、ポップ性と技巧性のバランスが優れた曲が並びます。
聴きどころ:ストリングスやホーンの細かな配置、リズムの多彩さ。アルバムを通してのバランス設計が上手いです。
Gratitude (1975)
なぜ買うか:ライヴ録音とスタジオ新曲を混在させた二枚組で、ステージでの熱量とスタジオでの緻密さを同時に味わえます。ライブのエネルギーを求めるなら必携。
代表的な要素:ライブ・パフォーマンスでのソウルフルな歌唱とインプロヴィゼーション、観客との一体感。
聴きどころ:シングル曲のライブアレンジ、ソロ楽器の見せ場、コーラスの迫力。
I Am (1979)
なぜ買うか:ディスコ〜ファンク期の頂点。ポップヒットと職人技のアレンジが両立した作品で、ダンス性の高い楽曲群が揃っています。
代表曲:「Boogie Wonderland」「After the Love Has Gone」など、シングルヒットが集中。
聴きどころ:ストリングスとシンセの使い分け、リズムのタイトさ、ボーカルのドラマ性。
Raise! (1981)
なぜ買うか:80年代の電子音とファンクを融合させた作品で、「Let's Groove」などクラブ定番曲を含む一枚。時代の音作りが楽しめます。
代表曲:「Let's Groove」—シンセ・ベースとホーンが複合したダンス・トラック。
聴きどころ:80年代初頭のプロダクション(シンセ・サウンド、ドラムマシン寄りのアプローチ)をEWF流に落とし込んだ点。
Head to the Sky (1973) と Open Our Eyes (1974)
なぜ買うか:初期のEWFがジャズやアフロビート的側面を強く出していた時期。後のスター路線に至る前の実験性・拡張性が楽しめます。
聴きどころ:即興的なインタープレイ、よりジャジーなコード進行、民族楽器の導入など。
コレクションの楽しみ方(聴きどころの視点)
曲単位で聴くのではなくアルバム全体のトーンを味わう:EWFはアルバム構成で物語やムードを作るのが上手いバンドです。A面とB面の流れを意識すると新たな発見があります。
アレンジを追う:ホーンの刻み、ストリングスのフレーズ、カリンバの位置など、細部が豊かなアレンジメントをじっくりと楽しんでください。
時代ごとのプロダクションの違いを比べる:70年代中期の温かみ、78〜81年のディスコ/シンセ路線など、時代ごとの録音・制作技法の変遷も聴きどころです。
盤探しの実用アドバイス(簡潔に)
オリジナル・プレスは当時の雰囲気とダイナミクスを残していることが多く、コレクター評価が高いです。
新品リイシュー(高品質リマスターや重量盤)も音場表現が優れる場合があるので、試聴して好みで選びましょう。
国内盤/輸入盤の違い:ライナーノーツや追加ボーナス曲の有無があるため、情報をチェックしてください。
最後に
Earth, Wind & Fireは1枚ごとに異なる顔を見せるバンドです。代表的なヒット曲を追うのも良いですが、アルバム単位で揃えると、アンサンブルの妙や制作のこだわりがより明確に伝わります。ここで挙げた作品を軸に、自分だけのEWFコレクションを作ってみてください。
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参考文献
- Official Earth, Wind & Fire – earthwindandfire.com
- That's the Way of the World (Wikipedia)
- All 'n All (Wikipedia)
- Gratitude (Wikipedia)
- I Am (Wikipedia)
- Raise! (Wikipedia)
- AllMusic – Earth, Wind & Fire
- Discogs – Earth, Wind & Fire


