The Commodores徹底ガイド:代表曲・名盤・サウンド解説とライオネル・リッチー時代の転機
プロフィール:The Commodoresとは
The Commodores(ザ・コミドアーズ)は、アラバマ州タスキーギーの学生仲間を中心に結成されたアメリカのR&B/ファンクバンドです。1970年代から1980年代にかけて、ファンクの代表曲から感動的なバラードまで幅広いレパートリーで世界的なヒットを連発し、モータウン・レーベルを代表するグループのひとつになりました。グループは高い演奏技術とホーン・アレンジ、そしてソウルフルなヴォーカルで知られ、メンバーにはリード作曲家として名を馳せたライオネル・リッチー(後にソロで世界的成功を収める)をはじめ、トーマス・マクラリー(ギター)、ウィリアム・“ウィリー”・キング(トランペット)、ミラン・ウィリアムズ(キーボード)、ロナルド・ラプレッド(ベース)、ウォルター・“クライド”・オレンジ(ドラム/ヴォーカル)などがいます。
歴史の概略と転機
結成〜初期:学生バンドとしての出発から、演奏力を武器にローカルでの評価を築き上げ、やがてレコード契約へと繋げていきます。
モータウン期:モータウン加入後、ファンク・インストゥルメンタルやタイトなグルーヴでの評価を確立。同時にライオネル・リッチーのバラード作法によりポップ市場へのクロスオーバーも果たしました。
ライオネル・リッチーの脱退:リッチーがソロ活動に専念するためグループを離れたことは大きな転機でしたが、その後もグループは強い職人的演奏力と新しいボーカルで活動を続け、1980年代中盤の「Nightshift」などのヒットで再評価を得ました。
サウンドの特徴と魅力(深掘り)
The Commodoresの魅力は大きく分けて「グルーヴと演奏力」「メロディと歌心」「ジャンル横断性」にあります。
グルーヴと演奏力:ベース、ドラム、ギターが緊密に絡むファンク・グルーヴはタイトで躍動感があり、ホーン・セクションやキーボードのアレンジがそれを効果的に彩ります。バンド出身らしい“生のプレイ”感があるため、楽曲はスタジオ録音でもライブ感が伝わってきます。
メロディと歌心:ライオネル・リッチーらが手掛けたバラードは、シンプルかつ心に残るメロディと率直な歌詞が特徴で、R&B/ポップの垣根を越えて幅広い層に受け入れられました。感情を素直に伝える表現力は、グループの大きな武器です。
ジャンル横断性:ファンクの“ダンストラック”からしっとりとしたラブバラード、ミディアムのR&Bナンバーまで、幅の広さが魅力。アルバムの中で曲調が変化しても違和感なくまとまるのは、メンバー全員のアレンジ力とプロダクションの高さゆえです。
物語性と普遍性:恋愛や人生をテーマにした歌詞は分かりやすく共感を呼び、特にバラードは世代を超えた“普遍性”を持っています。一方でファンク曲はパーティー感や都市的な洗練さを表現します。
代表曲・名盤(入門ガイド)
まずは以下の曲・アルバムを押さえると、The Commodoresの魅力が手早く理解できます。
代表曲(シングル)
- 「Brick House」— ファンクのアンセム。重心の低いグルーヴとキャッチーなフレーズが特徴。
- 「Easy」— シンプルで切ないバラード。歌心の象徴的な一曲。
- 「Three Times a Lady」— ストレートなラブソングで幅広い層に支持された大ヒット。
- 「Sail On」— ローリングするようなメロディと物語性のある歌詞が魅力。
- 「Nightshift」— グループの復活を象徴する曲で、故ジャッキー・ウィルソンとマーヴィン・ゲイへの追悼を込めた名バラード。
- 「Machine Gun」— インストゥルメンタルで、初期のファンク志向を色濃く示す代表的トラック。
名盤(聴きどころ付き)
- 「Machine Gun」— バンドの演奏力とファンク志向を示すデビュー期の重要作。インスト中心の曲から始まるため、バンドとしての骨太さを確認できます。
- 「Natural High」/同時期のアルバム群— バラードとファンクのバランスが取れた時期の作品群で、ポップ寄りの名曲を多く含むアルバムが多いです。
- 「Nightshift」(アルバム)— グループが新たな局面を迎えた時期の代表作。成熟したサウンドとポップ性の両方を感じられます。
ライブ・パフォーマンスの魅力と聴きどころ
ライブでは、ファンク曲のタイトな演奏とバンド全体の呼吸の良さが際立ちます。ホーンのブラス・リフ、ベースのグルーヴ、ギターのカッティングが噛み合う瞬間はバンド演奏の醍醐味です。一方バラードでは、フロントのヴォーカルが感情をじっくり伝えることで会場全体が引き込まれます。曲ごとのダイナミクスの幅が大きく、聴き手を飽きさせません。
影響と評価:なぜ今も愛されるのか
ポップ/R&Bへの橋渡し:ファンクに根ざしながらポップなメロディで商業的成功を収め、後続のR&Bアーティストやソングライターへ影響を与えました。
世代を超えたカバーやサンプリング:彼らの楽曲は後のアーティストにカバーされたり、ヒップホップなどでサンプリングされることも多く、現代の音楽にも断続的に息づいています。
楽曲の普遍性:恋愛や別れ、追悼といったテーマをストレートに歌う姿勢が、世代を超えて共感を呼び続けています。
初めて聴く人へのおすすめの聴き方
「代表的なファンク曲」→「代表的なバラード」という流れで聴くと、幅の広さとギャップがよく分かります。
歌詞に注目:バラードでは歌詞の素直さが魅力。英語歌詞を和訳して感情のディテールを追うのもおすすめです。
ライブ音源もチェック:生演奏のグルーヴ感はスタジオ音源とは違った暖かさがあります。バンド力を楽しみたいならライブ盤を聴いてみてください。
まとめ
The Commodoresは、高度な演奏力と普遍的なメロディ・歌詞を兼ね備え、ファンクとポップ/バラードを自在に行き来できる稀有なバンドです。ライオネル・リッチー在籍期のクロスオーバー成功と、その後の再起を通して示した表現の幅は、今日でも多くのリスナーに響き続けています。まずは「Brick House」と「Easy」、そして「Nightshift」を聴いて、その対照的な魅力を体感してみてください。
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参考文献
- Commodores — Wikipedia
- Commodores | Biography & History — AllMusic
- Commodores — Encyclopaedia Britannica


